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【J2:第24節 水戸 vs 岡山】レポート:「ホームで勝つ」。数的不利になりながらも、その思いを抱き続けた水戸。粘り強く戦い、そして、背番号10の輝きが歓喜を呼び込んだ。(13.07.15)

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蓋を開けてみれば、3−4−3システムがぶつかり合うミラーゲームとなった。

試合2日前の紅白戦で水戸は4−4−2に取り組んでいた。「昨年の3バックのチームに対してうまく戦えていた時の戦い方を取り戻そうと思った」と柱谷哲二監督が説明したように、システム上のミスマッチをうまく利用して主導権を握る戦い出ることが予想された。

しかし、「紅白戦が全然ダメだった」と柱谷監督。連動性を欠き、仮想岡山のBチームに押し込まれる展開が続いた。練習後、不満げな表情を浮かべた柱谷監督は、ある決断を下した。「気持ちを高ぶらせるためにマンツーマンをやらせようと思いました」。あえて岡山と同じシステムにして、個々のぶつかり合いをさせようとしたのだ。「個人の評価。どっちがいい選手かやるしかないと。選手たちにメンタル的なところを注入しようと思った」と柱谷監督は選手たちの意地を信じてピッチに送り込んだ。

しかし、個でも組織でも上回ったのは岡山であった。序盤からアグレッシブな姿勢を見せて、高い位置でのボール奪取を繰り返し、そこからテンポよくボールを展開してチャンスを作り出した。「今季のゲームの中でも非常によく自分たちのサッカーを貫けた」と影山雅永監督が振り返ったように、岡山のよさばかりが目立つ展開となった。

さらに53分、水戸の島田祐輝がこの日2枚目の警告を受けて退場となると、岡山がさらに攻勢を強めることに。相手に退場者を出しながらも攻めあぐねてスコアレスドローに終わった第21節富山戦の反省を踏まえ、「リスクをかけて出ていった」(影山監督)岡山が猛攻を仕掛け、水戸が耐えるという構図で試合は進んだ。

だが、水戸が意地を見せた。その根底にあったのが「ホームで勝つ」という思いであった。リーグ前半戦、水戸はホームで3勝3分5敗とふがいない戦いが続いた。「昨年はホームでたくさん勝てましたが、今年はあまり勝てていない。やっぱり観客を増やすためにも僕らが勝たないといけない。そういう姿を見せれば、また試合を見にこようと思ってくれる人が増えるはず」(輪湖直樹)。数的不利に陥りながらも、水戸が目指したのはあくまで勝点3であった。

岡山の猛攻に耐えながらも、「チャンスは必ず来る」(橋本)と信じて、機を見計らって鋭いカウンターを繰り出した。苦境のチームをけん引したのが前回のホームゲーム第21節山形戦で退場処分を受けた鈴木隆行と橋本晃司だった。「チームに迷惑をかけた分、取り返したかった」(橋本)という強い思いがプレーにみなぎり、そして73分、鈴木隆が左サイドでDFを振り切ってから折り返し、輪湖を経由してボールを受けた橋本がダイレクトで左足を一閃。鋭く振り抜かれた左足から放たれた弾道はクロスバーに当たりながらもゴールに吸い込まれていった。待望の先制ゴールに選手たちは喜びを爆発させた。

終盤、岡山はパワープレーを仕掛けて水戸ゴールに襲いかかったが、水戸守備陣は集中力を切らさずに対応。本間幸司の好セーブもあり、最後まで岡山にゴールを割らせずに試合を終わらせることに成功した。

序盤からペースを握り、多くのチャンスを作りだした岡山にとっては「もったいない試合」(竹田忠嗣)だった。ただ、同時に岡山の抱える課題が浮き彫りとなったとも言えるだろう。リーグ最少失点でG大阪に次ぐ敗戦の少なさを誇っているにも関わらず、勝利は水戸よりも2つ少ない7である理由がこの試合から垣間見ることができた。「こういう試合で勝ち切れないと上にはいけない。もっと質を上げないといけない」と険しい口調で竹田は語った。岡山はこの壁を乗り越えることができるか。

「選手たちはよく頑張ってくれた」と柱谷監督が称えたように、数的不利になった後の水戸の選手たちの闘志をむき出しにしたプレーが勝点3を呼び込んだ。だが、そのプレーを引き出したのはサポーターの声援であったことは間違いない。「ピッチに入った時に応援してくれたことがうれしかった。やってやろうという気持ちになりました。僕らはずっとサポーターから熱い声援を受けているので、それに応えないとプロじゃない」と殊勲の決勝ゴールを決めた橋本が力を込めて振り返ったように、4000人の観客からの声援と歌声、そして手拍子がチームに力を与え、選手たちを奮い立たせたであった。サポーターやクラブスタッフ、そして、運営を支えるボランティアなど水戸に携わるすべての人の思いが一つになってつかんだ勝利。そう、「水戸ホーリーホック」として手にした勝利であったのだ。

2試合連続完封勝利を挙げ、12位ながらもJ1昇格プレーオフ圏内の6位と勝点差4に縮めた。勢いに乗りつつある水戸。リーグ後半戦、「奇跡を起こす」(本間幸司)を合言葉に、「水戸ホーリーホック」はその輪をさらに大きく、そして、もっと熱くなって、突き進んで行く。

以上

2013.07.15 Reported by 佐藤拓也
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