今節、ニンジニアスタジアムで対戦する17位の愛媛と19位の北九州の勝点差はわずかに1。愛媛から最下位の岐阜までの勝点差も5しかなく、両者は混沌とした下位争いの中に巻き込まれている。今季から新監督を迎えた愛媛と北九州の再出発は、少なくともここまでは必ずしも満足のいく結果を得ることができなかった。それでもリーグ戦を通じ、どちらのチームも結果には反映されないまでも収穫をつかみながら、チームの形を作り上げているプロセスは似通っている。それが、ここ2試合の結果に反映されている点も同じ。愛媛は前々節の長崎戦で連敗を止めると、前節は4位の京都を撃破。リーグ後半戦初となる勝利を飾った。同じく、北九州も横浜FC戦で7試合ぶりの勝利を勝ち取ると、前節は3位の千葉を破り連勝。前節はともに上位を下し、大きな自信を手にすることができた。
さらにそれまでの戦いぶりにおいて、両者の課題にも共通する点があった。どちらのチームも、振り返ってみれば主導権を握って自分たちの目指すサッカーを表現できた試合が少なくない。ただ、決めるべき時に決められず、失点をして勝点を逃してきた。その90分間を通じた試合運びと、試合を決められる選手の不在はチームに勢いをつけられない要因となり、下位に甘んじる結果となってしまった。ここにきてようやくチームとして結果が出せるようにはなってきたが、今後は頼れる存在が生まれてくるとでよりチームに芯が通る。両チームともまだエースと呼べる存在は出てきていないが、チームが勝つ形を作る上でもその存在は大事な要素となるだけに、今節は前線の選手にひとつ注目したい。
北九州ならそれがキムドンフィになるのか、それとも渡大生がもう一皮むけて信頼を勝ち取るのか。ゴールに絡むプレーということも考えれば、森村昂太や前回の愛媛戦でゴールを挙げた小手川宏基ら2列目の選手も勝負を決める活躍ができるか。愛媛に目を向けると、前節ようやく愛媛での初ゴールを決めた重松健太郎がゴールを量産できるようになれば、リーグ終盤戦の反撃に向けて大きな戦力となりうる。また、シャドーなら加藤大がこの2試合は得点に絡み、存在感を増してきた。こうした両者の若手、中堅にあたる選手たちのたくましさが増してくればチームの安定感にもつながるだけにかかる期待は大きい。また、この夏の新戦力で愛媛ならオズマール、北九州なら井上翔太も得点力アップの鍵を握る選手。今節に限らず、終盤戦は彼らの活躍がチームの浮沈を左右することにもなるだろう。
こうした個の成長と、チームの成長が噛み合うことは下位脱出においては欠かせない要素になる。愛媛は今季、まだ3試合続けて勝点を取ることができていないが、この2試合でチームが上向くきっかけはつかんだ。だからこそ大切になるのがこの3試合目。愛媛にとって北九州は相性がよくない相手で、2011シーズンの第9節で敗れてからから5試合勝利がなく、通算成績は1勝3分3敗。今節こそはホームで北九州戦の初勝利を奪い、再び中位を目指す足がかりにしたいところだ。一方で、北九州にとって愛媛はただ相性がいいだけでなく、その2011シーズンの第9節は2010シーズンから続いた35戦未勝利に終止符を打ったゲームでもあった。クラブにとってもターニングポイントとなった一戦で、そのシーズンの躍進にもつながる1勝になった。振り返れば再び愛媛戦がひとつの転機になったといえるような節目の試合にして、北九州にとっても上を目指す戦いにできるか。今節は今季初の3連勝をかけた大事な挑戦になる。
以上
2013.08.17 Reported by 近藤義博
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