混戦模様だった明治安田生命Ｊ２リーグもシーズンの半分がすぎ、徐々に勢力図が明瞭化されてきた。リーグをけん引するのは、勝点47で並ぶ札幌（1位）、松本（2位）、Ｃ大阪（3位）の3チーム。4位の岡山に7ポイント差を付けており、3強の構図ができつつある。
その札幌と松本の直接対決が今節行われる。札幌はここ2試合引き分けとやや足踏みを強いられているが、6試合負けなしと安定感は変わらない。一方の松本は5連勝中とまさに絶好調。勢いでは後者が優位とみられるが、リーグ最少失点の堅守を誇る前者にも隙はない。第17節の直接対戦では3-2と松本が撃ち合いを制したが、札幌としては勝ちパターンであるロースコアの展開に持ち込みたい。
3位のＣ大阪は町田をホームに迎える。こちらも7試合負けなしと滞りなく勝点を積み上げており、前節も杉本 健勇のゴールなどで群馬に快勝を収めている。攻撃の軸を担っていたブルーノ メネゲウが移籍したダメージを感じさせない力強さ示している。ただし、今節の対戦相手である町田も決して侮れない。ここ5試合で1勝と調子は落としているものの、堅い守りと前線の決定力を生かしたスタイルは徹底されているだけに、戦い方に迷いはない。Ｃ大阪を撃破し、再び勢いに乗れるか。そのパフォーマンスは要注目だ。
4位の岡山は、これ以上上位から離されないためにも勝利が必要。今節を最後に矢島 慎也がリオ五輪出場のためにチームを離れることもあり、確実に勝点3を掴みたいところだ。対する横浜FCは3試合勝利から見放されており苦戦が続く。得点力不足に悩まされているだけに、三浦 知良ら攻撃陣の奮起が望まれる。
9試合負けなしで5位に浮上した清水は、東京Ｖをホームに迎える。前回対戦で敗れた相手だけにリベンジをかけた一戦になるだろう。東京Ｖは19位に沈むが二川 孝広の加入により攻撃が機能し始めてきた。このベテラン司令塔のパスワークを起点に、連動性あふれる攻撃サッカーが機能すれば、返り討ちを実現できるはずだ。
山形vs千葉も注目の好カードだ。ともに昇格候補に挙げられながら中位に留まっているが、チーム力はリーグ屈指。山形は2連敗中で、連敗阻止がかかる一戦。千葉は前節久しぶりに勝利を挙げており、その流れを今節につなげたい。いずれにせよ上昇のためにも勝利が必要な情勢だ。手に汗握る白熱の攻防に期待したい。
ここ5試合で1勝と調子が落ちてきた京都はホームで讃岐と対戦。ここ数試合で得点力不足に悩まされており、この課題をいかにクリアにしていくが大きなテーマとなっている。対する讃岐は7試合勝ちがない。前回の京都戦でも1-3と敗れており、ポジティブな要素はあまり見当たらないが、粘り強い戦いを続け、京都の隙を突いていきたい。
山口は2連勝と再び調子を上げてきた。持ち前の攻撃力だけでなく前節は讃岐を完封しており、守備力の向上も見られている。今節の相手である愛媛も3試合負けがなく、状態は悪くない。前節は終了間際のゴールで清水に引き分けと、粘り強さも備わる。両者の特長がぶつかり合う好勝負が見られそうだ。
ともに3連勝をかけた戦いとなるのが水戸vs長崎。前者は堅守が光り、後者は永井 龍を軸とした攻撃陣が好調。どちらのストロングポイントが勝るのかが試合の焦点となる。苦しい戦いが続く熊本は、徳島とホームで対戦。大量失点による連敗は前節食い止めたものの、勝利はつかめなかった。2連勝中と好調な徳島相手に今節も苦戦が予想されるが、ホームのうまかな・よかなスタジアムで意地を見せたい。
21位の群馬と20位の北九州は、下位同士の直接対決。残留争いを語るには時期尚早ながら、順位が近いチームとの対戦とあってお互い負けられないだろう。最下位の金沢と17位の岐阜も状況は同じ。とりわけ岐阜は4連敗中と深刻な状態にあるだけに、この苦境から脱するためにも目に見える結果を手にしたい。
■第24節の見どころをチェック
札幌vs松本
山形vs千葉
水戸vs長崎
群馬vs北九州
清水vs東京Ｖ
岐阜vs金沢
京都vs讃岐
Ｃ大阪vs町田
岡山vs横浜FC
愛媛vs山口
熊本vs徳島
