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【J1-2nd:第14節 広島 vs 大分 レポート】好機もあった両チームだが、守備陣の奮闘でスコアレスドロー(04.11.24)

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11月23日(火) 2004 J1リーグ戦 2ndステージ 第14節
広島 0 - 0 大分 (15:00/広島ビ/21,589人)
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 17分、広島がラインを高くあげようとした、その裏をついて、吉田孝行が飛び出した。GKとの1対1。これ以上ない、決定的な場面だ。

 広島の守護神・下田崇は、決して焦ることなく、吉田との間合いを詰めつつ、両足の裏を芝生につけ、ヒザを柔らかくしてと待ちかまえた。「絶対に慌てないように、我慢しよう」という下田の気合いに気圧されたのか、吉田のシュートは魅入られるように下田の守備範囲に入ってきた。広島のGKコーチ・望月一頼氏が教え込んだ「最後まで相手に考えさせ、両足を地面につけて先に動かない」という1対1での鉄則を忠実に守った下田の「我慢」が吉田のシュートを弾きだしたのである。
 
 さらに37分、1本の縦パスからマグノ・アウベスが抜け出す。しかし、ここも下田は落ち着いてマグノ・アウベスにプレッシャーをかけ、DFが戻ってくるまで我慢し、コースを限定させた上でシュートをはじき飛ばした。
 
 広島の守護神が2本の「グレート」なセーブを見せれば、大分の砦である高嵜理貴も負けてはいない。

 61分、森崎浩司の飛び出しをペナルティエリア内で止めたサンドロのプレイがファウル。そして、広島にPKが与えられた。キッカーはチアゴ。しかし、高嵜は落ち着いていた。ここでも、GKの鉄則である「相手に考えを読ませない」ことに集中。絶対に先に動かないように、両足を踏みしめた。一方、ここまで決定機を外し続けていたチアゴは、どうしてもゴールが欲しい。負傷から復帰してきただけに、なおさらだろう。

 焦りのあったチアゴと開き直って集中を高めていた高嵜では、蹴る前の段階で勝負がついてしまっていたようだ。高嵜は落ち着いて蹴るコースを見極め、右に飛んでチアゴのキックをはじき出してしまったのである。

 両チームのGKが素晴らしいセーブを見せた今日の試合を、ハン・ベルガー監督は「ディフェンシブな試合ではなく、互いに得点をとるために攻撃した」と評した。確かに、その通りだろう。広島は前線からの積極的なディフェンスからの速攻と、ボランチに入った森崎浩司の爆発的なオーバーラップが効果的で、チャンスを量産した。一方の大分は、最終ラインからの長いボールを軸に、マグノ・アウベスを中心に松橋・吉田・梅田らの積極的な飛び出しで広島ゴールを脅かした。

 しかし、共に最後のパスが通らず、決定的なシュートシーンでのミスに泣いたため、得点することができなかった。そういう意味では、両チームのサポーターにはストレスのたまる試合だっただろう。しかし一方では、両チームの最終ラインとGKが素晴らしい集中力を見せたからこそ、相手のアタックを跳ね返し続けた、とも表現できる。実際、両チームの守護神はともに相手の決定的なシュートをはじき飛ばしている。彼らだけでなく、広島の小村を中心とした3バック、大分のパトリック・サンドロの2CB。共に、極限にまで高い集中力を発揮して、アタッカーたちに隙を見せなかった。決してディフェンシブな試合だったとはいえないが、主役は間違いなく守備陣だったのである。

 とはいえ、この日の試合がスコアレスに終わったことこそ、この両チームが今シーズン勝ち切れなくて苦しみ、順位が低迷している象徴だろう。J1というリーグは、J2ほど上位と下位に差があるチームではない。戦力的には見劣りしない柏やC大阪が、入れ替え戦ゾーンにいるのが、その象徴だ。しかし、やはり上位チームは上位にいるだけの理由がある。それは、浦和や横浜FM、そしてG大阪などは、決めるべき時にしっかりと決めている、という当然すぎる事実だ。そこの部分を解決するための特効薬はなかなかないのだが、来季はそこを解決しないと上位に進出することはできない。
 
 この試合は、両チームが抱えている現実を如実に表現してしまった、と言えるだろう。

以上

2004.11.23 Reported by 中野和也
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