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【J1:第10節 清水 vs 川崎F】レポート:パスコースを増やす力の差が結果にもつながり、川崎Fが今季初の逆転勝ちで2連勝(13.05.07)

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「自分たちがどのぐらいパスコースをタイミング良く作れるか。それによって相手が取り来てもファーストディフェンダーのプレッシャーが軽減する。(パスコースに)顔を出すことでいくつも判断がある(選択肢が増える)。そうなるとディフェンスが難しくなるということで、2つのゴールはうちらしい良いゴールだった」(風間八宏監督)
どちらもボールを支配したいという狙いは同じ。そして、どちらも自分たちがボールを握る時間は作った。その中で両者の差を生んでいたのは、風間監督の言葉に象徴される部分ではないだろうか。

清水は、前節に続いてカルフィン ヨン ア ピンが欠場し、杉山浩太がセンターバックに、竹内涼がボランチに入る形。川崎Fは、今回も中村憲剛が先発し、中2日の連戦の中で両チームとも前節と同じメンバーでスタート。そんな中で先制パンチを放ったのは、アウェイの川崎Fだった。風下からのキックオフ早々に、中村が縦に仕掛けて攻め上がり、前線の矢島卓郎にスルーパス。これはうまく合わなかったが、いきなりあわやという場面を作って、清水守備陣に恐さを与えた。
そして、そのまま序盤は川崎Fが主導権を握る。ボールに対する出足でも清水を上回り、個人個人が冷静にボールをキープしながら、清水がプレスに来る前にどんどんボールをはたいていく。清水としては、なかなか前からプレッシャーがかからないため、ズルズルとラインを下げざるをえなくなり、押し込まれる時間が多くなった。
10分過ぎからは清水が落ち着きを取り戻し、ある程度押し込まれても守備のブロックを整えてしっかりと対応。そうなると、マイボールのときにも冷静にボールを回し始められる状況になったが、後方で横につないでいるところから川崎Fと違ってスムーズにゴール近くまでボールを運ぶことがなかなかできない。清水の選手がボールを受けてルックアップしても、パスコースに顔を出す選手が少なく、少ない選択肢の中からパスを出しても相手に読まれやすい。そこで無理にパスを入れれば、インターセプトされてカウンターを受けるリスクもあるため、なかなか前にパスを出せず、ボールを下げてやり直すしかなくなってしまう。
こうした状況は、この試合に限った話ではなく、以前から続いている清水の課題。逆に「ボールを持っているときにラインの間で受けることや、トライアングルやダイヤモンドを作って回すことという面ではよくできるようになっている」(ゴトビ監督)と、以前よりも改善しつつある。だが、パスコースを増やすことをチームとして大きなテーマに掲げている川崎Fと比べると、やはりまだまだ不足していることは否めない。そのため、相手の隙間を突いてぐいぐいと前に行く能力は川崎Fのほうが明らかに高かった。

ただ、そんな展開の中でも、先制点を奪ったのは劣勢の清水。31分に中盤のルーズボールを拾ってから素早く右に展開し、吉田豊が右にはたいて河井陽介がクロス。ニアに竹内が飛び込んでGKにキャッチする余裕を与えず、上がってきた吉田がこぼれ球を押し込んで、うれしいプロ初ゴール。電光石火のカウンターアタックで、見事に先制点を奪った。
これで清水は一気に優位に立ったが、それをわずか2分で手放してしまう。33分にクサビのパスをカットされてカウンターを受け、川崎Fの速いテンポのつなぎと中村のラストパスから小林悠にきれいな同点ゴールを決められてしまう。
「カウンターからの失点は本当に注意していたけど、その後すぐに返せたのが本当に大きかった」(山本真希)。「得点後の失点が早すぎて、優位に進められる状況を自分たちで失ってしまった」(林彰洋)。どちらも鮮やかなカウンターからの得点だったが、より失点が悔やまれるのは、無理をする必要のない場面で不用意なミスを犯してしまった清水のほうだった。

1-1のまま迎えた後半も、流れをつかんだのは川崎F。とくに10分過ぎには狙っていた右サイドから押し込む場面を連続して作り、後半12分に山本のパスで中村が右の裏に飛び出し、絶妙なパスフェイントで縦に突破してクロス。これをファーサイドから飛び込んだ矢島が胸で押し込み、完璧な崩しから見事に逆転ゴールを奪った。
その後、清水は高木純平(後半26分)、村田和哉(同30分)、瀬沼優司(同42分)と攻撃の駒を投入して反撃に出るが、なかなか決定機を作れない。「最後のところに入ったときの落ち着きや正しいプレーをするクオリティはまだ足りない」(ゴトビ監督)という部分も、以前から続くチームの課題だ。
逆に川崎Fは、冷静に守備を整えながら後半39分にレナトを投入してカウンターで3点目を狙っていく。清水としては後半21分に左CKのセカンドボールから平岡康裕がヘッドで狙ったのが最大のチャンスだったが、これはゴールカバーに入った山本に跳ね返され、結局2-1のままタイムアップ。川崎Fは、良くなってきたチームの流れそのままに今季初の逆転勝ちで、今季初の連勝。清水のほうは今季いちばんの集客があったゴールデンウィークでのホーム2連戦で、手痛い連敗を喫してしまった。

この試合のシュート数は、清水=8本、川崎F=7本と清水が上回ったが、自分たちの意図通りに崩す場面が多かったのは川崎Fのほう。ここまでの10試合で比較すると、川崎Fがシュート134本(1試合あたり13.4本)なのに対して、清水が79本(1試合あたり7.9本)。そうしたシュートまで持っていく能力の差は、ゴール数(川崎F=17点、清水=9点)の差にも、この試合で見えたパスコースを作る力の差にもはっきりと表われていた。

以上

2013.05.07 Reported by 前島芳雄
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