ここからもう一度、前に進んでいく。前節、浦和は磐田を敵地で2─1と下し、リーグ戦の連敗を2でストップ。7月6日の甲府戦以来、4試合ぶりとなる白星を飾った。
ただ、試合終了間際の劇的決勝弾で勝ったものの、内容は悪かった。ほとんど浦和らしいサッカーを見せることができず、相手の思惑通りの展開に引きずり込まれた。「磐田が勝っていてもおかしくなかった」とは決勝点を決めた森脇良太の弁だが、パフォーマンスを考えれば、引き分けでも良しとしなければいけないような試合だった。
しかし、それでも白星を挙げることができた。今はその事実を前向きに捉えたい。最近は自分たちがイメージしているようなサッカーができないという試合が続いているが、内容の悪い試合が続くと負のスパイラルに陥りやすい。原口元気は磐田戦について「連敗してはいけないという気持ちから消極的になった」と振り返っている。だが、苦しむなかでも勝利という結果が出れば、気持ちの面で区切りをつけられる。自信を取り戻すことにもつながり、浮上のきっかけにもなる。勝利より優れた起爆剤はない。
目標である優勝を達成するためにも、結果にこだわる姿勢は大事だ。昨シーズン、広島でリーグ優勝を経験した森脇は「内容が悪くても、しっかり勝点を拾っていく、負けを引き分けに持っていく、引き分けを勝ちに持っていく作業をしなければ。優勝するチームにはそういうことが必要だと思っている」と力を込める。タイトルレースから脱落しないためにも、首位に立つ広島との一戦は絶対に落とせない。
一方、広島は7月6日のF東京戦からリーグ戦5連勝と波に乗っている。前節は今シーズンの台風の目となっている大宮との頂上対決を3−1で制しただけに気分も乗っているはずだ。浦和の置かれているチーム状況とは対照的と言っていい。広島にとっては上位との連戦になるが、自信を持って埼玉スタジアムに乗り込んでくるのは間違いない。
この一戦にかけるモチベーションも高いはずだ。相手は広島のスタイルを築き上げた恩師が率いるチームであり、槙野智章、柏木陽介、森脇良太といった、かつてのチームメートが在籍するチームでもある。「広島の選手は対浦和の特別な想いを持っているとみんな言っていた」。東アジアカップで広島の選手と一緒に過ごした槙野は、彼らの対抗意識の高さを改めて感じたという。
浦和には大きな借りもある。ディフェンディングチャンピオンとして迎えたホームでの開幕戦、広島は浦和に1ー2で敗れ、黒星スタートとなった。サポーターの見守るなか、内容でも凌駕された苦い記憶は忘れていないだろう。今度は浦和にその屈辱を味あわせてやると鼻息荒く挑んでくるはずだ。
今の浦和にとって広島は難敵だ。攻めあぐむシーンが目立つ攻撃陣にとって、リーグ最少失点を誇る広島守備陣の壁は高く見えるだろう。広島の鋭いカウンターアタックも、最近“安い失点”が多い浦和にとっては脅威だ。
浦和が広島に勝つために必要なのは、指揮官の言葉を借りれば「血を流してでも戦う」ことだ。泥臭くても、不恰好であったとしても、相手に食らいついていく気迫。前節の磐田戦では、最後まであきらめない気持ちが劣勢の試合をひっくり返す結果を生み出した。その姿勢をもう一度見せることができれば、好調の首位チームに一泡吹かせることも不可能ではないはずだ。
以上
2013.08.02 Reported by 神谷正明
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