J1にかぶれたわけではないが、J2の洗礼を受けた開幕戦。喰らいつく前線からのプレスに、人数をかけて固めたゴール、そしてピッチのコンディション。J2初経験の高木和道は「意識を変えないと」とJ2で戦う難しさと覚悟を決めた。同じく田中輝希も「J2の雰囲気を味わえたのは収穫。キレイに崩せればいいが、形より結果。泥臭くても結果が全て」と敗戦が糧になったようだ。
大雑把にモロ大分寄りで開幕戦を振り返れば、セットプレー2本にやられた試合だった。敗者の常套句を付け足せば「内容では勝っていた」。とは言え、サポーターのなかでも評価は分かれているようだ。「目指すサッカーを追い求めた結果なのだから仕方ない」という肯定派と「結果が全て」という否定派。今季の大分の目標は、「1年で昇格して、もう一度J1の舞台で勝負する」ことである。勝たなければ昇格できないし、明確なスタイルが確立しなければJ1で戦えないことは、昨季2勝しかできなかったことで学んだ。
全体を俯瞰で眺めたとき、田坂トリニータがトライしようとするフットボールは魅力を感じるし、より精度を高めて他のチームが驚くものに仕上げてほしいと思っている。ただし、それを追求する過程では、たくさんの粗が見えてくることを覚悟しなければならない。モダンなフットボールにチャレンジしようとすればするほど、当然のように粗がはっきりと見え始める。モダンだとかスペクタルなサッカーなどと書くと、「どこのチームのことを書いているんだ」とお叱りの言葉を受けそうだが、粗の見えないサッカーでJ2を勝ち抜くより、今のスタイルを貫いてほしい。
ただいまJ2。地獄の巡りの42戦が幕を明けた。
以上
2014.03.06 Reported by 柚野真也













