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【高円宮杯全日本ユース(U-18)サッカー選手権大会 決勝レポート】広島ユースが磐田ユースを破り初優勝!ユース世代の頂点に立つ(04.10.13)

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高円宮杯全日本ユース(U-18)サッカー選手権大会 決勝 埼玉スタジアム2002
サンフレッチェ広島ユース(中国地域第1代表)1−0 ジュビロ磐田ユース(東海地域第1代表)
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前日の試合から20時間も休息時間を取ることができなかった広島ユースと磐田ユース。お互いに動きが重い状態でプレーをするのかと思ったが、前日の試合以上の動きを見せた。前日、立ち上がりが悪く全体的に運動量が少なかった磐田ユースも全くの別チームだった。前からのディフェンスは確実に広島ユースのボール保持者にプレッシャーをかけた。パスの出所にプレスをかければディフェンスラインを高く保つことができ、前田、平繁、木原の3トップにボールは納まらない。立ち上がりの10分ほどは磐田ユースのディフェンスは効果を発揮した。しかし、プレスが少しでも甘いと広島ユースはワンタッチでトップにパスを出してくるので完全には防ぎきれない。ボールを繋ぐことを信条とする磐田ユースだが、単純なクリアも増えていった。そうなると前からのディフェンスが曖昧になったり遅くなったりし、徐々にディフェンスのリズムが崩れ始めてきた。磐田ユースは中盤の攻めぎ合いでは負けていなかったが、広島ユースの3トップに対するディフェンスのマークの甘さもリズムを崩した原因の一つだろう。攻撃では、広島ユースの早くて強いプレッシャーのために、トップにボールが収まるシーンが殆どと言っていいほどなかった。そのために、FWの岡本が下がってボールを受けるようになり、広島ユースのディフェンスは1本のパスで裏を取られるリスクがない状態でプレーすることができ、失点の危険を殆ど感じなかったはずだ。広島ユースの攻撃もボールの出所にプレスをかけられるので、思うようには発揮することができていなかったが、3トップは下がることなく前線に張っていたのでプレスが甘くなり1本パスが出れば、2人でも充分に危険な攻撃を仕掛けることができた。前半は0−0で終えたが、広島ユースが流れを引き寄せたまま後半に入っていった。

後半、トップへの単純なパスを減らしてサイドに起点を作った広島ユース。前半は磐田ユースのGK・八田に最後の最後で押さえられていたが、U-19日本代表の高柳を投入した直後の58分に、前田が個人技で2人のディフェンダーをかわして遂に八田の守るゴールにボールを蹴りこんだ。磐田ユースはU-16日本代表の中島を左サイドに投入して、本来の狙いであったサイド攻撃を活かそうとした。しかし、数的有利な状況をゴール前に作ることができずに、中島からのクロスボールは殆どが跳ね返されてしまった。終了間際のセットプレーではGKの八田も上がってパワープレーを見せたが、粘り強く守る広島ユースの前に得点を奪うことはできなかった。磐田ユースの内山監督は「厳しい試合になることは分かっていた。相手の3トップに対して3−5−2で対処するスタイルは変えるつもりはなかった。両サイドハーフが下がってしまう5−3−2にならないで、サイドからの攻撃をもう少し出すことができればよかった。5人の中盤という数的優位を活かせれば優位に立てたと思うが、(活かせなくて)残念」と話し、サイドからの攻撃を出せなかったことを敗因の一つに挙げた。広島ユースの森山監督は「ナイトゲーム翌日にデーゲームをするという厳しい環境だったが、気合いと根性で1点を守りきった。選手の逞しさと気持ちの強さを感じた。非常にいい試合だった」と精神面の強さを特に評価した。昨年涙を飲んだ広島ユースは、その思いを1年間忘れずに高円宮杯に繋げ、名実共に日本一のユースチームの名誉を勝ち取った。これから始まるJユースカップでは、広島ユースは目標とされるがそこでどのような戦いを見せてくれるのか。また、磐田ユース、G大阪ユース、東京Vユースなどがどのようにチームを修正してJユースカップを戦うのかも今後の楽しみになる。

広島ユースの優勝は選手、家族、スタッフそして、クラブにとって素晴らしい結果だが、課題はある。日本サッカー全体の問題でもあるが、ディフェンダーがマークすべき相手を完全に押さえきる技術と強さが足りないという点だ。これは磐田ユースにもいえることになるが、強いチームは攻められることが少なく、意外とディフェンダーは育っていない。鵬翔の攻撃陣を広島ユースのセンターバックは抑えることができなかった。クラブチームはユースの選手がトップチームで経験を積むシステムが魅力だが、殆どの場合はオフェンシブな選手がトップに上がるだけで、ユースのディフェンダーがJリーグで連続出場したという話は聞いたことがない。アジアのレベルが上がって並んできただけに、ユース年代の試合でもプレッシャーをもっと早く強くしていかなければオフェンシブの選手も伸びていかない。逆に言えば、オフェンシブの選手が伸びなければディフェンシブな選手も伸びない。常に盾と矛の関係だ。正当なタックルであれば激しくても笛を吹かないというレフリングの統一も必要だろう。国内で通用する選手が世界に出ると戸惑うようなレベルでは、アジアも勝ち抜けなくなってしまう。広島ユースの勝利は素晴らしかったが、これで終わらせてしまうと世界には繋がらない。国内のユースの大会でも常に世界を意識した視点で評価し育成に繋げる必要があるのではないだろうか。

以上

2004.10.11 Reported by 松尾潤
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