2004年3月13日J2第1節
横浜FC 4-0 仙台 (14:04/三ツ沢) 入場者数 7,788人
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試合前の横浜FCサポーターからこんな声援がでた。
「お帰り仙台!お帰り仙台!」
手厳しい歓迎に殺伐とした空気になるかとも思われたが、意外にも仙台サポーターには好評で、ゴール裏を中心に場内は失笑であふれた。暖かい日差しの中で、ほのぼのとした試合前の風景だった。
ところが試合が始まると、その空気は吹き飛んでしまう。仙台はボールを奪ったその瞬間にタテパスを狙っており、横浜FCの最終ラインの裏に佐藤、大柴、菅井が飛び出していった。
対する横浜FCも、セットプレーからチャンスを作り出し、スタジアムが沸き返った。
ゴール前での素早い動きと共に、攻守の切り替えの早さが試合にスピード感を作り出していた。「スピード感あふれる」という状態は、浮ついた試合展開の部分があるということでもある。そうした不安定な立ち上がりの時間帯の9分に、GK小針が負傷して高桑に代わるというアクシデントが発生した。試合後に、敗戦と結びつけてGKの交代について言及したコメントは誰も発してはいないが、立ち上がりを抑えきれなかった原因の一つではあるだろう。もちろんそれは高桑が悪いということではなく、スピード感のある試合の中でGKが代わることの難しさが仙台にあったということだ。
GK交代直後の12分に、横浜FCは右サイドで得たFKをマシューがヘディングであわせてゴールへ。さらに20分には、スピードある攻撃で大友→ジェフェルソン→小野とつないで追加点を決める。この失点も含めて大柴が振り返っていたが、集中を欠いてしまった事による失点だと言う。ではなぜ、集中を欠いてしまったのか。その原因を追及しなければ同じ過ちは繰り返される。
ベルデニックは試合後に、気持ちの部分に問題があったと敗因について言及している。「J1へ戻る」という結果ばかりが強調され、そのために必要なJ2での戦いがないがしろにされていたのかもしれない。もう少し言葉を補足すれば、J2を簡単に考えていたのかもしれない。ただ、それにしてもこの日の仙台は横浜FCのカウンターを食らいすぎた。財前が言うように、4−4−2のチームに対して根本的に穴がある可能性は高い。実際、横浜FCの攻撃を待ち受ける最終ラインには選手があまり気味に残っていた。マークの受け渡しを整理できなければ、4−4−2のチームとの対戦で同じような結末を迎えることになるかもしれない。
立て直しを図ったハーフタイムにベルデニック監督は、「闘志」という言葉を用いて選手たちをモチベートし、ピッチに送り出している。ところが後半立ち上がり早々の48分にFKのこぼれ球をマシューに蹴りこまれて3失点目を喫す。あまりにも不安定なセットプレーでの守備は、続く58分の城のヘディングシュートへとつながる。
4−4−2のチームとの相性の悪さはもちろんあるのだろうが、それ以上に仙台はセットプレーでの守備が悪すぎた。これでは勝てる試合も勝てない。
仙台の悪い部分ばかり書いてしまったが、横浜FCがよかったという側面もある。両監督が言及したジェフェルソンは、高い身体能力と器用な身のこなしでボールをコントロールし、前線に起点を作った。プレースキッカーの内田の右足は、精度の高いラストボールをコンスタントに生み出した。ほどよいスピードと、きつく曲がるそのボールは守る側にとってはいやなボールであることは間違いない。
両チームともボールを奪った瞬間からの切り替えの早さは共通していた。しかし横浜FCが攻撃陣にバリエーションがあったのに対して、仙台は同じタイプの選手しかトップにいなかった。前線の深いところでボールを落ち着かせることのできる選手がほしいところだ。
J1昇格を狙う仙台にとってこの開幕戦は手痛い洗礼を受ける結果となった。しかし悪い部分を内包しつつ勝ち続けて行くよりも、開幕直後に手厳しい一発をもらった方がよかったのかもしれない。仙台には、J1昇格のためにまだ43試合も残されているのだ。
2004.3.13 Reported by 江藤高志
以上
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