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【J2:第19節 栃木 vs 神戸】レポート:上位対決に相応しい激闘!栃木は2位・神戸を相手に死力を尽くし、一定の責務を果たした。(13.06.16)

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タッチラインを割りそうなボールに三都主アレサンドロが懸命に食らい付く。足を伸ばして拾ったボールをすかさず独特のタッチでゴール前へ。これを大和田真史が頭で合わせるが、ヒットせず。GK徳重健太の手の中にボールが収まった瞬間、上位決戦に相応しい激闘は2‐2のドローで幕を閉じた。

ボールの行方を確認した大和田は、そのままピッチに突っ伏した。同点弾を叩き込んだクリスティアーノも倒れ込んだ。大敗した前々節のG大阪戦とは異なり、持てる力を全て出し切った。だからこそ、興奮したし、感動もした。唯一、歓喜には欠けたものの、2位・神戸を相手に勝点1を得られたことは必ず今後に繋がる。そんな期待感を大いに抱かせてくれた。後半途中から大粒の雨が降り出したにもかかわらず、席を立たずに惜しみない声援を最後まで送ってくれた栃木のファン・サポーターの思いに、少しは報いることができたはずだ。最上の結果ではなかったが見応えのある、「もう一度観たい」と思わせる試合を提供することはできた。一定の責務は果たせたと言える。

早々に試合は動いた。先手を取ったのは栃木。CKを完璧に頭で合わせた當間建文のシュートはGKに弾かれるも、こぼれ球を近藤祐介が押し込んだ。古巣相手の先制弾は、開始3分に決まった。申し分のない滑り出しを見せた栃木は、ボランチのクリスティアーノが意図的に神戸のDFラインの背後へボールを供給。これを近藤、廣瀬浩二の2トップが追い、神戸のプレスの網をかいくぐった。持ち味である中盤のボール奪取を無力化された神戸は、ポゼッションしながら機をうかがった。小川慶治朗がバイタルエリアでボールを受けるなど、徐々に押し込めるようになった32分、労せずして同点に持ち込む。當間のバックパスが緩いと見た小川がかっさらい、GK榎本達也をかわして無人のゴールに流し込んで試合を振り出しに戻した。

「1失点目の時間帯が悪かった」とGK榎本が言うように、この失点で栃木はプランが崩れ、リズムを狂わせる。攻め込まれてはCKを取られ、その全てを枠内に飛ばされた。辛うじて難を逃れるも、神戸の勢いは止まらない。後半になるとボールを走らせ、栃木の体力を削ぎ落した。後手に回った栃木はクリスティアーノのプレスバックが遅れ、さらにボールを奪ってからのパスの質が低下し、セカンドボール争奪戦でも苦戦を強いられる。センターラインを越えられない我慢の時間帯が続き、ついにゴールを割られた。マジーニョのクイックリスタートに鋭く反応したのは小川。69分に胸トラップから鮮やかなボレーを突き刺した。

一瞬の気の緩みがまたしても致命傷となった栃木。逆転されたダメージは小さくなかったが、濃厚だった敗色ムードを薄めたのは途中出場の三都主、久木野聡、湯澤洋介の3人。推進力を活かし、前半の序盤のように再び背後のスペースへと働きかけたのだ。アグレッシブさは88分に結実した。三都主のクロスに対して久木野が潰れ、そのルーズボールを湯澤がシュート。一時はDFに阻まれるも、リバウンドをクリスティアーノが右足一閃。弾丸シュートは雨を切り裂いてネットを揺らした。同点弾で火が付いた栃木は、地の利を活かしてその後もチャンスを作り続ける。だが、もう一押し足らなかった。

「最後のゲームの終わらせ方は、頭の中ではイメージできていると思うが、きちんとできないところが課題」とは安達亮監督。神戸は2試合連続で勝点3を取り逃した。先行されながらも追い付き、突き放したところまでは理想的な展開だった。だが、「どんどん前に行っていたのに、(点を取ってから)ペースが遅くなってしまった部分があった」(河本裕之)。栃木が嫌がるようなボール回しは鳴りを潜め、時間を使うことにやや気持ちが傾いた。そのため脅威は薄れ、付け入る隙を与えてしまった。「栃木も千葉も順位が示しているように、非常に力のあるチーム」(安達監督)であることは確かだが、試合の締め方を確定させない限り勝点の喪失は続くだろう。それがやがてボディブローのように効いてくる前に、意思疎通を図る必要がある。早急に喫緊の課題に対する解答を出したい。

辛うじてドローに持ち込んだ栃木は、過去2年間との違いを見せている。パウリーニョが離脱してもサッカーの質は落ちることなく、しっかり勝点も稼げている。これまでとの大きな相違点だ。その要因をひとつ挙げるならば選手層。神戸戦では三都主、久木野、湯澤が躍動し、勝点獲得に貢献した。クリスティアーノが典型的だが、「俺が、俺が」という姿勢と目つきは頼もしい。ぎらついた野心はカンフル剤になる。競争原理を働かせる意味でも、遠慮なく練習からアピールを続けてもらいたい。

交代カードが収穫ならば、課題はメンタル面。「チームのメンタルの体力として90分の中でどこかで抜けてしまう」(松田監督)。神戸戦の2失点は自滅。G大阪戦の3失点も然り。やはり上位はミスを見逃してくれない。勝負所を見極め、そこをしっかり押さられる、試合巧者になることが求められる。そのためには、当たり前だが練習から高い意識を持たなければならない。強者になるために、まだ越えるべき壁がある。

以上

2013.06.16 Reported by 大塚秀毅
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