唯一の無敗で首位に立つ川崎Ｆは、アウェイで甲府と対戦する。前節、Ｊ１通算最多得点に並ぶ158ゴールを達成した大久保 嘉人だけでなく、このたび日本代表に選出されたもうひとりのストライカー小林 悠がすでに3ゴールと好調を維持。チームとしても3試合・8得点と、今季も相変わらずの攻撃サッカーを展開している。
そんなチームをホームに迎える甲府は、前節はクリスティアーノのゴールで先制しながらも逃げ切れず、鳥栖と引き分けている。今季より復帰したブラジル人ストライカーが額面通りの働きを見せる一方で、彼以外は得点を奪えていない。クリスティアーノが封じられた際の打開策を用意できないようだと、今節も厳しい戦いを強いられるだろう。
新潟と柏も注目カードだ。新潟の吉田 達磨監督にとっては昨季まで率いた古巣との対戦に。一方、柏はよもやの監督交代後のリスタートの一戦となる。ミルトン メンデス監督の後を引き継いだのは、ヘッドコーチから昇格した下平 隆宏監督。吉田監督は現役時代の同僚であり、柏Ｕ－18時代には吉田監督の下でコーチを務めていた。年齢的には3つ上だが、指導者としては後輩にあたる。長く柏のために尽力してきた両者が、今度は対戦相手として凌ぎを削り合う。まさに因縁深い一戦と言えるだろう。
いまだ勝ち星がない柏にとっても、2連敗中の新潟にとっても、勝点3の確保が最重要テーマ。ふたりの指揮官の手腕だけでなく、ピッチに立つ選手たちの気迫あふれるプレーにも注目だ。
昇格チーム同士の対決となった磐田vs福岡も熱戦が期待できる。浦和に勝利するなどＪ１でも手ごたえをつかみつつある前者に対し、後者はさっそくＪ１の厳しい洗礼を浴びている。ただし、まったく歯が立たないわけではなく、ここまでの3試合には勝機も十分にあった。だからこそ、昨季2勝を挙げた“お得意様”から勝利をつかみ、自信を取り戻したいところだ。
神戸はホームにＧ大阪を迎えての“阪神ダービー”に臨む。やや不安定な戦いが続く神戸にとって、近隣のライバルクラブとの一戦は、今後の行方を占う意味でも重要な一戦となる。もっともＪ１ではＧ大阪に2012年以来白星がなく、ホームに限っても5試合勝利がない。苦手意識は否めないが、爆発力を秘めたアタッカー陣が上手く機能すれば、嫌な流れも払しょくできるはずだ。
鹿島はFC東京とホームで対戦。ともに今季はここまで勝負強さが光るだけに、今節の対戦でも1点を争う好勝負が見られそう。金崎 夢生、森重 真人の代表マッチアップにも注目だ。
前節初勝利を挙げた横浜FMは鳥栖をホームに迎えての一戦。大黒柱・中村 俊輔の存在はやはり頼もしいが、前節は齋藤 学が今季初ゴールをマーク。このアタッカーが調子に乗ってくるようだと、チームも一気に勢いに乗りそうだ。
前節、川崎Ｆとの撃ち合いに敗れた名古屋は、鹿島を下して勢いに乗る仙台との対戦。ともに状態は悪くなく、やるべきサッカーを体現できている。カウンターを主とする両者の激突だけに、スピーディーな展開となるだろう。
水曜日にＡＣＬを戦った広島と浦和の試合は、日曜日に開催される。ＡＣＬでようやく初勝利を挙げた広島が、リーグ戦でも勝利を挙げられるか。一方、前節Ｇ大阪に競り負けた大宮だが、状態は決して悪くない。昨季のＪ１、Ｊ２の優勝チームの争いは、両者の現在地を図る上でも注目のカードとなる。
中国での激闘をドローで乗り切った浦和は、アウェイで湘南と対戦する。連戦の疲労が否めないなか、日本一走るチームと対峙するだけに厳しい戦いが予想される。巧みに試合をコントロールし、機を見て圧力をかける。そんな“大人の戦い”が求められるかもしれない。また遠藤 航にとっては古巣との対戦となる。こちらの因縁にも注目だ。
■各試合の見どころをチェック！
横浜FMvs鳥栖
甲府vs川崎Ｆ
新潟vs柏
名古屋vs仙台
鹿島vsFC東京
神戸vsＧ大阪
磐田vs福岡
大宮vs広島
湘南vs浦和
