ゴールデンウィーク最後の試合となった本城陸上競技場での北九州対札幌戦は、気温25度を超す選手達にはキツイ条件の中での試合になった。その状況で勝点3を手にしたのは、最後は倒れるまで走り切ったアウェイの札幌だった。
前節から中2日で迎えた今節、スタメン選びに両チームの監督とも苦慮した。ホームの北九州・柱谷幸一監督が「前節からかなり疲労している選手もいたので、フレッシュな選手を入れ、勢いを付けたかった」と話せば、アウェイの札幌・財前恵一監督も「コンディション的に厳しい選手が多かったので、フレッシュな選手を入れて戦おうと思って替えました」と話し、北九州は7人、札幌は4人、前節からメンバーを入れ替えて戦った。
5連敗中でホームで負けられない北九州は、試合開始のホイッスルから前線に入った柿本健太とナム イルウが相手センターバックにプレッシャーを掛け、勢いの良い入りを披露した。2列目での起用になったキム ドンフィの飛び出しで、先制点を奪えそうなシーンもあった。
しかし、先発メンバーの平均年齢が22歳と若い札幌の選手達も決して慌てることなく、細かくボールを繋いで相手陣内に攻め入った。この日ボランチに入った宮澤裕樹がサイドに散らし、北九州のウィークポイントであるボランチと最終ラインの間に空くスペースにボールを入れ、攻撃の形を作ってリズムを生む。14分、中盤でボールを受けた宮澤がゴール前にフワリと浮かしたパスを入れ、岡本賢明が相手センターバックに競り勝つ。そのこぼれ球を「1トップに入れる選手が彼しかいなかった」と財前監督が先発起用した横野純貴が流し込み、札幌がチャンスをしっかり決め先取点を奪った。
普段なら、先取点を奪われると、しばらく勝利から遠ざかっている北九州が気落ちする場面が見受けられた。だが、この日は「落とさないように心掛けていた」と開幕戦以来のゴールマウスを守った松本拓也がチームを奮い立たせた。
その後のピンチもなんとか凌ぐと、前半30分、ルーキーの思い切りの良さが、同点ゴールを呼び込む。「ターンしたら打て」と言われていたFW柿本が振り抜いたミドルシュートが決まり、北九州は同点に追いついた。
試合が降り出しに戻り、ここからが本当の勝負だったが、大幅にメンバーを入れ替えた北九州のほうが先に動きが鈍くなり、チームとしての連動性を失ってしまう。「意識的にミドルレンジからのシュートを狙って行っていた」(宮澤)札幌の術中にはまっていった北九州守備陣は、自陣でのプレーを余儀なくされ、ズルズルと下がってしまった。すると、クリアボールが小さくなった所を宮澤に拾われ、パスを受けた岡本にゴール前までドリブルで簡単に進入を許す。きれいな放物線を描いた左足からのシュートが突き刺さり、札幌が北九州を再びリードして前半を終えた。
後半、同点さらに逆転を狙う北九州だったが、その交代策は監督のプラン通りにはいかず後手を踏むものばかり。札幌の運動量の低下にも助けられ、ゴール前でのシーンは増えたが、時すでに遅しの感は否めなかった。長い移動距離、地元とは異なる高い気温と悪条件が多かったはずの札幌が、最後まで粘り強さを見せ、1−2で勝利し連敗を2で止めた。
北九州は、これで6連敗。エース池元友樹の復活は明るいニュースだが、本来ならばもっとチームも彼自身も良い状態で復帰させたかったところ。交代でピッチに入り、アディショナルタイムも含めた31分間の中で彼らしいテクニックを随所に見せ、チームを引っ張り、スタンドを湧かせた池元。だが1番彼らしいプレー、今チームに1番足りないモノを示したのは、82分に見せたワンプレー…ゴールラインを切りそうなボールを必死に追いかけ、マイボールにしようとした…プレーだったのかもしれない。
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2013.05.07 Reported by 坂本真















