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【J2:第24節 長崎 vs 群馬】レポート:3連勝も内容に納得できない長崎と3連敗ながらも内容に手応えを感じた群馬。それぞれの思いは如何に(13.07.15)

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長崎と群馬。どちらも前線から激しくプレスをかけるハードワークを身上とするチームなだけに、試合前は泥臭い肉弾戦が予想された。長崎の高木琢也監督もミーティングで「開始15分で5本以上のシュートを打とう」と最初から積極的に仕掛けていくように指示を出していた。しかし長崎は今節、開幕からここまで毎試合出場し、ディフェンスラインを統率してきた山口貴弘が累積警告で出場停止となっており、代わりに3バックの中央をあまり経験したことはない藤井大輔が山口の位置に入った。そのためだろうか、長崎の選手は立ち上がりから不用意な失点を怖れて、前に人数をかけることができない。長崎の怒涛のハイプレッシャーは影を潜めてしまい、どこかリスク管理を行なうような試合の入りとなり、いたずらにラインを下げた戦い方になってしまった。

ただし、長崎が幸運なのはそんな中でもなぜか先制点を取れてしまうことだ。12分、左サイドの山田晃平がボールキープすると、ボランチの井上裕大が裏に飛び出してパスを受ける。タッチライン際から水永翔馬に出すと、水永は思い切ってシュート。相手に当たったこぼれ球を佐藤洸一が押し込んで先制。これまで練習してきた前に人数をかける攻撃と、スペースを作る動きが形になった得点シーンだった。しかしながら長崎は選手間の距離が開いてしまっており、この試合ばかりは連動した攻撃を継続することはできなかった。

一方、前回の対戦でアディッショナルタイムに決勝点をあげられ、悔しい敗戦となった群馬は、2連敗中ということもあり強い気持ちを持って長崎戦に望んでいた。立ち上がりから長崎のチグハグな試合運びを見逃さなく、ぽっかり空いたDFラインの前から青木孝太が積極的にミドルを放ちリズムを作ると、3バック脇のスペースを突いて揺さぶりをかけ続ける。長崎は両ワイドの選手が上手くDFラインの守備をサポートすることができないばかりか、前線の選手の守備も後ろの選手と連動していないために、群馬の中盤にいなされてしまい後手後手に回る。危険を感じた長崎の高木監督は36分ながらも「オーガナイズされていなかった。特に守備の部分で」という幸野志有人に替えて小笠原侑生を投入し、さっそく前線からの守備を強化した。

だが、流れは変わらない。群馬は得意のセットプレーでも惜しいプレーを見せる。27分、ペナルティエリア正面からの青木のFKは鋭く変化。金山隼樹のナイスセーブに阻まれるも、スタジアムは悲鳴に包まれた。続く31分にはエデルが右サイドから折り返しチャンスを作ると、40分にも青木が鋭いミドルを放つ。前半は失点シーン以外はほぼ群馬の時間だった。

後半に入っても群馬は止まらない。61分に保崎淳、70分に途中交代した加藤弘堅、87分に横山翔平がディフェンスラインの前から立て続けにミドルを放つ。ただし、群馬はボールは持つことはできるが連動した攻撃パターンが構築されておらず、決定的なシーンまでは作ることはできない。終始押し続けるもタイムアップ。3試合連続無失点となり敗れてしまった。

秋葉忠宏監督は試合後、「決して下を向くような内容ではなかったと思います。必ずいいチームになると思います。これを継続して精度と質を上げていく事が大事になると思います。守備についても質を上げていかなければなりません。失点の瞬間だけラインを下げてしまいやられてしまった」と話し、3連敗とは思えない会見だった。次の試合に必ず繋がることだろう。

一方、3連勝で3位をキープした長崎の高木監督は「勝ちましたが、複雑な気持ちです。『勝って良かったのか?』ということです。それ(勝利)によって選手が自分たちの力を「やれるんだ」と変に誤解するような気持ちになることが怖いです」と俯き、無失点に抑えたにもかかわらず自分たちの持ち味であるハードワークを出せなかったことを悔いた。確かに、そう捉えられる試合かもしれない。ただ、一方で新たな要求の高まりはチームが成長している証であるとも考えることができる。開幕当初ならば、「体を張って良く粘った」「悪いながらも勝点が取れた」「次に繋げたい」と誰もが納得していたはずではなかろうか。
もはや「自分たちはできると」と変に勘違いするような選手は長崎にはいない。これまでの共通体験を通じて、自分たちのサッカーができなくとも粘りながら勝てるという、もうひとつのチームが副産物として出来上がっていることを前向きに認めることはできないだろうか。攻撃も守備もどちらも完璧にできる試合はそう多くはない。長崎の勢いを支えているのは、勝ちきるしぶとさを持つチームのもうひとつの顔に隠されているのかもしれない。決して選手層は厚くはない。後半戦はこんな試合も多くなるかもしれない。

以上

2013.07.15 Reported by 植木修平
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