Vodafone Cup　トーナメント・オブ・チャンピオンズ
8月5日（木）21：00キックオフ [英国現地時間/日本時間6日（金）5:00]
会場:オールドトラフォード
浦和 vs マンチェスター・ユナイテッド
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　欧州の新シーズンの開幕を数週間後に控え、欧州各地でカップ戦が行われている。その多くが欧州のクラブが参加して開催されるが、マンチェスターユナイテッドのホームスタジアム、オールドトラフォードで行われているボーダーフォンカップには、マンチェスターユナイテッド、オランダリーグのＰＳＶに加えて昨年のトヨタカップ王者でもあるアルゼンチンのボカ・ジュニアーズと日本から浦和レッズが参加し、他の大会とは違った盛り上がりを見せている。
　4チームが2試合ずつを戦う２日間の日程ということもあり、1試合の勝利につき3点の勝ち点と得点数の合計で順位が争われる。

　大会初日となった8月3日はボカ・ジュニアーズ 5-2 浦和レッズ、マンチェスターユナイテッド 1-0 ＰＳＶの結果となり、1位ボカジュニアーズ（8ポイント）、2位マンチェスターユナイテッド（4ポイント）、3位浦和レッズ（2ポイント）、4位ＰＳＶ（0ポイント）となっている
。そして8月5日（英国時間）にはボカジュニアーズ vs ＰＳＶ、マンチェスターユナイテッド vs 浦和レッズの試合がおこなわれ、最終結果が争われる。

「あんなに強いチームと対戦したことは過去なかった。今日は完敗だった」と浦和の山田暢久も振り返った初戦のボカ戦。浦和は永井雄一郎、鈴木啓太が故障箇所に違和感があったため出場を見送り、日本代表の三都主アレサンドロ、五輪代表の田中達也、闘莉王、そして負傷の坪井慶介と主力6名を欠いた。南米の雄であり世界王者ボカは浦和のわずかなミスも見逃さず、少ないシュートチャンスを確実にゴールにつなげ、5-2と圧勝。「精度も高く、激しいプレスをかけられてしまい、自分たちのサッカーを全くやらせてもらえなかった」と山瀬功治。そして長谷部誠も「とにかく悔しいという思いしかなかった。こんな気持ちは過去経験したことがない」と悔しさを味わった浦和イレブン。ブッフバルト監督も「ボカ戦同様に、マンチェスターユナイテッド戦でも浦和の選手は様々なことを学べるはず。ここに来た意味は学ぶこと」と話し、永井、鈴木が復帰するマンチェスターユナイテッド戦について「学ぶことも大事だが、やられっぱなしというわけにもいかない。明日は浦和が、ボカ戦で見せたよりももっといいチームであることを観客に示さなければいけない」と語った。

　8月4日には急遽同じホテルでキャンプを張るスペインリーグのオサスナと15分ハーフでの練習試合を行った。ボカ戦に先発しなかった10人が出場し、1-0で敗れた。「明日の試合もあるし、100％でやったわけではないけれど、負けたのは悔しい。もっと攻めの工夫などを考えてプレーしなければいけなかった。明日は、中盤で相手のボールを奪い、攻撃の芽をつぶす仕事をしたい」と鈴木。永井は「アウエイという状況の中で、チームとして、そして個人としてもどこまでやれるかっていうのを見せたいと思う」と話している。

「ボカはＪリーグだったら絶対にファールになるような激しいプレーも当たり前だったし、そういうことはＪリーグでは経験できないこと。そういう経験が出来たことは自分にとっても非常に価値があると思うが、それでもやっぱり負けていいわけじゃないし。明日は勝つという気持ちを失わずにチャレンジしたい」と長谷部。

　すべてのチームが1、2週間後に公式戦やリーグ開幕を控え、最終調整や若手の経験の場という意味合いも強い本大会ではあるが、浦和の選手たちにとっては、個人技、組織力、運動量、戦術観など様々な面での差を突きつけられる大会でもある。しかしＪリーグでプレーしているだけでは決して体感することのない、“世界レベル”を肌で感じられることは、セカンドステージに向けた最強の強化になるに違いない。そしてボカ戦途中出場で、浦和でのトップチームデビューを飾り、しかも初ゴールも決めた横山拓也のような若手の活躍も楽しみだ。

　97年に駒場スタジアムで対戦し、2-1で終わったマンチェスターユナイテッド戦。現地には日本から多くのサポーターが駆けつけていることを考えれば、無残な負けは許されない。浦和イレブンの意地に期待したい。
　受身でなく、積極的に戦わなければ、本当の差を体感できることは出来ないのだから。

以上

2004.8.05 Reported by 寺野典子