公式記録の気温は28.8度、湿度は59パーセントだったが、体感ではもっと上だと思えるほどの暑さだった。午前中から強烈な日差しが照りつける中で行われた一戦は、J1昇格を狙う京都が、J2残留を目指す鳥取に競り勝った。
鳥取は立ち上がりから、アウェイで徳島と対戦した前節同様に、深く引いて守り、カウンター中心の攻めに活路を見いだす戦いを選択。しかし、徳島戦は良い形で敵陣まで攻め入ることで主導権を握ったものの、今節は奪ったボールをすぐに奪い返され、守勢の時間が長く続いた。
永里源気が「徳島戦のときは相手が簡単なミスをしてくれたりして、こちらが勢いをもって攻めにいけるボールの失い方をしてくれていた。京都は(鳥取が)奪ってすぐにカウンター、というようなイージーなミスをしない」と振り返ったように、鳥取はなかなか良い形でボールを奪えない。さらに京都は守備への切り替えも早く、鳥取は奪ってもすぐに囲まれるため、前線に蹴り出し、偶発的につながるのを待つしかない場面が多く見られた。そうした状況でも、体の強さを生かしたポストワークが持ち味の久保裕一がいれば、前線で時間をつくってチャンスにつなげることもできるが、負傷欠場したことで、さらに攻め手を欠く状況となった。
しかし京都も、狭いエリアでのパスワークでは相手を圧倒するものの、自陣に多くの人数を割いてスペースを埋める鳥取の守備を、なかなか崩すことができない。ドリブルでの仕掛けもつぶされ、シュートも3本に抑えられて、なかなか均衡を破ることができなかった。
0―0で迎えた後半、最初に決定機を迎えたのは鳥取。狙い通りのカウンターで攻め込み、左サイドでパスを受けた廣田隆治が、カットインで中央に切れ込んで右足でミドルシュート。ニアサイドに飛んだボールを、京都GKオ スンフンは動かずに見送るしかできなかったが、左ポストに当たってはね返り、先制とはならなかった。
すぐ後に、今度は京都が決定機を生かして先制する。58分、敵陣でボールを奪い返して右サイドに展開し、安藤淳のクロスから、「要求通りのボールが来たので、相手より早く触ることができた」と振り返る横谷繁が、鳥取DF横竹翔に競り勝ってヘディングシュート。一度は鳥取GK小針清允に防がれたが、こぼれ球を自ら押し込んでネットを揺らした。
その後、鳥取は選手交代を駆使して同点を狙い、77分に尾崎瑛一郎を投入した後は布陣を4―4―2から3―4―3に変更。3トップの中央には長身DFドゥドゥを置き、両サイドからの攻略を狙った。直後の78分にチャンスが訪れ、永里の左からのセンタリングにドゥドゥがヘッドで合わせたが、今度はクロスバーに当たって決まらない。その後も鳥取はサイドを突いて意欲的に攻め続けたが、京都の粘りの守備の前に、最後までゴールを割ることができなかった。
結局、試合はそのまま終了。3連敗で14試合未勝利となった鳥取は最下位から抜け出せず、20位の群馬が勝ったため、勝点差を6に広げられる厳しい状況となった(勝点3差の21位・岐阜は1試合未消化)。J2残留に向けては勝点1でも欲しい状況だったが、徳島に逆転負けした前節に続く1点差負け。40節にホームでの群馬との直接対決を残しており、そこまでに勝点差を詰めておきたい状況で、なかなか光明を見いだせない苦しい状況が続いている。
一方の京都は、大木武監督の「できることなら、もう1点取れればと思ったんですけど、鳥取さんの頑張りもありまして、なかなか取れなかった」という言葉通り、ボール支配率の高さに反比例してチャンスの数は少なかったが、それを確実に決めて今季初の5連勝。苦しい内容でも勝ち切る勝負強さで、着実に勝点を積み上げている。首位の神戸、2位のG大阪がそろって敗れたため、2位との勝点差が8に縮まり、自動昇格の可能性も広がる、価値ある勝利となった。
以上
2013.10.07 Reported by 石倉利英















