今週のある1日の横浜FCの練習。山口素弘監督が昨年就任してから初めてと言っていいメニューだった。選手を少しずつ入れ替えながらの試合形式のトレーニングをひたすら続ける。その狙いを山口監督は「ある意味リスタートの部分がある。選手をどう出すかもリスタート」と述べた。もちろん、1からチームを作り直すという意味ではない。前節の神戸戦(7/27@ノエスタ)では、ポポのFK一発と、5バックで守り切る神戸の執念に沈んだ。しかし「それ以外は悪くなかった。基本的には継続する部分と、もうちょっとパワーを付ける部分、勝ちにこだわらないといけない部分がある」(山口監督)と、神戸戦で感じた課題に対するプラスアルファを付けるべく、昇格に向けたこの「リスタート」の試合に臨んでいる。ニッパツ三ツ沢球技場に乗り込む北九州も、第20節の鳥取戦(6月22日@とりスタ)以来勝利から見放されており、勝点22で20位という降格圏が見える状況から早く脱出しなければいけない。その意味で8月の最初のゲームは大事なリスタートとなる。
横浜FCにとって、残り16試合で6位までの勝点差10というのは、昇格という目標にとっては後がない状況であることは確かである。もちろん、監督以下チームはプレーオフに向けて全力を挙げている。しかし、その結果にたどり着くには、皮算用ではく、前節の神戸が見せたように、勝点3への執念を結果に結実させていくために1試合1試合を大事に戦うことが一番重要である。
「この争いは1試合終わったら差が縮まったり離れたりというのが最後の最後まで続く。あと(勝点)何差とか気にするぐらいだったら、1試合をしっかりと戦うこと。それは相手との戦いもあるし、練習でお互いが競争し合うこと。いい準備ができていない選手はまったく使う気はないし、やろうとしていることは選手は分かっていると思うから、それをやるか、やらないか。体的にも精神的にも、チームのために戦おうとしているか」
と指揮官が語るように、残りの16試合を一戦必勝の立場で大事に戦えるかどうか。16試合を勝ち抜ける集団にステップアップできるか、8月の初戦はその大事な試金石になる。
対戦する北九州は、柱谷幸一監督らしく整った3ラインの守備からのカウンターを特徴とするチーム。山口監督も「しっかりしているチーム。京都にもしっかり戦っていた」と警戒している。一方で、その京都戦(7/20 第25節@本城)、そして前節の松本戦(7/27@本城)と試合終了間際の失点で勝点を落としてしまった。前節終了後の記者会見で、柱谷監督は「最後のゲームの運びのところに甘さがある」と振り返ったが、泥臭い形であったとしても確実に勝点を増やすためのゲーム運びができるかどうかが、この試合の大きなポイントとなるだろう。そして、横浜FC・シュナイダー潤之介も「相手も最近なかなか勝てていないので、相当気合いを入れてくると思う。キーパーからすれば池元(友樹)君が要注意。乗っていますからね。彼を乗せないようにしないと」と、かつて横浜FCに在籍し、前節もファインゴールを挙げている池元を警戒する。さらに北九州には、昨年まで横浜FCに在籍し、横浜FCの選手、そして山口サッカーを熟知した八角剛史、渡邉将基も在籍。山口監督も要注意プレーヤーに挙げている。
試合展開としては、ボールをポゼッションする横浜FCに対して、組織された守備からのショートカウンターを狙う北九州の構図になることが予想される。一方で、試合開始時刻の予想気温は27度で、湿度が高くなる見込み。8月の暑く、熱いゲームの典型となりそうだ。その意味では、後半の間延びしてくる時間帯が本当の勝負所となる。山口監督は、今週の試合形式の練習で「間延びしたときにどういうことができるかも見た」と語るが、90分を通したゲーム展開に合わせたプレーができるか。北九州にとってのポイントである「ゲーム運び」も含めて、最後まで目の離せないゲームとなりそうだ。
昨年、昇格プレーオフに進出した横浜FCは「勝負の8月」にタフさを身につけて、上昇気流に乗った。その意味で、8月の初戦は重要な試合。夏に生き残れるチームになれるかどうか、横浜FC、北九州の両チームにとって勝点3を求める激戦になるだろう。ぜひニッパツ三ツ沢球技場に駆けつけて頂きたい。
以上
2013.08.03 Reported by 松尾真一郎
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