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「想い」を背負ってピッチに立つ。キャプテン富田が体現した「ベストを尽くす」姿勢【ピックアッププレーヤー:明治安田J1 1st 第3節 仙台vs鹿島】

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2016年3月12日(土) 21:03

「想い」を背負ってピッチに立つ。キャプテン富田が体現した「ベストを尽くす」姿勢【ピックアッププレーヤー:明治安田J1 1st 第3節 仙台vs鹿島】

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「想い」を背負ってピッチに立つ。キャプテン富田が体現した「ベストを尽くす」姿勢【ピックアッププレーヤー:明治安田J1 1st 第3節 仙台vs鹿島】
「勝つことでなにかを発信できる。プレーで勇気を与えたい」と、並々ならぬ想いで試合に臨んだ富田。

実にユアテックスタジアム仙台では、7か月ぶりの勝利である。それがこの特別な試合で生まれたのは、仙台にとって意義深いはずだ。

試合前、渡邉 晋監督は選手たちにこう伝えたという。
「5年前の3月11日以降、ユアスタに足を運べない人はたくさんいると思う。そういった方々の想いをしっかり背負って、我々は戦わなければいけない」

その指揮官の言葉に、仙台の選手たちはさっそく答える。開始8分、高い位置でボールを奪うと左サイドからウイルソンがゴール前に絶妙なクロスを供給。フリーで待ち受けた金久保 順が冷静に鹿島ゴールを射抜いた。

「特別な日ですし、想いを込めて今日の試合に臨みました」という金久保のゴールは、結果的に仙台に勝点3をもたらす貴重な決勝弾となった。

ともすれば早い時間帯での得点は、その後のプレーを保守的にしがちだが、この日の仙台はどこまでもアグレッシブだった。鹿島の石井 正忠監督が敗因のひとつに仙台のプレッシャーの厳しさを挙げたように、後方で守りを固めるのではなく、激しいプレッシングで鋭くボールに寄せる仙台の守備は鹿島の攻撃を無力化した。

もちろんすべてを「復興のため」に紐づけるのは短絡的だが、仙台の選手たちの激しいプレーにはなにかを背負い、誰かのために戦うという「想い」が込められていたのは想像に難くない。

なかでも、その「想い」をピッチ上で体現したのは、中盤の底でハードワークを続けたキャプテン富田 晋伍だろう。2005年から在籍する生え抜きのボランチは、もちろん2011年の悲しみを味わった当事者でもある。だからこそ、大きな注目を集めたこの鹿島戦は「勝つことでなにかを発信できる。プレーで勇気を与えたい」と、並々ならぬ想いで試合に臨んでいた。

その言葉は、球際の争いや果敢なボール奪取に90分を通して表現された。押し込まれた後半も鹿島の攻撃を刈り続け、チームに勝利をもたらす影の立役者となったのだ。

震災から5年という節目の試合での勝点3は、チームに自信を植え付ける価値ある勝利ともなった。前節、仙台はFC東京を相手に、開始7分で先制しながら、直後に失点し、結局逆転負けを喫している。この日も同じ展開に陥る可能性もあったが、最後まで隙を与えない戦いを貫き、前節の反省を見事に結果につなげた。キャプテンも「この1週間で修正できた成果」と、胸を張った。

また富田は、前節に負傷した六反 勇治に代わってスタメンとしてゴールマウスに立った関 憲太郎のパフォーマンスにも賛辞を惜しまない。

「憲太郎の活躍があってこその勝利だと思う。ずっと一緒に仙台でやって来た選手だし、素直にうれしいですね」と、自らのことのように喜んだ。

「ホームでずっと勝てていなかったので、ほっとしているし、1-0というスコアも仙台らしい」と、試合後富田は安堵の表情を浮かべた一方で、「これを続けていかなければ意味がない」と兜の緒を締めた。

ホームで勝ちを届けることは、いまだ復興の途中にある地元の人々に少なからず勇気を与えるだろう。ただし、勝負は水物である。常に勝ち続けるチームなど世界中を探しても見当たらない。それでもできることはある。

「常に戦う姿勢を見せていきたい」

プロサッカー選手として、ベストを尽くすことこそが、復興の一助になることを富田は信じている。

[文:原山 裕平]

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