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【ヤマザキナビスコカップ:準決勝 F東京 vs 東京V レポート】東京ダービーの歴史に残る一戦。ファイナルへの切符を手にしたのは、初タイトルにかけるF東京(04.10.14)

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10月13日(水) 2004 ヤマザキナビスコカップ 準決勝
F東京 4 - 3 東京V (19:01/味スタ/15,885人)
得点者:'6 ジャーン(F東京)、'14 ルーカス(F東京)、'42 ルーカス(F東京)、'47 山田卓也(東京V)、'78 平本一樹(東京V)、'79 小林大悟(東京V)、'90 ルーカス(F東京)
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ナビスコカップファイナリストの座をかけての戦い、FC東京vs東京V1969の東京ダービー。試合開始前から両チームのサポーターが既に戦い始め、スタジアム中に応援の声が響き渡る。「自分たちが東京だ」という意地と意地とのぶつかりあい。圧倒的に数で勝るF東京サポーターに対して、東京Vサポーターも負けないほどの応援コールを続ける。止むことのないこのサポーター同士のやりとりが、これから始まる試合の盛り上がりを予感させた。

選手がピッチ上のアップを始めると、原監督(F東京)はいつも通り記者陣の前に姿をあらわした。しかし、わずかながらその表情はいつもと違って見える。ひとしきり話をした後で「やっぱり今日はいつもと同じ気分ではないようですね?」と聞いてみた。すると「できればこのサポーターと一緒に国立に行きたいね。こういう特別な状況でも、どれだけいつも通りの力を出すことができるか…それが勝負を決めるんだろうね」視線はずっと応援を送りつづけているサポーターのほうにあった。原監督にとっても初めての決勝進出をかけた戦い。試合前のロッカールームにはメンバー入りしていない選手も集まり、円陣を組んで気持ちをひとつにした。原監督は「今日の試合に勝つことにすべてをぶつけよう」と指示を出し選手たちを送りだした。

一方の東京V・アルディレス監督は、アップする選手の様子をベンチに座り一人静かに見守っていた。数々のタイトルを手にしてきたアルディレス監督はこの試合を「今シーズンで他のどの試合よりもいちばん重要な試合」と位置付け「勝つために十分、準備はしてきた」と自信をみせた。選手たちの表情もいつもに増して引き締まった様子。

「タイトルを目指したトーナメント。先制点がすごく大事だから慎重に入るのではなく最初から前に前にという進め方をした」と三浦選手(F東京)が言うように、前半立ち上がりから早い展開の試合となった。開始6分にCKからジャーン選手のヘディングで幕をあけたF東京のゴールラッシュ。88日ぶりにスタメン出場となった石川選手が右サイドでその切れの良さを見せつけ、そこから14分にルーカス選手の追加点がうまれる。一方の東京Vは、22分ボランチの林選手が2枚目のイエローカードで退場というアクシデントにみまわれる。更に勢いづくF東京、42分には駄目押しかと思われる3点目がまたしても石川、ルーカスのラインから生まれる。この勢いは「だれにも止められない」…というムード。

前半を、F東京3−0東京Vで折り返した。しかしロッカールームに戻る原監督に笑顔はなく、まだまだ攻めつづける気持ちが伝わってくる。一方のアルディレス監督は前半終了間際からずっと腕を組んでピッチを見つめる。後半何かが起こることを予感させる表情。

ハーフタイムあけに、すっきりとした表情でピッチに現れた東京Vの選手たち。後半キックオフされてわずか2分、平本選手のアシストで山田選手のヘディングシュートが決まり3−1、そこから前半とはまったく逆の展開が始まった。1人少ない東京Vは1人多いかと思わせるほどの運動量でファイナリスとの座を取りにかる。33分に小林(大)選手のシュートからのこぼれ球を平本選手が右足で決め3−2に追い上げる。その1分後、今度は小林(大)から平本のドリブル、そしてそこからまた小林(大)にパスが送られ同点となる3点目が決まった。

「しびれるね…」私は思わずつぶやいた。その頃には、小林(大)選手の両足がつっていた。そのまま試合は延長へ。それぞれマッサージを受け、監督は一人一人に声をかける。東京Vは退場になってしまった林選手も加わり円陣を組む。ナビスコカップのゴールマウスを守りつづけてきた塩田選手(F東京)は、もう一度DFメンバーと気持ちを入れ直した。原監督からは「あとは気合だ」とメッセージが送られた。

延長に入り、F東京はCKのチャンスを得る。それをまたもルーカスがヘディングで決め、延長はわずか40秒あまりで幕を閉じた。スタジアム中が割れんばかりの歓声につつまれ、Jリーグ初のハットトリックを決めたルーカス選手はまっしぐらにサポーターの待つバックスタンドに駆け寄り、喜びを分かちあった。

なかなか立ちあがることの出来ない平本選手、試合後のロッカールームでは、一人ぽつんと座り涙を流しつづけた。記者の待つミックスゾーンに目を腫らして現れ、「僕は小学校のころからヴェルディで、その頃から強いヴェルディを見てきました。何年もタイトルが取れなくて、やっとまたヴェルディがタイトルを取れるというところまできて、人一倍タイトルを取りたいという気持ちでいた。だから今日は悔しくて眠れないと思います。でも、ここから自分たちがいい方向に変わらないわけはないと思うので、いい経験をしたなと思います。リーグ戦にこの悔しさつなげたいですね」と穏やかな口調で語った。

「嬉しい」「ほっとした」F東京の選手たちは一様に喜びの笑顔を見せつつも、後半3点差を追い付かれたことには苦笑いを浮かべた。「今日は素直に喜ぶけれど、明日はすごく反省する。正直あってはいけない展開だからね。ただ、勝つことが今日のいちばん大切なことだから今日だけは喜ぶよ」と三浦選手はほっとした表情でスタジアムを後にした。

2004年10月13日、ヤマザキナビスコカップ準決勝。東京ダービーの歴史に忘れられない一戦が加えられた。激戦の末「11月3日・国立」行きの切符を手にしたF東京は、初のタイトルをかけて浦和と対戦する。

以上

2004.10.14 Reported by 日々野真理
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