11月14日(日) 第84回天皇杯4回戦
セレッソ大阪 1 - 2 ザスパ草津 (13:00/長居)
得点者:森島 寛晃(C大阪)、マルキーニョス (草津)、佐藤 正美 (草津)
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「毎年、初戦で負けるJ1チームがあるし、草津はJ2に上がろうという高いモチベーションがある。相手にアグレッシブに出てこられて、もし受け身に回るとやられる。ここで負けたらうちは大変なことになる」。C大阪の小林伸二監督は、戦前から強い警戒をしていた。それゆえリーグ戦からメンバーを大きく変えることもなく、『本気モード』で挑んだのが、図らずも懸念が当たってしまった形だ。
試合開始直後は、C大阪がJ1の貫禄を見せつけた。ボールを支配し、速いパスまわしで攻撃を仕掛け、4分には西澤明訓のパスを森島寛晃がシュート。これはバーに弾かれたものの、C大阪が先制するのは時間の問題かと思われた。しかしそれを阻んだのが、草津の粘り強いディフェンス。出足の早いプレッシャー、コンタクトプレーをいとわない激しいマーク、徹底した球ぎわの厳しさは、J1チームから徐々に勢いを奪っていった。
「立ち上がりは技術など力の差があったが、20分過ぎから中盤に隙ができた」と振り返るのは、草津・大西忠生GMだ。22分、23分と数回にわたってC大阪が決定機を逃したあたりから、微妙に流れが変わってきた。25分に草津も決定的なチャンスを迎えると、『互角』の様相を呈してきたのだ。30分を過ぎて、なんでもないトラップミスや不用意な横パスが見られるようになったC大阪は、次第にリズムを崩しはじめた。
「前半0-0なら、後半は絶対いけると思った」と、草津・植木繁晴監督。後半に入っても草津のディフェンスの意識は高く、マークの厳しさも変わらない。58分、C大阪は西澤に代えて、早くも大久保嘉人を投入し、勝負に出た。そして66分には森島による待望の先制ゴールが決まった。これで重苦しさは吹き飛び、C大阪はのびのびとプレーできるはず、だった。
しかし、草津にとってはそれさえ織り込み済みだったという。「今日は1失点ならOK。必ず2点取れるはずだから」。試合前、植木監督はそう選手たちに話した。「C大阪の3バックはコミュニケーションが悪い。両サイドの中盤の選手もカバーできない。そこをついていけば必ず真ん中が混乱するはず。この守備陣ならいけると思った」。その後の展開は、まさに植木監督の目論見どおりだった。72分、CKから途中出場のマルキーニョスがゴール。さらに3分後にはC大阪DFの弱点をつく形で、勝ち越し点まで奪ってしまったのだ。
草津の勝因はいくつかある。C大阪攻撃陣にほとんど自由にプレーさせなかったバックラインとボランチのコンビネーションは見事だった。中でも、1トップの西澤をほぼ完璧に抑えたDF籾谷真弘が効いていた。途中出場した大久保に対しても、全員が冷静に対処し、集中が途切れなかった。J1チームとの対戦に、非常にモチベーションが高かったのは確かだが、気持ちだけが空回りするのではなく、最後まで自分たちの成すべきことをまっとうしたことは賞賛に値する。
一方のC大阪。リーグ戦で見せた悪癖がまたしても出てしまった。CKでのマークの失敗は、悔やんでも悔やみきれないはずだ。そして、相手と比べて決定的に劣っていたのが、「コミュニケーション不足」。どう攻めて、どう守るかという決め事はあるはずなのに、ピッチで表現し切れないもろさが今のチームにはある。
昇り竜のごとくステップアップを続け、来季のJ2昇格も視野に入った草津。J1残留に向け苦しみ続けているC大阪。リーグでの勢いの差が、そのまま表れてしまったかのようだ。リーグ戦の残り試合はともに「3」。両者の今後の戦いに、何がしかの影響を与えそうな一戦だった。
以上
2004.11.14 Reported by 横井素子
J’s GOALニュース
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