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【J1:第20節 大宮 vs C大阪】プレビュー:4連敗vs2連敗の不調同士。大宮の守備とC大阪の攻撃。先にストロングポイントを取り戻すのはどちらか?(13.08.09)

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4位大宮vs7位C大阪。順位的には上位争いと言っても良い一戦だが、両チームともに実情は低調だ。大宮は第16節以来の4連敗中で、その間の失点数9と、リーグナンバーワンを誇った堅守が崩壊。C大阪もEAFF東アジアカップ2013 決勝大会の中断明けから2連敗、しかも自慢の攻撃陣に沈黙が続いている。

大宮の選手たちが現状の問題点として口をそろえるのが、「守備をコンパクトにできていない」(青木拓矢)ことだ。「暑さで前からガンガン(プレスに)行くのが難しい」(渡邉大剛)ことで、「後ろもラインを上げられなくて、球際に行けないし、かといって裏もケアしきれていない」(今井智基)という悪循環。ハードワークによるコンパクトな守備をベースにした速攻で勝点を重ねてきた大宮のスタイルには、夏場になったら厳しいのではないかという指摘がなされてきたが、ズラタン、ノヴァコヴィッチ、下平匠と主力の故障と相まって、その懸念がそのまま表出した格好だ。「ウチは良い守備から良い攻撃につなげるチーム。もう一度そこをしっかり立て直す」(青木)ことができるかどうか。幸い、ズラタンと下平の2人はスタメンに復帰し、ノヴァコヴィッチもベンチ入りはできそうな見込みで、好調時の陣容はそろいつつある。

焦点は、前半戦のように前からアグレッシブにプレスをかけラインを押し上げるスタイルを押し通すのか、それとも夏場だから仕方ないと割り切って、ラインを下げたところでコンパクトにするか。ただ、ボールを奪う位置が低くなると、それだけ良い攻撃につなげるのは難しくなり、鹿島戦のように「プレスを受けてつなげず、(ロングボールを)蹴ってセカンドを拾われて押し込まれる」(渡邉)リスクもある。下平の復帰で後方からのビルドアップに関しては改善されるはずだが、いずれにしても、「チーム全体として、行くなら行く」(青木)という意思統一が必要で、そこが曖昧になると、「ロングボールの出し手がいるし、柿谷とか受けるのが上手い選手もいる。アウェイでもダイレクトで一発裏に蹴られてやられた」(渡邉)ように、C大阪の攻撃を止めるのは難しいだろう。

一方、C大阪の問題はここ2試合無得点に終わった攻撃陣にある。特に1トップの柿谷曜一朗が、東アジアカップの疲れもあるだろうが、2試合でシュート1本しか撃てていない。特に前節の甲府戦では、引いた位置にブロックを作って中を徹底的に締められ、柿谷曜一朗、南野拓実、楠神順平らの個人技やコンビネーションで前半に幾つかチャンスは作ったが、結局は封殺された。また、失点数の少なさでもリーグ2位のC大阪だが、なかなかゴールができないと焦れて全体が前がかりになって簡単に失点する傾向にあり、それは大宮の得意なパターンでもある。

故障者が戻ってきている大宮と対照的に、扇原貴宏が調子を落とし、シンプリシオも体調不良か練習に姿を見せない日があり、出場を危ぶまれているのも懸念材料だ。

互いに厳しい状況で迎える一戦になるが、どちらが先に原点に立ち返り、ストロングポイントを取り戻せるかに勝敗はかかっている。大宮が粘り強く守れれば、C大阪は焦れて堅守速攻の罠にはまる可能性が高い。逆にC大阪が早い時間に先制できれば、大宮はコンパクトに守ってのカウンターという得意な形が難しくなるはずだ。

ともに連敗中だけに、「ここで踏みとどまれるかどうかが、上位にしっかりついていくためにも大事な試合になる」(渡邉)。逆に言えば、もし負ければ失うものは勝点以上に大きい。それでも「勇気を持って、思いきって、自信を持って戦うこと」(ベルデニック監督)ができるか。最高気温38度と予想される過酷な暑さとともに、選手たちにとっては己との戦いになるのだろう。

以上

2013.08.09 Reported by 芥川和久
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