3連勝を懸けてこの試合に臨んだ岐阜。だが、立ち上がりからエンジンを懸けてきたのは、アウェイにもかかわらず、岐阜を圧倒する数のサポーターの後押しを受けた松本の方だった。開始早々1分に、FW船山貴之の突破から決定的なチャンスを迎えるが、ゴールならず。その後もMF阿部巧と船山のいる左サイドを軸に、攻撃を組み立てる松本が優勢に出る。
岐阜は守勢に回り、ボールの奪いどころがはっきりせず、ポゼッションでも上回られる状態に陥ったが、松本の拙攻と新井辰也と木谷公亮の両CBが、中央で固いブロックを形成したことから、ゴールをこじ開けられることはなかった。
0-0で前半終了。優勢に立ちながらも点を奪えなかった松本と、耐え凌いだ形となった岐阜。後半、いつものように岐阜が攻撃の手を強める。スティッペと中村祐輝のツートップに早い段階でボールを預け、一気に2列目がビルドアップをしていく。相手のエリアで前を向いて仕掛けられるシーンが増えたことで、岐阜にチャンスが生まれ始める。49分、右CKを得ると、美尾敦のキックにファーでスティッペがフリーで合せるが、これは枠の外。56分には左CKから中村の流したボールを、ファーでスティッペが合わすも、これもゴール右ポストにはじかれた。
迎えた58分、岐阜の攻勢を受けながらも前半同様に攻めの姿勢を崩さなかった松本が、ピンチをしのいだ後のチャンスをモノにする。右CKの崩れから、クリアを拾ったMF玉林睦実の右クロスを、ニアサイドに走り込んだFW塩沢勝吾が、鮮やかなダイレクトハーフボレー。強烈なシュートは、GK高木貴弘の手をはじいて、ゴール右隅に吸い込まれた。
攻めるしかなくなった岐阜は、76分にボランチの森安洋文に代えて、FWバージェを投入。スティッペをボランチに下げるも、攻撃時は高い位置に張らせて、攻撃に厚みをもたらした。
攻める岐阜に守る松本。はっきりとした図式となったこの試合。あとは両チームの忍耐合戦となった。岐阜が決めきるか。松本が凌ぎ、カウンターでとどめを刺すか。結果、後者の展開となった。岐阜のチャンスが逸したあとの86分、松本は左サイドを船山が突破し、えぐった後にマイナスの折り返し。これを中央でMF岩上祐三が鮮やかなダイビングヘッドで突き刺し、勝負あり。
岐阜は終了間際にデズモンドを投入し、新井をFWにして、パワープレーに出るが、時すでに遅し。ラストプレーでバージェが1点を返すが、直後にタイムアップのホイッスル。松本が2-1で勝利を収めた。
群馬が勝ったため、入れ替え戦圏外との勝点差は3となった。最下位の鳥取との差も広げられず、未だ苦しい状況から脱却できない岐阜。今日の試合は、悪くはなかった。だが、はっきり言って、良くもなかった。90分の試合の中で岐阜のサッカーの強弱があまりにも少なすぎた。ラスト5分はパワープレーを仕掛けたからこそ、チャンスも増えて、試合は盛り上がったが、全体的に岐阜がアクションを起こして作り出した山場が少なすぎた。
後半立ち上がりに攻勢に出た以外は、スコア展開に従順にのっとっての試合の流れしか生まれなかった。この立ち上がりのチャンスで点を取れなかったことは、確かにこの試合の大きな痛手となったが、それ以上に前半はカウンターへの効果的な道筋を見つけ出せず、ただ凌ぐだけに終始してしまった。そこでもし失点をしていたら、どうなってしまっていたのか。狙い通りの前半ドローと言うより、岐阜の攻め手の無さを露呈した格好となってしまった。
後半はスコアが動いたことによる必然の流れ。この負けは非常に重いということを、痛感しなければならない。
残り7試合。岐阜は自分たちでアクションを起こして、先に生み出す流れを試合の中でどれだけ作り出せるか。受け身で、ただ凌ぐ、点を取られたから攻勢に出るではなく、自分たちでフックを多く作り出せる試合が出来るか。残留のためにはそれがある程度できるようにならないと厳しい。
さらに佳境を迎えるサバイバルレース。待ったなしの状況に、選手たちの生き残りにかけての『本気度』が試されてくる。
以上
2013.10.07 Reported by 安藤隆人















