京都には「はな会」というグループがある。三平和司、横谷繁、姜成浩、内野貴志ら１９８７年前後生まれの仲良しメンバーを、自分たちでそう呼んでいるのである。……ひょっとしたら三平だけがそう呼んでいるだけかもしれないが。
その中の４人が揃って札幌戦でメンバー入り。

しかも粘り強い見事な勝利。となると、あの勝利後の円陣も４人揃って組んだのだろうと、その様子を聞こうと思ったら……。「輪っか？　今回やっていないですよ」と三平から素っ気ない返事が返ってきた。なんと、勝利の円陣をやっていないとは！

でも、三平にとって「はな会」が揃ったアウェイ遠征はうれしかったらしく「エンジョイしましたね。いや別にそんな悪いことはしていないですよ。いつもだったら部屋で11時くらいに眠くなるんですけど、今回は一緒にいたので、結構充実してましたね」とご満悦のご様子。

札幌戦では「はな会」メンバーの横谷繁が誕生日を迎えた（５月３日）。試合後、サポーターからハッピーバースデーが歌われて横谷は、「びっくりしました。歌ってもらえるなんて思ってもいなかったから。うれしかったですね」と表情を崩した。実は帰って、ホテルでもケーキが出たという。「クリームをサンペイ（三平）につけてやりました（笑）」とのこと。「はな会」の仲間だけに、きっとつけたのは「鼻」に違いあるまい。

「食事が終わって、ケーキが出て。その後、なぜか『笑ったら１００円（の罰金）ね』というテレビ番組の企画みたいなことになって。それで（横谷）繁が、イチゴを食べさせてくれるような形になったので、『お、ありがとう』って食べようとしたらつけられたんです」と三平。結局、１００円を払ったりすることはなかったのだが、一番笑っていたのが「（児玉）剛です」とのこと。児玉も１９８７年生まれ。彼も「はな会」の会員なのだろうか……気になるが。

その「はな会」メンバーで姜成浩が移籍後初ベンチ入り。感想を聞くと「これまでずっと準備してきたので、いつ入ってもいいようにと準備は整ってました」とのこと。惜しくも出場は、同じ「はな会」の内野貴志に譲ることになったが、「相手の状況にもよるところだったし、相手も１人上がって来たのでウッチーが出たのはわかります。また次、チャンスが回ってくるようにしっかり準備したい。またメンバーに入って、そこからだと思います」と前向きな答え。勝利後の円陣がなくて残念そうではあったが「いや全然（気にしていない）。勝ったのでＯＫです」とのこと。円陣なしは、キャプテン・安藤淳の責任だろう。ゴールを決めて舞い上がっていたのか？　ヒーローインタビューにも答えていたし。
この姜成浩には、もう一つの顔がある。多分、練習中で一番オモロいのが彼ではないかと思うのだ。いつだったか、攻撃パターンからのシュート練習で、練習を終わらせるために「ゴール２本！」と大木武監督が声を掛けた。２ゴール連続で決まったら終了という号令だ。その後、１ゴール決まった後に誰かが「キレイチっ！」と大声をあげた。（何だ？　キレイチって……）と思ったが、チーム内は「また姜か」というツッコミが出て盛り上がる。
姜成浩に、その記憶について聞いてみると、笑いつつ「ああ、あれ。きれいなの１本（決めよう）ということで」と平然と返答。なぜか、こちらが恥ずかしくなる。
「（こういうのが）持ち味と言ったらおかしいですけど、それでチームが盛り上がればそれでＯＫだと思っているので。それも一つの個性というか、自分だと思っている。サンペイ（三平）と楽しくやりながら、それが自分のモチベーションが上がることにもつながってます。練習中も楽しいですね。監督もそういうのを怒ったりしない人だし、かといってふざけている訳じゃないですよ」。話を聞いてみると、かなり前向きで明るいアホ……いや、好青年なのである。

「サンペイと」と、いうのが気になったので、話を広げようと三平和司の弱点を聞いてみると「基本、少人数だったらおもしろいですけど、大人数だったらおもしろくないですよ」との返答。ちょと毒舌を引き出そうと、「肝っ玉の小さい奴なんだ？」と振ったら「どうなんですかね。自分はやっているつもりなんでしょうけど、基本みんなの前だったらおもしろくないですね」と、ちょっとフォローを入れてきた。なかなか仲間思いではないか。

こういう毒舌では、フェルナンド（原一樹。先日、練習中に大木監督がこう呼んでいたので、まだこの愛称は生きている）なら、一気に切りかかるのだが。ちなみに、札幌戦後の翌日、別メニューでランニング中のフェルナンドは、三平の横を通るなり大声で彼に「札幌戦、何もしてなかったよねぇ」と大声でバッサリ。さすが、京都のツッコミ番長。「はな会」幹事長の三平も苦笑いの一幕。

以上

2013.05.05 Reported by 武田賢宗