7月27日(火) 2004 J2リーグ戦 第24節
福岡 0 - 3 大宮 (19:00/博多球/6,837人)
得点者:'17 冨田大介(大宮)、'30 バレー(大宮)、'62 バレー(大宮)
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引分けを挟んで3連敗中の福岡。前節で仙台と引き分けたものの、第2クール終盤を4連勝で終えた大宮。その勢いの違いが改めて明確になった試合だった。「FWの得点力不足が上がったというのがポイントのひとつ」(三浦俊也監督・大宮)。これで大宮は引分けを挟んで5連勝。試合内容が結果に結びつかないという苦しい状況から脱し、混戦模様の続く2位争いから抜け出す足がかりを掴んだようだ。
一方、ホームの福岡は引分けを挟んで4連敗。第2クール後半から、第3クールの立ち上がりにかけての勝負どころで大きく失速して順位は6位。勝ち点でも2位の大宮に5差をつけられる苦しい状況に追い込まれた。相手を凌駕する試合をしながら勝ちきれない試合を続けているうちに、試合内容まで悪くなってしまっているのが気がかりだ。この日は、合流間もないエジウソンを先発起用して勝負をかけたが、それも叶わなかった。
ワイドからの攻撃に定評のある福岡に対して、三浦監督がポイントに置いたのは「まずは前半に失点をしないということ」。低めの位置にゾーンを形成して、11人をピッチ全体にバランスよく配置する守備網を敷く。高い位置では福岡にボールを持たせ、中へ入ってくるところを待ち構えてボールを囲い込んだ。そんな大宮に対し、福岡は攻撃の手立てを見出せず、縦へボールを送ることができない。自慢のサイドからの攻撃は影を潜め、増川へも楔のボールが通らない。
試合は大宮陣内でのプレーが続く。しかし、それも大宮の狙い通り。攻めさせられている福岡には閉塞感が漂っていた。そんな展開の中、大宮に先制点が生まれる。時間は17分、右からのコーナーキックに冨田が頭で合わせた。この後も大宮は落ち着いて試合を進める。11人が連携してボールポゼッションを高め、両サイドに、あるいは森田に楔のボールを打ち込みながらチャンスを窺う。福岡が前へ出ようとすると、金澤と氏家を中心に囲い込んで反撃の芽を摘んだ。
大宮の2点目はカウンターから。左サイドへ流れたバレーが久永からパスを受けると、対峙する福岡DFをかわす。バレーの目の前には大きなシュートコースが空く。バレーの右足から放たれたシュートがゴール右隅にきれいに決まった。そしてとどめの3点目が62分に生まれる。左サイドを突破した久永がクロスを上げると、千代反田の前に走りこんだバレーが見事なヘディングシュートを決めた。この3点目で事実上の勝負が決まった。終始、自分たちのペースで試合を進めた大宮の完勝だった。
それにしても敗れた福岡は元気がない。2位確保がかかった第2クール最終戦での札幌戦。J1昇格争いの仕切り直しとしてアウェーに乗り込んだ京都戦。そして、混戦模様の2位争いへのサバイバルをかけた、この日の大宮戦。勝負をかけなければならない3試合で全て敗れたばかりか、戦う気持ちを表現できないままに終わっている。勝ちきれない試合を続けるうちに自信を失ったのか、自分たちのベースとなる戦い方ができなくなっている。
「積極的な姿勢とか、そういう部分がなかったら勝負の世界では勝てないと思うし、最終的に、そういうメンタルの強さが絶対に必要」(松田浩監督・福岡)。ギリギリの勝負では戦術・技術はもちろん、相手に絶対勝つという強い姿勢が不可欠。それを身に着けない限り、厳しいJ1昇格争いを勝ち抜くことは難しい。エジウソンの補強はチームを変える可能性を持っているが、それを生かすのも選手たちが戦う気持ちを持てるかどうかにかかっている。
「1ヵ月後はサッカーは分からない。まだまだ予断は許さない」(三浦監督)
「まだ20試合ある。いまのことは何も誰にも分からない状況だと思うし、我々にも十分チャンスはある」(松田監督)
いずれにせよ、リーグ戦はまだ十分すぎるほどの試合が残っている。例年も見られるように、この先、山場はいくつもある。現状に甘んじることなく、しかし悲観することもなく、自分たちの積み上げてきたサッカーを信じて戦い抜くことが必要だ。そして、チームだけではなく、フロント、サポーターをはじめ、チームにかかわる全ての人たちが力を合わせて戦った先にJ1昇格のゴールがある。まだまだ続くJリーグ。どの対戦からも目が離せない。
以上
2004.07.28 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
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