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新人選手がプロサッカー選手として生きる術を学ぶ3日間。2019Jリーグ新人研修レポート3日目最終日

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2019年2月1日(金) 18:15

新人選手がプロサッカー選手として生きる術を学ぶ3日間。2019Jリーグ新人研修レポート3日目最終日

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新人選手がプロサッカー選手として生きる術を学ぶ3日間。2019Jリーグ新人研修レポート3日目最終日
3日間の研修を終えた選手たち。彼らのプロサッカー選手としての人生は、これから始まります

新人研修も、いよいよ最終日。ここまでの2日間で、様々な知識を得てきた新人選手たちが、最後に学んだのは、「スポーツの力」について。

Jリーグには「日本サッカーの水準向上及びサッカーの普及促進」「豊かなスポーツ文化の振興及び国民の心身の健全な発達への寄与」「国際社会における交流及び親善への貢献」という3つの理念がある。つまり、競技レベルの向上だけでなく、サッカーを通じて社会に貢献することが求められているのだ。

スポーツの持つ力は、無限大だ。人々に勇気を与え、希望となり、地域を豊かにしていく。プロサッカー選手として、そのために何ができるのか。選手たちはそのテーマについて、考えていった。

スペインのビジャレアルや、川崎フロンターレの社会貢献活動の事例を映像で見ながら、選手たちは自身が感じたことをメモしていく。大事なのは「地域と社会からの信頼がクラブを支えている」という考え方。そして「プロ選手になることは誰かの人生の一部になる」という考え方だ。

選手やクラブが一般社会に与える影響力は小さくない。新人選手たちは、その立場になることを自覚する必要がある。ないがしろにすることのできない重要なテーマを、選手たちは真剣な表情で受け止めていった。

この日は、選手OBの岡本 達也さんの講義も行われた。水戸ホーリーホックなどで活躍した岡本さんは、現在はビジネスの世界に足を踏み入れている。そこで感じたのは「Jリーグの市場はまだまだ小さい」ということ。ではその市場を大きくするためにどうすればいいのか。その具体的なヒントを選手たちに伝えていった。

 

そして今回の研修のまとめとして、この3つを振り返るグループワークが行われた。テーマは、「どんなJリーグの選手になりたいか」。選手たちはすでに研修前に、このテーマについて考えてきた。そして研修を終えて、その考えがどう変わったのか。

ある選手は「クラブの収入に大きくかかわれる選手になりたい」と答えた。ユース出身のこの選手は、研修でお金の動きを学んだことで、自身を育てるために、クラブがどれだけ投資してくれたかを理解した。もちろん研修前から感謝の想いを持っていたが、より具体的にクラブのために何ができるかを考えられるようになったという。

ある選手は「子どもたちに夢を与えられる選手になりたい」と言った。研修前は「プレーで頑張ればいい」という考え方だったが、研修を受けたことで「夢を与えることが社会貢献につながる」ことを知った。自分ではなく、誰かのためになるという考え方を持てるようになったのだ。

ふたりだけでなく、研修に参加した多くの選手に意識の変化は生まれたはずだ。ピッチの上だけで活躍すればいい。そんな考えの持ち主は、おそらくこの場にはひとりもいないだろう。

最後に、Jリーグ原 博実副理事長が、元選手、元監督、そしてサッカー界の先輩の立場から新人選手たちにエールを送った。

 

原副理事長が訴えたのは、「タイミングを逃さない」こと。

「若い選手はすごい勢いで伸びる時がある。そのチャンスは必ずあるが、それを掴むかどうか。逃さないためにも、貪欲にやってほしい」もう一つ伝えたのは、試合に出られない時の振る舞い方だ。

「出られない時にどういう態度を取るかも大事なこと。そういう部分も周りからは見られている。出られない時にこそ、どうサッカーに取り組むかを考えてほしい。その態度によって、人間が決まっていく。出られないことを人のせいにせず、自分でその答えを見つけてほしい」

そして原副理事長は「世界に負けないJリーグを作ってください」とメッセージを送り、今年の新人研修は幕を閉じた。

研修を終えた選手たちは、解放感からか晴れやかな表情を浮かべていた。様々なことを身に付けられたという充実感もあるだろう。もちろん、研修を受けるだけでプロサッカー選手の資質を手にできるわけではない。大事なのは、ここで得た学びや気づきを、今後の生活にどう生かしていくかだ。彼らのプロサッカー選手としての人生は、これから始まるのだから。

最後に、3日間の研修を終えた新人たちのコメントを紹介しよう。

 

