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【J2:第13節 京都 vs 松本】レポート:松本が終了間際に均衡を破って勝利! 京都は学ぶべき点の多い試合に(13.05.07)

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西京極での京都と松本の一戦は、終了間際に松本が膠着状態を打ち破り、勝点3を積み上げた。
山瀬功治、三平和司を先発起用した京都。ゲームは、試合が始まると、右サイドの安藤淳がサイドに張って攻撃姿勢を強める。その背後のスペースを田森大己がケアする形で、両ワイドが広がる陣形は、京都の攻撃意図も覗かせた。
落ち着いた立ち上がりから、9分に京都は、バックパスを奪われてクロスからパク カンイルに頭で合わされたシーンもあったが、ボール保持を高める。その中で10分に右クロスからニアに三平が合わせ、13分には福村貴幸のクロスに三平がボレーを放つなど中央に合わせる状況が続く。21分にも駒井善成、山瀬が連続してシュートを放つも、松本のブロックに合う。だが、松本も、自陣内のFKでGKが蹴ったボールを斜めに走った鐡戸裕史が合わせてバーに当てるなど一瞬の隙を突く。

後半に入ると、京都が押し込み、松本が返すという図式は変わらないものの、松本の反撃姿勢が強くなる。後半19分にはGKのキックを長沢駿が頭で触れ、その先の船山貴之に送りCKにするなど、ポイントを作れるようになる。22分には右クロスから長沢の高さを生かす攻撃、その長沢に代って入った塩沢勝吾もシュートまで持ち込むなど形を作る。
京都も後半33分に、後半から右サイドに入った三平に送り、そこから仕掛けてマイナスクロスを田森がミドルシュートを放ち、その直後にはCKのこぼれを工藤浩平がシュート、そのこぼれをさらに工藤が詰めるなど、あわやという場面を作ったがゴールならず。
そしてスコアは最終盤の90分に動く。この時間帯で京都はファールが多くなり、遠い位置から船山にFKを直接狙われて、これをCKに逃れると、このCKが福村の頭に当たりオウンゴールとなる。これが決勝点となり松本が粘り勝ちを収めた。

試合後、松本・反町康治監督は、風邪をひいてしまったと会見場を和ませた後、連戦の中で走り負けなかった選手たちを讃えた。
京都・大木武監督は、試合終盤の相手キーパーからのキックでCKやFKを与えてしまう状況を指摘し、「耐えきれなかった」と口にした。GKのキックは前線の高さを意識したものが多く、試合最初のキックから山なりで、後半にその数は減ったものの、意図を感じさせるものだった。

話は変わるが、3年前の2010年シーズンの終盤、京都は秋田豊監督が指揮を執っていた。当時の京都はカウンターサッカーで、その当時、秋田監督に「京都はカウンターが主体なのでもっと前からボールを奪う様な形にしないといけないのでは?」と聞いたことがある。秋田監督は高い位置でボールを奪うことを第一にしていないと、この質問を真っ向から否定した。そして、ボールを奪う位置ではなくて、奪う態勢が大事なのだと説明してくれた。前を向いてボールを奪うこと、前を向いてボールを奪うからそこからスムーズに攻撃に入れるんだ、と要点を解説してくれた。答えを聞けば当たり前ではあるが、その時、こちらは目からうろこが落ちた思いだった。相手のカウンターが決まる時、その大半は前を向いてボールを奪っている時である。前進態勢でのボール奪取。逆に奪われた方は置いていかれて逆走しての守備だ。これを理解した時、前進態勢の時が、一番パワーが生まれやすいとも気がついた。だからそれ以後、こぼれ球への対応含め、守備時に前進態勢でボールを奪うためにどこにポジションを取っているか気にするようになった。
後半、松本はカウンターを繰り出せるようになったが、当然、前を向いて奪っているので、そこから力強く走りだせるようになっている。そして、松本の攻撃の手は、一つはカウンター、もう一つはクリアしたボールを船山が粘ってマイボールにすること、そして、先述の前線へのロングボール。この3つだ。それとプラスして、自分たちの形が出たことで勢いをつけたこと。サポーターも含め「それいけ、やれいけ」という空気が生まれつつあったことだ。CKの数は、後半だけで両チームとも5本だ。だが、この雰囲気の差はあったのではないか。だから、監督の「耐えきれなかった」という印象となったのだろう。
前半は、京都が守備のポジションで隙がなく、松本に自分たちの形を出させなかった。だが後半、京都が攻勢を強めることで互いに攻め合う状況になった。攻勢に出ること自体批判する気は全くない、それ以上に、評価されても良いと思う。だが、カウンターを主体とするチームに勢いを与えてしまうこともある。これは良い経験としなくてはならないだろう。

攻撃については、松本の3バックの裏を取れなかった、という印象。京都はこれまで松本から3点取っている。天皇杯対戦時の3点だ。この時の先制点はサイドからのクロスで背後を取っていたと思う。その後は工藤が飛び出して2点目(このイメージが工藤にはあったのだろう。だから今節でも似た様な形を繰り出しており、可能性を感じさせてくれた)、中山博貴の3点目。1点目の背後以外は「一本で裏」という形でもないだろう。3バックの(と言うよりもチーム全体で)背後は相手も相当ケアをしている。これは富山戦でも同じ印象を受ける。だから、試合後の会見でもあったように、ディフェンスの前(エリアの外)から積極的に打つようにと指示もしたのだろう。
後半30分に横谷繁から山瀬へ送ったシーンは良かったのではないか。山瀬が3バックの一角と1対1になったが、ここで何かが起こる可能性はあったはずだ。これが山瀬ではなくて、中村祐哉でも同様だと思う。だから大木監督は中村を入れたのではないか。
下がる3バックの前で前を向いて受けて、仕掛ける。これでも良いが、横谷が、山瀬が相手DFの横に入るタイミングで足下へのスルーパスでも面白かったのでは、とも思うのである。山瀬に、そういう受け方をしようという意図を感じられなかったのであの場面では出来なかっただろうが、横谷から山瀬に「これで、ファーストタッチでシュートまで持っていけますよ」というメッセージ付きのパスを送れるだけのイメージと技術があるかどうか、だろう。
今回のあの状況でそこまでのパスが出せる日本人は中村憲剛(川崎F)くらいだと思うが、バルセロナのシャビなら確実に出すのではないか。バルセロナはこうしたパスを繰り出すが、それは「相手の背後にスペースが無い」という試合を数限りなくこなして手に入れたものなのかも知れない。京都も同じではないか。こうした試合から学ぶべき点は本当に多いと思う。昇格を考えると敗戦は痛い以外の何物でもないが、こうした試合から学ぶ姿勢も大切なことだと思う。

以上

2013.05.07 Reported by 武田賢宗
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