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【2004開幕直前全28クラブ分析】湘南ベルマーレ、アマラオ加入で得点力不足と経験不足を補いたい。ピッチの選手が連動したサッカーで、4位以内を目指す。(04.03.05)

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【2004シーズンの見どころ】

 現在の湘南に、中田英寿、洪明甫という二人の偉大なプレーヤーを擁し、栄華を誇っていた頃から久しく時間が経ってしまった。

 2000年からJ2に降格して以来、守勢に立たされながらも着実にチーム基盤の再構築に取り組んできた湘南ベルマーレ。チーム再建の一環として、若手選手への世代交代を進め、チーム内で30歳を超えるのはパラシオスと新加入の浮氣哲郎、アマラオの3名のみとなっている。つまり、若く伸びしろのある選手たちが、常に真剣勝負の世界を経験できる状況になっており、近い将来のチーム力の底上げが期待される。

 そんな若いチームを率いる山田松市監督が目指すのは、高い連動性をもった組織的なサッカーである。ポイントはいくつかあるが、その中でも「ピッチに立つ11人の選手たちが同じイメージを共有できるかどうか」が鍵を握ってくる。そしてそれが成功すれば、人とボールが激しく動くスピード感のあるサッカーが完成するのである。新入団会見でそのサッカーのイメージに近いヨーロッパのクラブチームの映像が編集されて流されていたが、実際に実現すればかなりインパクトのあるサッカーになるだろう。

 強化部の水谷尚人氏によると今年の目標は4位以内。1位、2位は文句なく、また3位でもJ1の最下位との入れ替え戦が待っており、4位以内という目標設定は、つつましい気もした。しかし「4位以内を目指すことで3位も見えてくる」という方針を聞いて納得した。つまりこのチームには絶対的に経験がないのだ。特に上位陣との息詰まる直接対決、という経験をしてこなかった。その一方で、ここ数年のJ1昇格チームを見てみると、数年間の死闘を経験したあとに悲願の昇格を決めるチームが少なくない。

つまり昇格を狙える位置での激しい順位争いを通じてチーム力をアップさせよう、というのが今年の基本スタンスということになるのだろう。もちろん、そうした順位争いの結果3位以内に入れればそれはそれですばらしい、という意味でも4位という目標は現実的だ。

 湘南というチームを語る上で、ひとつ忘れてはいけない要素がある。それが地元に根ざしたクラブ運営である。たとえば多種多様なスポーツの振興を目指しNPO法人を設立。また地元の大学とは、スポーツビジネスに関する講座の開発において提携するなど、積極的で地道な普及活動を続けている。クラブスタッフはこれらの活動を「種まき」と表現しているが、上位進出をかけた息詰まる戦いが続けばチームにもサポーターにも刺激を与え、さらには地道に撒いてきたこれらの「種」の発芽を促すことになるだろう。湘南が上位進出すれば、それと同時に様々な普及活動が一気に芽吹く可能性を秘めている。

 どれだけ点が取れなくても、負けが込んでも、常に湘南サポーターは熱い応援を続けてきた。まさに自己犠牲の極みともいえる彼らに、ぜひともしびれる経験をさせてあげてほしい。そしてそれができたとき、湘南はまたひとつ成長できるはずだ。


【新戦力・注目のキープレーヤー】

 12名という大量の補強を敢行した湘南だが、その中でももっとも注目したいのがFC東京から移籍のアマラオだ。

 昨シーズンの湘南の年間総得点はわずかに33点。新潟で得点王を獲得したマルクスが32得点をあげており、また年間3勝しかできなかった鳥栖が40得点しているという結果を見ても、湘南の得点力不足の深刻さが理解できるはずだ。そんな絶対的な得点力不足の解消を狙って獲得したのがアマラオだ。37歳のベテラン選手は、フィジカルトレーニングでも決して手を抜かず、自分に妥協しない姿勢を常に見せている。そんなアマラオに、見てほしいプレーをあげてもらったが「最初から最後まで戦う姿勢。勝利に対する気持ち」という言葉が返ってきた。またゴールについては「試合の中のいろんなプレーの積み重ねの上で決まるもので、絶対にゴールを決めるとは言えないが、やるべきことをやれば点は入ると思います」と語っており、サッカーに対する姿勢や、ひたむきさを前面に出すプレーをしていきたいとのことだった。まさに背中でチームを引っ張る選手といえるだろう。

 アマラオに関しては、FW高田保則が「栗原さん(圭介・現新潟)と組んで17ゴールした2001年シーズンと同じ位に組みやすい」と述べており、実戦でのコンビネーションを早く見てみたいところだ。

 チームが経験を買って獲得した選手として浮氣の名前もあげておきたい。一度は移籍リストに名前が掲載されながらも自らのプレーで再び自らに価値を生み出し、大分のJ1昇格の原動力となった経験は、若いチームに影響をもたらすことだろう。

 若手の注目株では、磐田でスカウト活動に従事していた山田監督に見出され、入団した磐田から移籍してきたFW原拓也がおもしろそう。激戦区のFWの選手だが、磐田と湘南と二度に渡って山田監督から呼ばれた選手だけに、恩返しをしたいという気持ちは強いはずだ。

 またスカウト担当者に「発想や着眼点が独特で、中田英寿以来震えた」と言わしめた中町公祐もそのプレーを見てみたい選手の一人だ。彼は「真剣に学びたい」という意向の下、合格した慶応大学への通学を考えており、プロ選手としての生活との両立をいかにこなすのか、見守りたい。



【開幕時の布陣予想】





 山田監督にスタメンを尋ねると、笑みを浮かべてはぐらかされた。すでに大枠は決まっているのか、それともいまだに決めあぐねているのかはわからないが、各ポジションの選手たちが拮抗した力を見せているのは間違いない。ただ、そうした状況の中でもスタメンが確定的なのは、アマラオとパラシオスだろう。攻撃と守備の柱としての地位は揺るがない。

 アマラオのパートナーとして名前が挙げられるのが高田だ。低迷した昨シーズンは右ウィングバックも経験しているが、できればトップで出場したいところ。ここに柿本倫明、原といった選手が絡んでくる。

 左ウィングバックは坂本紘司に対して新加入の城定信次が挑んでいるところ。右ウィングバックは、高田、佐野裕哉を中心に加藤大志、石田祐樹といった選手がポジション争いを繰り広げている。

 トップ下は金根哲、佐野、中町といった選手が候補に挙げられる。ボランチは熊林親吾、中里宏司のコンビにベテラン浮氣がどこまで食い込めるのか注目したい。

 最終ラインは左から村山祐介、パラシオス、時崎悠で確定か。

 GKは鈴木正人と小林弘記が厳しい争いを続けているところだ。


2004.3.5 Reported by 江藤高志

以上


湘南ベルマーレ、鹿児島県鴨池キャンプ

2004シーズン 開幕直前・クラブ別戦力分析レポート
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