今日の試合速報

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【AFCチャンピオンズリーグ2013 柏 vs 広州】プレビュー:最大の山場。アジアの頂点に立つため、柏は広州の壁を必ず乗り越える!(13.09.24)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
☆TV放送予定
 【G+】18:45-21:00(生放送)
 【日本テレビ】26:29-28:24(録画放送)
 日本テレビ「アジアチャンピオンズリーグ」公式サイト
J's GOAL総力取材!ACL特集コーナー
----------
柏がアジアのタイトルを獲る上で最大の山場を迎えた。

広州恒大とは昨年のAFCチャンピオンズリーグで2度の対戦経験がある。その中でもインパクトが強かったのはアウェイで行われたグループステージ第4戦だ。柏の出来は悪くはなく、相手と同等のチャンスを作ったとは思う。しかしムリキのスピードとパワーの前に、ディフェンス陣の対応が一瞬遅れただけで失点につながるという破壊力の差をまざまざと見せられた結果となり、1−3で敗れた。
しかも対戦当時とは指揮官が替わり、現在は2006年ドイツ・ワールドカップでイタリア代表を優勝に導いた名将マルチェロ リッピ監督が指揮を執る。ダリオ コンカとムリキは昨年のままだが、エウケソンという超大物ストライカーが加わり、組織的にも個の能力でも昨年の広州から数段パワーアップした印象がある。

広州のシステムを考えると、柏は最近結果の出ている4−1−4−1を用いて、司令塔であるコンカを抑えにいく公算が高い。しかし、戦術家のリッピ監督のこと、柏のシステムに生じるウィークポイントを的確に狙ってくるのは明白だ。
4−1−4−1には、アンカーが相手のトップ下とマッチアップし、マーキングがハッキリするというメリットがある。例えばヤマザキナビスコカップ準決勝第1戦の横浜FM戦では中村俊輔、先日のACL準々決勝第2戦のアルシャバブ戦ではマクネリー トーレス、核となる相手のキーマンを消したことで、柏は主導権を握ることができた。
だが、一方でJ1第25節の磐田戦では、アンカーの周囲にできるスペースに入った山崎亮平と前田遼一に起点を作られ、後方から入ってくる選手を含めて柏はマークをつかみ切れなかった。磐田戦の序盤に後手に回った根本的な原因はそこにあり、しかもあの時と同様、アンカー役の大谷秀和を広州戦では出場停止で欠く。
コンカだけでなく、エウケソンが降りる、あるいはムリキやガオ リンが絞るなど、広州がアンカーの周囲のスペースを使い始め、選手たちがピッチ上で危険を察知したならば、例えネルシーニョ監督からの指示がなくても栗澤僚一が落ちてダブルボランチにシフトチェンジをするような迅速な対応が求められる。

戦術的・組織的な対応さえできれば、あとは個と個との対決だ。その個をいかにして抑えるかが広州戦最大のポイントであり、極めて困難なミッションかもしれないが、アルシャバブのフェルナンド メネガッゾ、マクネリー トーレス、ラフィーニャも強烈な個の力を持つワールドクラスのタレントだった。エウケソン、ムリキ、コンカ、広州の外国籍選手3人は確かに強力だ。ただ、アルシャバブのアタッカーを封じたパフォーマンスを考えれば、柏の守備陣は広州のアタッカーとも対等に渡り合えると思っている。

昨年、柏が広州戦で作り出したチャンスは、レアンドロ ドミンゲスと酒井宏樹による右サイドからの崩しが多かった。ところが、核のレアンドロはケガで欠場。酒井はドイツのハノーファー96へ移籍した。今の柏は右サイド中心ではなく、工藤壮人、田中順也、ジョルジ ワグネル、クレオの4人が機能し、非常にバランスの良い攻撃を見せる。リッピ監督が柏の攻撃の特徴を伝えるとはいえ、広州の選手たちにはレアンドロと酒井が織り成すサイドアタックの残像が強く焼き付いているはず。
工藤も田中も、1年前から比べれば急激に力を伸ばした。駆け引きに長けた工藤、縦横無尽に動く田中、広州の守備陣からすれば、攻め手が明確だった昨年の柏よりも、今の柏はつかみどころがないように映るのではないだろうか。それに古巣対決のクレオは、夏までいたルーカス バリオスに押し出される形で柏への移籍を決断したとも言える。おそらくクレオ本人には期するものがあるだろう。

タイトルというものは本気で獲りに行かなければ絶対に獲れない。「目標は優勝」と口にしたとしても、それを漠然とした目標として語るのと、実際に“タイトルを獲る”イメージを描いて本気に獲りに行くのとでは、大きく意味合いが異なり、それは一戦一戦の結果に反映される。
今季の柏には、選手からも、サポーターからも「アジアを獲る」という気概がビンビンと感じられた。アジアを代表する強豪チームとの対戦は困難を極め、楽な試合など1つもなかった。それでも本気でアジアの頂点を狙った柏は準決勝まで無敗で勝ち上がり、全北やアルシャバブといったACLで優勝してもおかしくはない実力を持つチームを退けてきた。

ようやく視界に捉えたアジアの頂点へ向かうため、柏は立ちはだかる広州の壁を絶対に乗り越える。

以上

2013.09.24 Reported by 鈴木潤
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着