アメリカのショウビズ界では先日アカデミー賞が発表されました。作品賞を受賞した『それでも夜は明ける』の“スティーブ・マックイーン”という監督名を聞いて一瞬「えっ!?」と驚きましたが、福岡を迎えた熊本の開幕ゲームでの先制場面も、「えっ!?」と驚かされるような得点でしたよね。
ということで、独断と偏見で開幕ゲームでの「勝手にアカデミー賞」を発表しましょう。
まずは「監督賞」。これは小野剛監督をおいてほかにいません。だって、監督だから。始動からの1カ月半で全体を底上げし、またチームの一体感を高め、選手たちに自信を持たせてピッチに送り出した手腕はさすが。まだ残り41本ありますが、今季はかなりヒットが出そうな気配です。
続いて「美術賞」。今季から選手が入場する前に大型ビジョンで流される選手紹介ムービーも一新。イヤーブックなどにも通じる「燃える」というコンセプトを見事に映像化したのは、クラブの公式ホームページも手がけるWebサプライヤーの株式会社アンサー・インターナショナル様。アウェイサポーターの方も、ちょっと首が痛くなるかもしれませんがぜひご覧ください。
次は「歌曲賞」。これは熊本サポーターの皆様です。新加入選手のコールが新作として披露されたほか、昨季まで歌っていた「バモロッソ〜男ならば〜♪」というチャントに「オーオー、オーオー、オーオーオーオー♪」という歌詞なしのパートを加え、言わばセルフカバーとも言えるアレンジが施された効果として、戦う気持ちをいっそう高める仕上がりになった点が評価されました。
先制点を決めた片山奨典選手については、実は審査員もかなり迷いました。しかしその技術の高さから、「視覚効果賞」に決定。メインスタンドからはわかりにくかったのですが、ゴール裏からのリプレー映像を見てビックリ。あのロベカル級の曲がり具合、ハンパないって。あんなん蹴れへんやん、普通。福岡GK神山竜一選手が1回左に振られるのも無理はないです。次も期待しています。
残る賞は2つです。まず「助演男優賞」は…、追加点を挙げた園田拓也選手。CKの守備からカウンターで70mもスプリントするのは、普通なら酸欠状態に近くなってもおかしくない。そんな中での冷静な判断と、そこから生まれた美しいループシュートは賞賛に値します。ヒーローインタビューで早くも「アントキの園田」を披露した点も加味されました。
さて、いよいよ最後は「主演男優賞」の発表です(ドラムロール)。ジャーン! 「主演男優賞」は、養父雄仁選手です!! 33分の片山選手の先制場面、このFKに関わった選手に聞くと、実は完全にデザインされたトリックプレー。セットされたボールを、ちょん、と横に流してインプレーにした中山雄登選手は「僕が転がす時に、相手に見えないように養父さんに立ってもらいました」と振り返りましたが、ただ単に立っているだけでなく、壁の間に入った選手に指示を出す姿を見事に演じ切っているわけですから、そりゃ中継のカメラだって引っかかるのも仕方ない。シュートを決めた片山選手も「いつボールが来てもいいように準備して、とにかくタイミングを合わせなきゃと思って集中していましたね。あの演技がすばらしかった」とコメント。そして養父選手は「うまくやれるかどうか、かなり緊張しました」とのこと。「でも1度成功しちゃったので、次の相手にはもう使えないですね。また次のパターンをみんなで考えます」と、次回作への決意を話してくれました。
これからの作品も大いに期待されます。
以上
この試合のレポートは【こちら】
2014.03.05 Reported by 井芹貴志













