6月12日(土) 2004 J1リーグ戦 1stステージ 第12節
名古屋 3 - 0 浦和 (15:34/豊田ス) 入場者数 27,375人
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豊田スタジアムは赤一色。この日の試合を見届けるためスタジアムに詰め掛けたサポーターは27375人。レッズサポーターは早朝5時には100人近くが列をつくり、開場前には4000人近くに膨れ上がった。しかしその上をいくのはグランパスサポーター。なんと前日夜12時にはテントをはり、スタジアムで朝を迎える。サポーターのボルテージも最高潮の中、レッドダービーが幕を開けた。
試合前、浦和のスタメンに微妙な変化があった。エメルソンが帯同しないため、永井・田中の2トップが濃厚と思われたが、三都主と田中が並ぶ。三都主は「自分も調子がいいので、この流れをチームに持っていきたい」と代表での活躍をチームでも見せる意気込みを語っていた。いつもの左サイドにくらべ攻撃に専念できるポジションということで、得点にどう絡んでくるかに注目が集まる。
前半の攻防は激しいものとなった。浦和は右サイドを基点に、山田・山瀬がボールを運び、田中・三都主がゴール前に切り込む。田中のスピードもさることながら、山瀬が巧みにスペースに入り込み名古屋DFを翻弄する。しかしそれ以上に目立ったのが闘莉王の存在だ。バックラインからのオーバーラップに加え、セットプレーでの秋田との激しいマッチアップがスタジアムを大いに沸かす。
前半立ち上がりは名古屋が浦和の攻撃を必死で抑えるという形。名古屋はせっかく奪ったボールも安易なパスミスから、反対にカウンターで狙われる。いつ浦和に先制点が奪われるか分からないという状況だった。
しかし、今日のゴール前には鬼神たるGK川島の姿があった。先日はナビスコカップに出場するも、試合感のなさが露呈するという不甲斐ない内容だった。そして迎えたリーグ初スタメン。楢崎がスタジアムで見守る中、川島は自分の存在を見せ付けた。「楢さん(楢崎)が出なくて負けたと言われたら悔しいので、今日は絶対入れさせないと思った」という川島の気迫がファインセーブとなって現れる。その気合のこもったプレーが流れを変えていった。
ウェズレイが完全にマークされる中、なかなか決定機を作ることが出来なかったが、両サイドからの攻撃が増えるようになる。押し込まれ気味だった名古屋が徐々にラインを上げていった。そして前半41分にまさかの展開が待っていた。坪井がレッドカードで一発退場し、浦和が一人減った状態で後半を迎えることとなった。
「後半は数的優位を生かすために、守備に気をつけながら、後ろの選手が前の選手をどんどん追い抜いて相手のペースを崩すように」とハーフタイムにネルシーニョ監督から指示が出る。そして、後半15分に中谷に代わり岡山がピッチに投入された。
この交代が功を奏すことになる。2列目の飛び出しが増え、それにともないウェズレイがフリーでボールを受ける場面も出てきた。そして、後半20分。右サイドの海本から中村へとつなぎ、中村の右足から繰り出されたシュートは綺麗にゴールに吸い込まれていった。
「『神の贈り物』というか『日曜日のシュート』と呼ぶに値する素晴らしいシュート」と敵将ブッフバルト監督も絶賛した中村のシュートが名古屋の攻撃力に火をつけた。兄海本(慶)が左サイドから前線に飛び出すと、弟海本(幸)も右サイドを駆け上がる。浦和のDFがサイドの動きに翻弄され、中央にスペースが生まれる、そこを2列目がつくという名古屋の思いどおりの流れ。そしてその流れは早々に得点に結びつく。
後半28分岡山によって追加点がたたき出され、浦和にとっては痛恨の2点目となる。「浦和の集中は完全に切れていた。ああいう時間帯で集中が切れるとチャンス」という中村は縦のボールにルーズになっていた浦和のDFラインの裏を巧みにつき、チャンスを演出。だが、今日の中村はそれだけでは終わらなかった。ロスタイムにダメ押しの3点目を決め、最後も自分で綺麗に締めくくった。
本日のヒーローインタビューでお立ち台に上がったのは、川島と中村の2人。一人は気迫のこもったセーブでサポーターを魅了し、もう一人は芸術的なシュートでスタジアムを沸かせた。その2人に対し、サポーターの声援は絶え間なく続いた。
試合後の記者会見で「Jリーグで負けた試合は10人で戦った時だけ。11人で戦った時は負けたときはないということを最後に言いたい」とブッフバルト監督が付け加えたが、今日の名古屋はたとえ相手が11人であっても負けなかっただろう。勝利に対する気迫と執念は明らかに名古屋の方が上回っていたからだ。
以上
2004.6.13 Reported by 柴田愛子
J’s GOALニュース
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