明治安田生命Ｊ１リーグ 1stステージも、いよいよフィナーレの時が近づいてきた。今節、川崎Ｆが勝利を収め、2位の鹿島が敗れると、川崎Ｆの初優勝が決定する。
川崎Ｆの対戦相手は最下位に沈む福岡。9節以降負けのない前者に対し、後者は4試合白星から見放されている。両者の状態を考えれば、川崎Ｆの優位は揺るがないだろう。敵は優勝争いのプレッシャーか。これまでタイトル獲得の経験のないチームが、優勝のかかる試合で苦戦を強いられるケースは決して珍しくない。なかなか得点を奪えない展開に陥るようだと、焦りから自滅する可能性も否定できない。「早い時間での先制点」が川崎Ｆにとってのキーワードとなるだろう。
勝点1差で川崎Ｆを追う2位の鹿島は神戸とのアウェイゲームに臨む。逆転優勝に向け、勝利こそが求められる重要な一戦だ。こちらも両者の状態に大きな差はある。鹿島は現在4連勝中、対する神戸は5試合勝利がない。勢いの差は明白だが、スカウティング能力に長けるネルシーニョ監督が万全の対策を施し試合を膠着させることができれば、神戸にも勝機が生まれてくるだろう。百戦錬磨の鹿島がその対策をどう乗り越えていくのか。目が離せない一戦となることは間違いない。
わずかに優勝の可能性を残す浦和は広島とのアウェイゲームに臨む。因縁の対決と言われる両者の激突なだけに、優勝争いを度外視しても白熱の攻防が期待できる。ただし、現在の調子は両チームともに良いとはいいがたい。浦和は4試合勝ちがなく、広島もここ5試合でわずか1勝のみ。とりわけ浦和は4試合連続ノーゴールと得点力不足に苦しんでいる。優勝の望みをつなぐためにも勝利が必要な浦和が序盤から攻勢を仕掛け、広島は鋭いカウンターで応戦する。そんな展開が予想されるなか、白星を手にし復調のきっかけを掴むのは果たしてどちらのチームか？
前節新潟に敗れ優勝争いから脱落した大宮は、ホームに横浜FMを迎える。優勝の可能性が潰えたとはいえ4位と健闘する大宮は、上位争いに踏み止まるためにも連敗は避けたいところ。横浜FMは前節川崎Ｆに敗れたものの、ここ数試合は攻撃面に改善の兆しが見られており、上位進出も視野に入れる。互いに組織的な手堅さを備えているだけに、違いを生み出せる個の力が勝敗を分けるポイントとなりそうだ。
3連勝と波に乗る仙台は、甲府とホームで対戦。堅い守りに加え攻撃にも迫力が生まれ、バランスの良いサッカーが実現できている。甲府も前節、9試合ぶりに勝利を挙げただけに、その勢いを今節につなげたいところ。しばらくゴールから遠ざかるクリスティアーノの爆発も求められるだろう。
水曜日に試合をこなしたばかりのFC東京は、新潟とのホームゲームに臨む。広島に先行を許しながらすぐさま同点に追いつきドローに持ち込んだように、徐々に勝負強さが蘇りつつある。対する新潟は前節、10試合ぶりに勝利を挙げた。先行逃げ切りがうまくはまっただけに、今節も立ち上がりからアグレッシブに仕掛けていくはずだ。
同じく水曜日に試合があったＧ大阪は、鳥栖とのアウェイゲームに臨む。復調の気配を漂わせる宇佐美 貴史に導かれ、チームは上昇基調にある。鳥栖もここ3試合負けなしと一時期の不調から抜け出した印象。こちらも豊田 陽平が調子を上げているだけに、両エースの働きが勝敗を分けるポイントとなりそうだ。
前節、Ｇ大阪と派手な撃ち合いを演じた湘南はホームで磐田と対戦。見事なふたつのゴールを叩き込んだ下田 北斗のパフォーマンスが今節も見どころだろう。磐田は得点源のジェイを出場停止、小川 大貴を怪我で欠く苦しい陣容。気づけば11位にまで順位を落としているだけに、ここが踏ん張りどころだ。名古屋と柏も苦しい戦いが続く。ともに今季は良い時期があっただけに、そのイメージを再び取り戻し、苦境からの脱却を実現したい。
■1st 第16節の見どころをチェック
仙台vs甲府
大宮vs横浜FM
FC東京vs新潟
湘南vs磐田
名古屋vs柏
神戸vs鹿島
広島vs浦和
福岡vs川崎Ｆ
鳥栖vsＧ大阪
