震災の影響で活動を休止していた熊本が、前節の千葉戦で約１か月ぶりにＪ２の舞台に復帰。今節も22チームによる全11試合が開催される。
今節は水戸と対戦する熊本はホームゲームながら、本拠地のうまかな・よかなスタジアムが使用できず、日立柏サッカー場での開催となる。前節に続き関東遠征を強いられるなか、千葉戦でも浮き彫りとなったコンディション面に不安が残る。とりわけ後半の失速が敗因となっただけに、水戸戦では90分を通したペース配分が求められる。大きな期待を背負いながら前節は白星を掴めなかっただけに、今節にかける想いは相当だろう。いまだ苦しむ被災地の方々に勇気を与える勝利を届けられるか。
首位に立つ札幌はアウェイで讃岐と対戦。前節は水戸に苦しみながらも勝負どころでしっかりと得点を奪いしたたかに勝利を挙げている。現在4連勝中で攻守ともに隙はない。6試合勝利のない讃岐を相手に、確実に勝点を積み重ねたいところだ。
前節、開幕以来の黒星を喫した町田はそのショックから切り替えられるかがポイント。今節対峙する松本も難敵ではあるが、このままずるずると引き下がらないためにも、連敗だけは避けたいところ。前節、讃岐と引き分けに終わった松本としても、勝点3の確保は絶対条件。讃岐戦で露呈したゴール前での精度不足をいかに修正できるかがテーマとなる。
Ｃ大阪に衝撃的な勝利を収めた山口は、最下位に沈む長崎をホームに迎える。リーグ最多得点を記録する攻撃力が今節も爆発するか。長崎にとっては厳しい相手となるが、相手の勢いに飲まれず、粘り強い守備で応戦したい。その山口に4失点と完敗を喫したＣ大阪は横浜FCの本拠地に乗り込む。ここ5試合でわずか1勝と勢いが失われつつあるＣ大阪は、今がまさに正念場。攻撃陣が好調の横浜FCが相手だが、序盤戦に示していた守備の安定感を取り戻すことが最重要課題となる。
5位につける岡山は愛媛をホームに迎える。攻撃の軸を担う矢島 慎也をＵ－23日本代表の活動で欠くなか、持ち前の攻撃力を保てるかがこの試合の焦点に。対する愛媛は水曜日に順延していた8節の金沢戦を戦ったばかり。しかもその試合で敗れているだけに、心身ともにダメージを受けていることは想像に難くない。苦しい状況の中で迎える一戦だが、上手く切り替えて5試合ぶりの勝利を目指したい。
愛媛に勝利し最下位を脱出した金沢は山形とのアウェイゲームに臨む。3試合負けなしと序盤の低迷ぶりを完全に払しょくした金沢は、連戦によるコン ディションの不安は否めないものの、上り調子にある勢いをこの試合にも持ち込みたい。対する山形もここ5試合負けなしと波に乗る。好調同士の一戦 だけに、アグレッシブな攻防が期待できそうだ。
町田を撃破し開幕以来の勝利を挙げた北九州は京都をホームに迎える。勝ち切れない試合が続いたなかでようやく結果を手にした北九州とすれば、この良い流れを手放さないためにも連勝を実現したい。一方の京都もここ5試合で3勝を挙げ、上位争いに顔を出している。攻撃陣が好調でチームが確実に右肩上がりにあるなか、北九州相手にもその勢いを示したいところだ。
下位に沈む徳島と群馬だが、前節はそろって勝利を挙げており、復調の気配を漂わせている。熱を帯びたバトルが展開されそうだ。千葉vs岐阜も連勝をかけた一戦に。波に乗りそうでなかなか浮上できないという状況も似ている両者の激突。果たして上昇気流を描くのはどちらのチームか。
窮地に追い込まれているのが東京Ｖ。9試合勝利から見放されており、今節敗れれば最下位に転落する可能性もある。対する清水も3試合勝利なしと状態は芳しくない。ともに開幕時からＪリーグに所属する「オリジナル10」の現状としては寂しい限りだが、かつての名勝負を彷彿させるようなエキサイティングな戦いに期待したい。
■各試合の見どころをチェック
山形vs金沢
松本vs町田
讃岐vs札幌
徳島vs群馬
岡山vs愛媛
北九州vs京都
熊本vs水戸
千葉vs岐阜
東京Ｖvs清水
横浜FCvsＣ大阪
山口vs長崎
