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【J1:第22節 名古屋 vs C大阪】レポート:87分スコアレスの後の“10分間”に待っていた怒涛の展開。スペクタクルな1-1のドロー劇が、満員の瑞穂を熱狂させた。(13.08.25)

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現在好調のチーム同士の対戦は、柿谷曜一朗効果か、はたまた永井謙佑効果か、前日までにチケットがほぼ完売。キックオフ90分前には当日券も売り切れ、さらには日本代表のザッケローニ監督も視察に訪れるなど、気づけば多くの注目を集めるゲームとなっていた。そこで名古屋とC大阪が見せてくれたのは、熱すぎる1-1のドロー劇。87分間の忍耐の後に待っていた“10分間”の劇的展開が、単なる引き分けをエキサイティングな戦いに変貌させた。

「良いリズムで試合を作れている。続けていこう」(ストイコビッチ監督/名古屋)
「足が止まっている、声が出ていない、気持ちが伝わらない!」(レヴィークルピ監督/C大阪)

両指揮官のハーフタイムコメントからもわかるように、前半は名古屋が概ね主導権を握って展開した。名古屋の高さ対策を練ってきたはずのC大阪は「なかなか前からプレスにいくこともなく、こちらが引いてしまった。そこで自由にボールを回されて、最後はシンプルにクロスを上げられるという形をたくさん作られた」(山口螢)と後手に回り、セカンドボールを拾われては二次、三次攻撃を喰らうという悪循環に陥った。一方、この日の名古屋は攻守の切り替えが非常に速く、ボールを失ってもすぐに奪い返しては攻撃を作り直す好循環を生み出した。攻撃の形がやや単調なきらいもあったが、少なくとも3度の決定機を作るなどしてC大阪をシュート3本とやり込めた。

しかし後半、名古屋がアクシデントから失速する。開始1分の攻防の中で、味方と交錯した田中マルクス闘莉王が右足を負傷。一度はプレーに戻ったが、すぐにまたピッチに倒れこみ、担架で運ばれそのまま交代となってしまった。守備の要であることはもちろん、フィードやくさびのパスで攻撃面での貢献度も高かった闘莉王を失った名古屋は混乱。それに乗じてC大阪はイニシアチブを回復したが、それでも名古屋は中盤のダニルソンらを中心に粘り強い守備を展開。試合は徐々に打ち合いの様相へと遷移していった。

指揮官たちもその流れを敏感に察知し、早めの交代策で流れを引き寄せようとした。ストイコビッチ監督が61分に小川佳純に代えて永井を投入すれば、負けじとレヴィークルピ監督も66分に両サイドハーフを一気に2枚替え。エジノと楠神順平を杉本健勇と枝村匠馬に入れ替え、高さと得点力を前線に加えて対抗した。続く70分には名古屋が中村直志に代えて矢野貴章をピッチに送り込み、FW4人が前線に並ぶ攻撃的な布陣に。それぞれの交代策は期待通りの効果を発揮し、名古屋は71分に矢野が、74分には永井がチャンスメーク。C大阪も68分に杉本の空中戦を起点に決定機を作った。

それでも得点が生まれず、「スコアレスドロー」という文字がチラつきだした87分。ついに試合が動いた。C大阪の不用意なボールロストから名古屋がカウンターを仕掛けたが、そのラストパスをカットした藤本康太が、そのまま乾坤一擲のロングスルーパスを前線中央目がけて送り込む。増川隆洋が目いっぱい伸ばした足をすり抜け、ボールは柿谷の元へ。背番号8がGK楢崎正剛との1対1をドリブルでかわし、無人のゴールへ流し込んだ瞬間、敵地であるはずの瑞穂が大きな歓声に包まれた。

しかし、C大阪の歓喜も1分足らずのことだった。88分、ボランチに下がっていた藤本淳吾の縦パスを玉田圭司が前線で収め、DF2人の間に走りこむ矢野へと絶妙のパスを送ると、フィジカルの強さを活かして矢野が強引に突破。GKキムジンヒョンとの1対1は一度は防がれたが、こぼれ球を押し込みスコアをイーブンに戻してみせた。移籍後のリーグ戦初ゴールとなった矢野は「ベンチメンバーも含め、全員が諦めなかった事がゴールにつながった」と電光石火の同点弾を振り返る。ラストパスの玉田も「永井と貴章は器用な選手ではないからね(笑)。自分がアシスト役に徹したことで、うまく得点にもつながったのはチームにとっても収穫。貴章も(移籍後)リーグ初得点は自信になったと思う」と手応えを感じた劇的な同点ゴールに、今季の瑞穂競技場最多となる18,560人の観客も沸きに沸いた。

電撃的な2分間の攻防の後には、思わぬサプライズも。90分が経過し、発表された後半のアディショナルタイムは何と7分。完全に勢いづいた名古屋はこの時間で4度の決定機を作るなど逆転のチャンスをつかみかけたが、C大阪も意地を見せ同点のまま試合は終了。柿谷のゴールから始まった怒涛の10分間は、観客にとってはそれまでの87分の我慢を帳消しにするスペクタクルに満ちたものとなった。

試合後のコメントを見るに、この結果をよりポジティブに捉えているのは名古屋の方か。前半の出来と、あれだけインパクトのある失点からすぐに挽回できた実績は、間違いなくチーム全体の自信につながる。その点では同じ引き分けでもプラン通りの試合運びができず、得点後すぐの失点という悪癖を露呈してしまったC大阪の方が課題は多いと言えそうだ。だが名古屋は闘莉王の負傷の状態が気がかりなところ。「ダニエルもいるし、我々のスタイルを変えることはない」とストイコビッチ監督は泰然と語ったが、「初めての(負傷の)感触」と本人が語っており、楽観視できない状況とは言える。中3日で迎える大分戦、そして週末の鳥栖戦に関してはまったくもって不透明だが、まずは早期の回復が見込める状態であることを祈りたい。さらには、彼不在でも変わらぬ強さを発揮できるチームであることを、名古屋のメンバーたちには期待したい。現在7戦連続無敗中。今こそ気迫と底力を見せるべきだ。

以上

2013.08.25 Reported by 今井雄一朗
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