■関川 郁万(流通経済大柏高→鹿島)
「成功している選手は一握りだということが分かりましたし、改めて難しい世界だなと感じました。ここからが勝負だし、お客さんの気持ちだったら、終わってしまう世界。自分のことは、自分でやらなければいけない。『傾聴力』と『主張力』を持ってやっていきたいと思います。ファン対応の意識も大事だと分かりました。自分の対応ひとつでクラブの収入も変わってくる。そういったことは意識したことがなかったので、そこもしっかりと取り組んでいきたいです」

■相馬 勇紀(早稲田大→名古屋)
「チェアマンがおっしゃった『傾聴力』と『主張力』は、大学でも学んできたこと。特に『傾聴力』に関しては、自身も大事にしていることで、改めてその重要性を理解できました。大学の外池監督はJリーグのOBなので、プロとはどういうものか、ある程度話は聞いていました。研修を受けたことで、敵は周りの選手ではなく、自分自身の中にあるということを改めて学べました。今までは自分がいいプレーをすれば、自然と給料が上がると思っていましたけど、ファンサービスなどプレー以外の部分も大事にすることで、自身の価値も高まり、クラブの価値も高まっていく。もちろんクラブスタッフの努力があってこそ、多くのお客さんが入ったスタジアムでプレーできると思うので、いろんな方に感謝しながら、プレーしていきたいと思いました」

■小島 亨介(早稲田大→大分)
「サッカー選手は自分が経営者で、自分をマネジメントしていかないといけない、という話が印象に残っています。そのためには、自分のことをしっかり理解していないとできないと思う。だから、まずは自分自身を知ることから、始めていきたいと思います。いろんな人からプロは厳しい世界だというのは聞いていましたが、過去のデータを見させてもらって、改めてそのことを感じました。ただ、這い上がるのは自分次第。自分で自分を経営していくことが肝になってくる。もちろん、プロである以上はお金のことも考えないといけない。ただ、自分のためというよりもクラブのために行動することが重要だなと思いました。クラブのために行動することで、自分にも返ってくるという仕組みを理解したので、そこはしっかりと取り組んでいきたいです」

 

■宮代 大聖(川崎F U-18→川崎F)
「サッカー選手は、ピッチ外でもいろんなリスクがある。いろいろな状況を想定して、未然に防ぐことをしっかりやっていかないと、大変なことになってしまう。だからピッチから離れても、プロとしての自覚を持って行動しないといけないと思いました。もちろん、プロは厳しい世界というのは分かっています。でも、そういうのを分かったうえでプロに行く決断をしましたし、活躍する自信もあります。今回の研修でいろんなことを知れたので、改めて社会人として、一プロサッカー選手として、責任と自覚をもって日々行動し、Jリーグに留まらず、世界に行けるように頑張っていきたいです」

■名古 新太郎(順天堂大→鹿島)
「プロになればピッチの中はもちろん、ピッチ外のところもすごく見られると思うので、ピッチ外のところも大事にしていきたいです。これからはメディアに出る機会も増えると思うし、ああいう場でしっかり自分を出すことも大事。そこもプロになっていかないといけないので、大切にしていきたいと思います。研修はもっと長く感じるかと思いましたけど、終わってみればあっという間でした。こういう話を聞ける機会はなかなかないので、本当に良かったです。OBの方や講師の話は、間違いなくプラスになること。サッカー選手の前に一人の人間として大事なことを伝えてもらいましたし、改めて考えさせられた部分もありました」

■檀崎 竜孔(青森山田高→札幌)
「本当に厳しい世界に入ったことを改めて感じました。そのなかで生き残っていくためになにをすべきかを考えさせられました。もちろんプレーでも結果を出していかなければいけませんが、ファンへの対応だったり、社会貢献など、ピッチから離れたところも重要になってくるのかなと思います。これからが本当のスタートなので、プロサッカー選手としてプレーで結果を出し、オフ・ザ・ピッチのところでも檀崎竜孔という存在をいろんな方々に知ってもらえるように取り組んでいきたいです」

■三國 ケネディ エブス(青森山田高→福岡)
「プロに入っても試合に出られない選手がたくさんいることを知り、厳しい世界に入るということを改めて実感しました。この世界で食べていけるかどうかは、自分にすべて責任がある。ピッチに入れば先輩、後輩関係ないので、自分をしっかりと主張して、やっていこうと思いました。今回の研修では、サッカー以外の話が多かったですが、そういった部分は青森山田でも学んできたことなので、そんなに驚きはなかったです。改めて学んできたことが正しかったと思いましたし、これからもプレー以外の部分も大事にしていきたいと思います。これからは学生とはまったく違う世界に入っていくことになります。そういう中でやっていくためには、プロとしての自覚だったり、責任感が必要。この3日間で学んだことを、今後に生かしていきたいと思います」

 

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