DREAM MATCH 2004
8月8日（日）18：30キックオフ/味スタ F東京 vs ASローマ
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続々と行われているJチームと海外チームのプレシーズンマッチ。ワールドクラスのプレーに酔いしれる日々が続いているが、いよいよ8月8日、味の素スタジアムではFC東京対ASローマという注目の親善試合が行われる。「真夏の夜の首都ダービー」と題されるように、日本、イタリアそれぞれの首都に本拠地を持つクラブの顔合わせで、共に熱狂的なサポーターを持つ。守備の固いASローマに対してF東京の攻撃サッカーがどこまで通用するか、楽しみな一戦となりそうだ。

過去リーグ優勝3回、コッパイタリアやUEFA杯での優勝経験もあるセリエAの名門・ASローマは、中田英寿が、1999-2000シーズンに在籍したことからも日本のファンにはお馴染みの存在。カフーを放出し、戦力の低下が懸念された昨シーズンも、終わってみればリーグ2位とその力を見せ付けた。そして今季は5シーズンに渡って指揮をとったカペッロ監督に替わり、元パルマのプランデッリ新監督を迎えた。監督交代後の選手は総じてモチベーションが高く、チーム変革の大事な時期に行われるこのプレシーズンマッチは、今後のASローマにとっても重要な位置付けと成り得るだろう。

日本のファンにとって残念なのは、やはりトッティが米遠征中の怪我で急遽来日を取りやめた事。加えてカッサーノ、トンマージといった主軸が同じく怪我で来日メンバーから外れている。それでも、ユーロ2004でギリシャ優勝の立役者となったDFデラス、膝の怪我から復帰したばかりのFWモンテッラ（イタリア代表）、またFWデル・ベッキオ、DFパヌッチなど注目選手は多い。プランデッリ監督は「始動してからオリンピックやユーロで、選手が集まる事が少なかったが、それでも今チームはいい状態と言える」とコメント。選手も「米遠征の後で疲れはある」（DF・デラス）としながらも、「日本の皆さんに楽しんでもらえるプレーを見せたい」とF東京戦に意欲的だ。

この強豪チームを迎え撃つF東京もまたベストメンバーではなく、石川、茂庭、今野、加地（土肥はアジア杯帰国後出場の予定）と五輪代表組、フル代表組が一気に抜ける状態だが心配は無用。同じく主力が少ない中で臨んだスペイン遠征では、リーガの強豪・デポルティボとプレシーズンマッチを行い（8月1日）、2-1で破るという大金星をあげている。この勝利は、今後代表組が出たり入ったりする、2ndステージを戦っていくチームにとって「経験にも自信にもなった」（三浦選手）。

F東京・原監督は「代表組が帰ってきても居場所がないくらいのチームを作る」としていたが、このスペイン遠征ではまさにその通りのチームができつつあることを実感した今、F東京の状況はDF藤山の言葉を借りれば「いけいけムード」。「続けてこのASローマ戦にも勝てば、他のJチームが‘強いFC東京’のイメージを持って警戒してくれる。それは大きい」（DF藤山）と、選手達にはASローマとの対戦に浮かれた様子は無く、2ndステージを見据え親善試合といえども貪欲に勝ちいくつもりだ。

原監督はASローマ戦を「いつもテレビで観ているチームと対戦できることを嬉しく思う」と素直に喜んだが、しかし「そういうチームを本気にさせたい。うちは最初からガンガンいく」と戦闘モード。「（リーグ開幕まで時間のある）イタリアのチームがゆっくり調整しているのは事実。でも理屈じゃなく、若い選手達が世界のチーム相手に勝つというのはすごいこと」とやはり結果を求めている。その原監督のこの試合の予想スコアは2-1。常々「毎試合2得点はしていきたい」と話す原監督だが、たとえ相手がASローマであろうとその気持ちに変わりはない。

「ドリームマッチ2004 FC東京対ASローマ」。真夏の夜の夢を見せてくれそうなこの試合は、18時30分に味の素スタジアムでキックオフされる。

以上

2004.08.07 Reported by 高木聖佳