●三浦泰年監督（東京Ｖ）：
「非常に大事な試合だった。立ち上がりから非常に良いリズムとテンポでボールを動かしていたし、スペースを作ってそこを使う決定的なシーンも作れるようなサッカーをやっていながらも、たった一度のプレーで、そこをマークできなければ、またはそこをカバーできなければ、こういう試合になることもある。試合を左右するゲームのあやで、ことごとくミスをした我々と、そこでしっかりと精度高く決めた松本の違いがこのスコアになったんじゃないかなと思っています。そうなると、やっぱり松本のやっているサッカーが、現時点では正しいと認められる世界で私は生きていると思っているので、『運がなかった』だけでは済まされない世界であるということ。その中で展開で起きたことに対しての選手のメンタリティーが、その状況を今日は跳ね返すことができなかった。また次の試合で跳ね返せるようにやっていかなければなと思っております。追いかける状況になると、やはりリスクを犯さなければならない。１つのことをやり続けるよりも、数多くのことをトライしていくほうが消耗は激しいわけですから、我々の目指しているサッカーでポイントを取っていくということは、そんなに簡単なことではない。これからもしっかり努力し、精進していき、次の試合は勝てるように思い切ってトライしていきたいなと思っています」

Q：この試合は大事だったと思いますが結果を受け、この3連戦の前と、終わった今の時点とで、メンタル的に変わったことは？
「このあとどうすればいいか、我々がやれることがどういうことか、はっきりしたんじゃないかと思います。奇跡に近いものを目指して、残りの試合を戦わなければいけないということです」

Q：立ち上がり非常に良かったと思います。どういう狙いでああいうサッカーができたのでしょうか？
「守備のところでは、43分に失点したあとに１つ、塩沢を空かして船山というシーンがあったぐらい。失点までは、彼らはしっかりとしたプレーをしていたと思う。そこには彼らがどうしても落とせない大事な試合だということを理解して、焦りではなく、攻撃の戦略を短い時間で準備したこと、積み重ねてきたやるべき攻撃的なアイデアやイメージをしっかりと彼らが実行してくれていた時間が、失点をするまでの彼らの、気持ちのこもったものなんじゃないかなと思います。もちろん、スペースを作る、それを使う一人一人の距離、そういうものが今まで積み重ねてきて、何度も何度もトレーニングしていることの１つなので、松本戦に特別スペシャルなものを用意したというものではない。今日の試合は、特に攻撃のところは、我々が目指しているところを前面に出していくというものであったし、メンバーもそれを実行できるメンバーでスタートしていた。味スタでホームであること、支えてくれる人が数多くいるということを考えれば、ああいうプレーは自ずと出てくるのではないかと思う。１つ誤算だったのは、そこで先にネットを揺らすことができなかったこと。先に点を取ることができなかった。追いつくことができなかった。それが非常に、今日は良い攻撃をしながらも、悔しい思いをしたものだと思います」

Q：交代で入った中島翔哉選手は、U-19代表から戻ってきて、出場時間は短い中でも気持ちのこもったプレーをしているように見えました。監督の目から見ての評価は？
「短い時間のなかで決定的な仕事ができる選手は誰かということを考えたときに端山豪と中島翔哉の2人だった。もちろん、辛抱強くチームのために戦える選手もサブにはいました。ただ2点のビハインドを短い時間のなかで追いつくためには、この2人かなと思いました。しかし、現状いる選手よりも良いリズムにできる、または現状いた11人よりも、決定的なところまで作れるかどうかというのは、正直言いますと、この試合に関してはこの2人を使ってもどうなのかというふうに思う中での、この時間での交代になりました。そのなかで翔哉は、前向きにボールを自分自身が呼び込んで、もらいに行って、やれることをしようと思っていたのかなと。それが、周りとの関係だったりというところで、まだまだ構築できていないものはありますし、豪にしても、甘いプレーがこの時間帯のなかでもいくつかありました。そういうことを考えると、もっともっと成長してほしいし、今日のこの時間帯での出場を、なんで自分がこれだけ短いんだ、ではなく、次はこの短さでも形にしてやる。または周りとのコンビネーションの中からゴールを生むんだという前向きな姿勢になってほしいなと思います。翔哉に関しては、姿勢という部分では評価できる部分はあったと思います」

以上