意地もプライドもみせることなく、あっけなく敗れた。試合後、ふがいないチームに対して群馬のサポーターは激しいブーイングを浴びせたが、その怒りとは裏腹にスタジアムには大きな失望感が漂っていた。北関東ダービー優勝争いから脱落した群馬にはこの先、ダービー以上に過酷な残留争いが待ち受ける。ダービーで闘えないチームが残留争いを生き抜けるのか。シーズン終盤へ向けて大きな不安を残すゲームとなった。
北関東を制するためには勝利が求められた群馬は、ベテラン櫻田和樹を先発で起用し中盤に熱い魂を吹き込む。守備陣は出場停止の夛田凌輔に代わってケガ明けの中村英之が復活、最終ラインを固めた。一方、鈴木隆行ら主力が出場停止となった水戸は、三島康平を1トップの頂点に配置、ボランチには木暮郁哉を起用する3−4−3のシステムで3試合ぶりの勝利を目指す。ともに中3日で迎える3連戦のラストゲームは気力と体力の勝負となることが予想された。
北関東首位を走る水戸を返り討ちにすべく準備を進めていた群馬だが、出端を挫かれるスタートとなった。キックオフと同時に前線から激しいプレッシングを仕掛けてくる水戸に対して防戦一方。ボールを敵陣へ運ぶことすら、ままならない状況へ追い込まれていく。「立ち上がりに水戸に圧倒されたことはホームチームとして恥ずかしいこと」(秋葉忠宏監督)。水戸の奇襲にリズムを狂わされた群馬は開始20分を無駄にしてしまった。
水戸の猛攻に耐えた群馬は20分過ぎからポゼッションを支配、ボランチ櫻田を中心にビルドアップを図る。だがその展開を予測したかのように水戸は一斉に自陣へと引き始める。群馬は、5−4−1の守備システムでスペースを埋める水戸の守備網を突破することができない。ボールを保持しながらも攻め手を欠く群馬は、決定機を作ることさえもできずにハーフタイムを迎えることになる。
後半、攻撃のパワーを上げてゲームに入った群馬だが、チャンスを演出していく矢先にセットプレーの悪癖が出てしまう。67分、右CKから水戸の冨田大介にヘッドで豪快に叩き込まれて痛恨の失点。北一真は「あの時間帯にやられしまうのは、やっぱり甘さがあるから。セットプレーで取って、セットプレーを守るチームにしないと勝点は積み上げられない」と悔しさを露にした。群馬は終盤に猛攻を見せたもののゴールは遠く、0−1で試合終了のホイッスルを聞いた。
水戸は、主力3選手を出場停止で欠きながらも気力十分のファイトをみせて貴重な勝点3を手にした。序盤のプレッシングで群馬の勢いを削ぎ、ゲーム中盤は5バックできっちりと守る。そしてセットプレーのチャンスを確実に決めて群馬をワナにハメてみせた。柱谷哲二監督の巧みな采配が勝利を呼び込んだと言ってよいだろう。水戸はこの勝利で北関東ダービーの勝点を7へと伸ばし、優勝へ王手をかけた。
水戸に敗れた群馬は痛恨のリーグ戦2連敗。最下位岐阜が敗れたため順位に変動はないが、いつ最下位に転落してもおかしくない状況だ。前々節札幌戦で今季初の連勝を決めチームに勢いが出たが、先発を入れ替えて臨んだ福岡、水戸の連戦でチームの形は再び崩れた。水戸に走り負けていたことも夏場に向けての大きな不安材料だ。植木繁晴GM(兼代表)は「選手も監督も勝ち方を知らない。なぜ下の順位にいるのかを理解して、J2残留のために必死で勝点を取らなければいけない」と語った。残り19試合。すべてが残留を懸けるシーズン最終戦の気持ちで闘わなければ群馬は生き残れない。
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2013.07.08 Reported by 伊藤寿学















