7月30日に開かれた記者会見で、ホームスタジアムの収容人数がJ1基準を満たしておらず、スタジアムの改修のメドが立っていないことから沼田邦郎社長は今季の「J1ライセンスの取得を断念すること」を発表。水戸の来季のJ1昇格の可能性は現実的に消滅してしまいました。
選手たちがクラブから告げられたのは7月10日のことでした。それを聞いた本間幸司選手は「昨年のこともありましたし、やっぱりか」と思ったそうです。しかし、「残念なことは残念でしたが、僕らベテランが下を向くわけにはいかない。僕らが上を向くことで若手もついてきてくれると思いました」と語りました 。
とはいえ、J1昇格を諦めたわけではありません。水戸市は来年度から開始する「第6次都市計画」で「スタジアムの改修」を盛り込んだことを発表。近い将来、必ず「J1」の扉は開くこととなるのです。その時期を早めることができれば、「奇跡」を起こせるかもしれないのです。
「僕らは諦めていませんよ。6位以内にはいれば、必ず何かが待っていると信じて戦っていますし、劇的に何かが変わると思っています。J1昇格プレーオフで戦うことによって、クラブとしての価値も上がる。そこを目指して戦っています」本間選手は力を込めてこう語りました。
ただ、「僕らだけでは奇跡は起こせません」と本間選手は言います。スタジアムを改修するためにも市民の盛り上がりが必要不可欠。選手たちがピッチ内で結果を出し、そしてスタンドが多く人で埋まれば、「奇跡」は起こるかもしれないのです。今こそ「市民クラブ」としての真価が問われる時と言えるでしょう。
「僕たちだけでは奇跡は起こせません。でも、サポーターと一緒ならば、大きなことができると思っています。水戸ホーリーホックは市民クラブ。クラブとサポーターが一緒になって、みんなで未来を創っていくクラブだと思っています」サポーターと二人三脚になってこの苦境を乗り越えようと本間選手は投げかけました。
実際、サポーターも動きだしています。8月1日から「ケーズデンキスタジアム水戸の早期改修を求める署名 http://mhh-supporter-project-vol2.jimdo.com/ 」をスタートさせ、「 ライセンス」取得に向けて後押ししようとしているのです。
「そうやって動いてくれるのはうれしいですね」と本間選手は笑みを見せ、「僕らができることはなんでもやりますよ。(署名の)手伝いもしたいですね」と口にしました。
「J1」への道を断たれ、水戸にかかわるすべての人が悔しい思いをしたはずです。しかし、これは水戸ホーリーホックというクラブが成長している証でもあるのです。この壁をすべての人の力を一つにして乗り越えた時、水戸は「J1」にふさわしいクラブになることでしょう。だからこそ、JFL時代からプレーしている本間選手はこの状況に対して「ワクワクしている」そうです。
「今、水戸ホーリーホックは階段を上っている時。今が本当に苦しい時なんだと思います。先がどうなるか分からない。だからこそ、楽しいと僕は思っています。僕たちが未来を変えられる。こんなやりがいのあることはないですよ。それも選手だけでなく、サポーターと一緒にできるなんて本当に幸せです。今回の件はつらいことですが、ここで下を向くのではなく、逆にこれを機にもっと水戸をいいクラブにしていければと思います。みなさんと力を合わせて頑張っていきたいと思います」
苦境で結ばれつつあるクラブとサポーターの「幸せな関係」。それをさらに強固なものにした先に「J1」は待っているのです。
以上
2013.08.09 Reported by 佐藤拓也
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