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[ 2005 ゆく年くる年:サガン鳥栖 ] 大晦日の鳥栖スタジアム
ホームでの勝率22.7%、アウェーでは40.9%。今季の鳥栖はホームで勝てなかったことに尽きる。第13節には単独2位まで順位を上げたが、選手層の薄いチームでは多くのけが人をカバーするまでには至らなかった。最終順位は8位。長いシーズンでは納まるべき順位に納まった感がある。
しかし、決して戦い方は悪くはなかった。全員が1つのプレーに連動し、プレッシャーをかけ続けた。奪ったボールはシンプルに前線へつなぎ、数少ないチャンスを得点に結びつけた。放ったシュート数は決して多くはないものの、リーグ平均の得点力を示してくれた。守備面でも6つの負け越しにもかかわらず、得失点差は0という奮闘ぶりだった。さほど経験を積んでいない選手たちだったが、ただ直向にボールを追い続けた姿は多くの感動を与えてくれた。
新居辰基(17得点)と鈴木孝明(15得点)は、得点順位で4位と6位に名を連ねた。高橋義希は縦横無尽にピッチを走り回った。飯尾和也は身体を張って相手シュートを防ぎ、シュナイダー潤之介は自陣ゴール前でチームを鼓舞し続けた。開幕直前でのシステム変更は長いシーズンに不安をのぞかせたが、15節まではリーグを盛り上げた。
だが16節以降は失速。3連勝が1度はあるものの、6度の2連敗と1度の3連敗で貯金を吐き出してしまい順位を下げ続けた。それまで勢いで勝ち続けはできたものの、リーダー不在が露呈してしまうと悪い流れを変えることができず、脆さも見せてしまった。
クラブの経営陣が一新した今季、準備不足の観は否めない。初年度だから経験不足も致し方ないが、来季のユニフォームや新しいクラブロゴが発表されるなど、新シーズンに向けての準備が進む一方で、監督・スタッフの発表は遅かった。ファン・サポーターがいちばん知りたいのは、来季にかけるクラブの姿勢である。サプライズはいらない。安定したクラブ経営のありがたさを、鳥栖のファン・サポーターは今年1年で実感できたのだから…。(text by サカクラ ゲン)2005年12月31日(土)
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