10月6日に行われた福岡ダービーで、惜しくも福岡に敗れた北九州。次の福岡ダービーは早くても来年だが、今週末にもう1つの福岡ダービーが行われるのはご存じだろうか?「2013Jユースカップ」の初戦を今週末の10月13日(日)に戦う北九州U−18の相手は、奇しくも福岡U−18(@福岡フットボールセンター/18:00)。1つ下のカテゴリーで実現した、北九州と福岡の福岡ダービーである。
こんなおもしろい試合はないと取材に行く予定をしていたのだが、私はこの日、トップチームの天皇杯取材のために名古屋へ行くことになった。名古屋に行けないサポーター、ちょうど連休中で時間があるという方は、次の未来を担うユースの選手たちを応援しに行ってみてはいかがだろうか。そんな気持ちから、少しでも興味を持ってもらえればと今回初めて北九州のアカデミーの取材に伺ってきた。
●平井秀尚 アカデミーダイレクター兼U−18監督
Q:アカデミーが設立されて、どのくらい経つのですか?
「ニューウェーブ北九州時代から数えると、もう10年くらいになります。ギラヴァンツとしてJリーグに上がる前からです。ただ、今もクレー(土のグランド)で練習を行っているように、まだ環境的には整っていないのが現実です。北九州市立桃園運動場を火・水・木曜日は優先的に使用させてもらえるのはありがたいことですが、そのほかのやりくりは大変な面もあります」
Q:以前は、富山で指導されていましたが?
「富山に比べて、北九州の子どもたちはやんちゃですね(笑)。北九州地域は、実力的には全国の中位くらいだと思いますが、北九州でトップクラスの子が全てアカデミーに集まって来ている訳ではありません。それでも、トップチームで活躍できる選手を早くアカデミーから昇格させられるようにサポートしていくのが我々の仕事であり、地域貢献の1つだと思ってやっています。また、サッカーの技術だけではなく、一社会人として人間性を高められるように、サッカーを通して指導を行っています」
Q:今年から北九州で指導されていますが、何か選手たちの変化はありますか?
「U−18は、福岡県の3部リーグに所属しています。前期は8チーム中4位の成績だったんですが、後期はここまで4勝1分で負けなし。夏に石川県であったサッカーフェスティバルに参加したことと、トップチームの柱谷幸一監督が『北九州の未来に向けて』ということでユースの選手たちをトップの練習に参加させているのが大きいですね。プロ選手たちのサッカーに取り組む姿勢や練習前後の体のケアを学んだ子たちが、自主的に練習に取り組むようになりました。監督やコーチからのアドバイスも真摯に受け止めて、日頃の行動から変わってきました。それがチームに大きく還元されていますね」
Q:いよいよJユースカップが始まりますが?
「彼らの成長の糧になる大会です。初戦が福岡とですが、ウチは県リーグ3部で、福岡は全国レベルの高円宮杯U−18プレミアリーグで戦っています。でも選手たちには恐れずチャレンジして、勝ちたいという思いを持って戦わせたいと思っています」
チームを代表して、2人の選手にもお話をうかがいました。
●岩城慶樹選手 16歳(高須SC→北九州U-15)
Q:北九州のアカデミーに入ったのはいつからですか?
「中学に入ってすぐで、3年半になります。プロに近いところでサッカーができるし、プロに近づくために入りました。勝負にこだわる気持ちが強くなりました」
Q:ポジションは?
「FWで、好きな選手はオールラウンダーで何でもできるイブラヒモビッチ選手(スウェーデン代表)と、ゴール前でのワンタッチシュートがうまいファン・ペルシ選手(オランダ代表)です」
Q:どんなプレーが得意ですか?
「次の状況判断とプレーの早さが特長だと思います。攻撃の起点になって、相手マークを外してゴールまで持ち込むのが得意です」
Q:U−16Jリーグ選抜 韓国キャンプのメンバーに選ばれたり、トップチームの練習に参加したりしていますが、何か変化はありますか?
