前節、小瀬に臨んだ湘南は1−0で甲府を下し、6試合ぶりに勝点3を掴んだ。と同時にそれは、今季リーグ戦における初の無失点勝利とアウェイで手にした初勝利を意味していた。
選手たちから口々に聞かれたのは、「後ろにチームがあることを忘れない」という言葉だった。両チーム唯一のゴールを仕留めた岩上祐三はこんなふうに語っている。「最後までしっかり走り切ることと、精度の高いキックを出そうと意識して臨みました。なかなか勝てないなかでの試合だったので、なんとしても結果が欲しかった。得点は素直にうれしいですが、チームが勝てたことがいちばんです」。前線でボールを追い、ファーストシュートを放つなど、今季リーグ戦初先発の意欲と献身をピッチにしかと映したものだった。
また無失点に限れば、スコアレスドローで終えた第14節仙台戦に次ぐ。すなわち中断明けの3試合のうち2試合を失点0に抑えている事実は、これまでの失点数を思っても、中断期間の取り組みのひとつの表れに違いない。後ろからのコーチングとともに、互いに声を掛け合うことで高められた守備の精度が、数字にも結ばれつつある。
こと前節は、そのまえの柏戦の反省が活かされていた。クロスとセットプレーによって終盤2失点を喫し、逆転負けしたゲームである。なにかを根本的に変えたわけではない。中2日という限られた時間のなかで、各々があらためて見つめたのは意識だった。「チームのために負うべき責任感を一人ひとりがしっかり考えてプレーできたと思います。とくにコーナーキックに関しては完璧に守れたと思う」。だからこういう引き締ったゲームを取れたのではないかと、GK安藤駿介は仲間の奮闘を称えながら振り返っている。
一方、今節BMWスタジアムに乗り込む新潟の前節は、湘南と対照的だったかもしれない。F東京をホームに迎え、課題のセットプレーによって立ち上がりに先制を許すと、さらにPKを献上し、終盤にも追加点を奪われ0−3で敗れた。中断明けの初戦は柏に逆転勝利し、劇的なリスタートを切ったが、続く磐田戦、くだんのF東京戦と現在2連敗を喫している。
反面、走力を背景に相手の攻撃を封じ、また攻守に運動量豊富な田中亜土夢をはじめ、随所でゴールにも迫っていた。前節を思うにつけ、悔やまれるのは立ち上がりの失点だろう。内容を鑑みれば湘南にとってタフな相手であることは紛れもない。
「最後のところで我慢して体を張って守れた」遠藤航もそう振り返ったように、甲府戦では前半やリードした終盤など押し込まれた時間帯こそあったものの、局面で粘り強く守り、終盤の決勝点、そして勝利に結んだ。意識と声とともに高められた守備は、攻撃のためにある。4連戦の、また前半戦の締め括りとなる今節は、互いの走力のぶつかり合いとなろう。過酷な状況下、走り勝った先に勝点3はあるはずだ。
以上
2013.07.16 Reported by 隈元大吾
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