11月20日(土) 2004 J2リーグ戦 第42節
湘南 0 - 1 福岡 (14:04/平塚/3,926人)
得点者:'89 ホベルト(福岡)
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0-0。時計の針は90分をすでに回っている。勝ち点3をもぎ取るために残された時間はわずかだった。勝たなければならない一戦、福岡はいつ鳴るやも知れぬ笛に急かされながらも、最後の可能性にかけひたすらゴール前にボールを送り続けた。
そろそろホイッスルが響くのではないかと思われる頃だった。幾度目かのクロスが中央で待つホベルトの足元に届く。背番号8は躊躇なくゴールに向き、プレスをかけてくる相手をフェイントでかわし、つぎの瞬間、左足を迷いなく振り抜いた。放たれたボールは地を這うようにしながら大挙してゴール前を固める湘南の選手たちの隙間を縫い、横っ飛びしたキーパーの鈴木の手をも掠め、ゴール右隅に突き刺さった。
立ち上がりは湘南のペースだった。「今日は全体的に動きが重かった」と、キャプテンでDFの千代反田が振り返ったように、福岡の動きは明らかにいつものそれではなかった。前日まで降り続いていた雨の影響もある。ピッチコンディションが悪く、足は滑り、素早く細かいパスも繋がらない。ボールコントロールに意識を奪われ、キレのなさも手伝って、得意とするアグレッシブな展開力は影を潜めた。
過去3度の対戦で撃沈している湘南はこれまで、福岡の両サイドの積極的な攻撃により後ろへと引っ張られ、意図する素早いサイド攻撃を封じられてきた。この日も警戒して臨んだが、思いのほか攻め上がってこない相手を前に、逆に高い位置でボールを支配することに成功する。福岡同様、雨を吸った芝には苦労するが、セカンドボールをことごとくものにし、細かいパスも小気味よく回した。吉野、中町のボランチコンビもどちらかが必ず深い位置に侵入し、サイド、あるいは2トップと連携を図る。不用意なパスミスから福岡が速攻に転じようとすれば、中町が体を張って止め、チャンスの芽を摘む。また右サイドの高田は、右サイドバックの加藤と連携し、ポジションチェンジを繰り返す。時には中に切れ込み、15分には坂本と連携して左に開いたFWの佐野からのクロスに反応し、一歩及ばなかったものの、福岡ゴールを脅かした。
湘南の度重なる攻撃、そして状態の悪いピッチに、パスワークによる本来のビルドアップを阻まれた福岡は、ロングボールに頼らざるを得なくなる。20分、パスカットから左サイドで待つエジウソンにボールが渡ると、一気にドリブルで抜け出し、切り替えが追いつかず手薄になった湘南ゴール前に襲い掛かった。エジウソンの送ったクロスは湘南のディフェンスに食い止められるものの、このプレーから湘南の積極性に、徐々に陰りが見え始める。「安全にいこうとする気持ちが強くなり、裏へ走り出せなくなった」(吉野)。それまでの人を動かすパスと、パスを引き出す動きが消え、自らリズムを失っていった。
自分たちのサッカーができない中、カウンターに活路を見出した福岡は、エジウソンと有光の2トップ、そして徐々に本来の攻め上がりを見せた左サイドバックのアレックスがサイドの高い位置で起点となり、守備陣形の整わない湘南を襲うようになる。40分にはカウンターから有光が左サイドをドリブルで駆け上がり、戸田をかわしクロスを放る。しかし前半最大のチャンスも、最後のところで湘南の体を張った守備に跳ね返された。
前半、それぞれの時間帯をものにできなかった両チームは、後半に入っても訪れる決定機を逃してしまう。とくに福岡には惜しいシーンが多く見受けられた。途中出場のFW福嶋が一瞬の隙を突いて抜け出しキーパーと1対1になった場面も、鈴木の好セーブに阻まれる。75分過ぎには、福嶋が入ったことで右サイドに回っていた有光がクロスを入れ、ファーサイドに走りこんだ福嶋が折り返し、エジウソンと交代した太田が中央でヘディングシュートを押し込む。しかし、ボールはバーに弾かれ、またしても入らない。対する湘南も、攻め上がった加藤のクロスから坂本がシュートを放つなど見せ場はつくるものの、ゴールを揺らすことはできなかった。
ロスタイムに入り、濃厚に漂うドローの雰囲気を文字通り一蹴したのがホベルトの左足だった。「体のキレも、グラウンドコンディションも悪く、思い通りのサッカーができない状況のなかで勝てたことは大きい」と、千代反田は振り返る。試合中、幾度か巡ってきた時間帯に決めきることはできなかった。しかし、土壇場で欲しい結果を掴んだその背景に、福岡の勝利への執念と地力を見る。ポイント以上に貴重な勝ち点3を手にした福岡は、山形を得失点差で追い抜き、3位に浮上した。
以上
2004.11.20 Reported by 隈元大吾
J’s GOALニュース
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