「U−16Jリーグ選抜には全国から選ばれた選手が来ていたので、負けず嫌いな選手が多かったり自己主張の強い選手がいたりしました。韓国に遠征したんですが、韓国の選手は1つ1つのプレーに気持ちが入っていて見習わなければいけないと感じました。
トップチームの選手たちはパワーもスピードも技術も高かったです。でも、自分の持ち味であるスピードは見せることができました」
Q:夢はプロ選手ですか?
「はい! 北九州の新スタジアム建設計画は良いモチベーションになっています(笑)。FWなので、もっとシュートの精度も上げないといけないですし、まだ線が細いのでしっかりご飯を食べて体を作っていきたいです」
Q:Jユースカップ初戦・福岡戦に向けて意気込みを聞かせてください。
「福岡とは何度か対戦したことがあって、正直力の差はあると思います。ただ福岡ダービーなので、そこは関係なく、良い試合をして勝ちたいです」
●梶原夕希也選手 17歳(フラッププライドU−15→北九州U−18)
Q:北九州のアカデミーに入ろうと思ったきっかけは?
「自分を一番必要としてくれたこと、良い指導者がいたことです。自分が一番行きたい場所だと思ったので」
Q:北九州U−18に入って、一番の変化は?
「気持ちの部分と、チームが勝つために自分が何をすればいいのかを考えてプレーするようになりました」
Q:ポジションは?
「今はボランチをやっています。中学ではサイドバックだったので、今でも好きな選手は長友佑都選手(日本代表)です。チームのために走ったり、ひたむきなプレーが格好いい。自分も、誰よりも走ることを心掛けてプレーしています」
Q:チームの今の調子はどうですか?
「夏以降、練習でできていることが試合でも出せるようになりました。チームの成長を感じます」
Q:トップチームの福岡ダービーは見ましたか?
「ハイライトで見ました。観客もいっぱい入っていましたし、ダービーってすごいなあと思った。自分も北九州のトップチームに入ってああいう試合で活躍したいですし、いつかは世界で戦える選手になりたいです」
Q:Jユースカップ、初戦は福岡戦ですが?
「福岡とは中学の時にも戦ったことがありますが、やっぱり強いですしボール回しもうまいですね。ただ最後まで諦めずに、みんなで勝ちにいきたいです」
八幡西区にある本城でのトップチームの取材を終えて、私はクラブの方の車に乗せてもらって、ある場所に向かった。八幡東区の桃園運動場だ。運動場と聞いてピンと来ない方も多いと思うが、福岡県の高校野球ファンなら誰でも知っている桃園球場と同じ桃園公園内にある。練習場と紹介された場所は、普段見慣れている天然芝ではなく、また近年多い人工芝のグラウンドでもなかった。それでも、この日集まったユースの選手たちは一心不乱に、泥だらけになりながらボールを追いかけていた。まだ県3部リーグと、決して強くはないかもしれないが、この中から本城や、2017年完成予定の新スタジアムのピッチに立つ選手が現れるのはそう遠くない未来だと感じることができた。
◆2013Jユースカップ 第21回Jリーグユース選手権大会
http://www.j-league.or.jp/youth/
◆ギラヴァンツ北九州 アカデミーブログ「〜向日葵の種たち〜」
http://www.diamondblog.jp/official/giravanz_academy/
以上
2013.10.10 Reported by 坂本真
J’s GOALニュース
一覧へ【J2日記】 北九州:もう1つの福岡ダービー 〜向日葵の種たちの戦い〜(13.10.10)
19〜21時までの2時間、平井監督の下ハードな練習を行っていた
昨年まで富山のアカデミーを指導していた平井秀尚監督。トレーニング中も随所に人柄の良さを感じた
トップチームのトレーニングマッチでは、大学生相手にゴールを決めた岩城慶樹選手。一瞬にしてDFを置き去りにする天性のスピードを持つ
高校進学時は争奪戦も繰り広げられたと言われる梶原夕希也選手。柔らかいボールタッチは17歳とは思えない落ち着きが!
グラウンド全体を使って、3つのカテゴリーが一緒に練習を行っている















