A3 NISSAN CHAMPIONS CUP 2005
2月16日(水) 16:30 kick off 韓国・済州ワールドカップ競技場
横浜FM 2-0(0-0) 深セン健力宝
<得点者>46分:上野 良治(横浜FM)、63分:熊林 親吾(横浜FM)
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横浜FMのリーグ戦開幕スタメン有力候補だった坂田大輔が左ヒザ内側じん帯を痛め、全治2〜3ヶ月の重症を負うアクシデントが発生。7枚のイエローカードが乱れ飛び、退場者まで出るという不穏な空気に包まれたこの試合。それでも横浜FMの選手たちは最後まで冷静さを保ち続けた。大橋正博をトップ下に置き、途中から今季加入した熊林親吾をFW起用するという「岡田采配」もズバリ的中。満身創痍の彼らが2−0でようやく大会初勝利を挙げた。首位を走っていた水原サムスン ブルーウィングスに勝ち点4で並ぶとともに、初タイトル獲得に王手をかけた。
韓国・済州島の済州ワールドカップ競技場で開催中の「A3 NISSAN CHAMPIONS CUP 2005」に挑んでいる横浜FM。16日16時半から2004年中国スーパーリーグチャンピオンの深セン健力宝との第2戦に挑んだ。
初戦・浦項スティーラーズ戦で貴重な1点を挙げた清水範久、攻撃陣を引っ張った奥大介がこの日も体調不良で欠場。14日に現地入りし強行出場するはずだった日本代表DF中澤佑二も、前日のトレーニングで左足首を軽くネンザしたため、大事を取ってベンチから外れた。となると、レギュラークラスで満足に戦える選手はGK榎本達也、右サイドの田中隼磨、左サイドのドゥトラくらい。それでもJリーグ2年連続王者として勝負を投げるわけにはいかない。
岡田武史監督が起用した先発は、GK榎本、DF(右から)栗原勇蔵、中西永輔、河合竜二、ボランチ・上野良治、那須大亮、右サイド・田中、左サイド・ドゥトラ、トップ下・大橋、FW坂田、大島秀夫というイレブン。ベンチには熊林、山崎雅人ら5人が入った。
対する深センも3−5−2。強力2トップの李毅(9:Li Yi)と楊晨(3:Yang Chen)、中国代表でもあるMF王新欣(10:Wang Xin xin)はピッチに立ったが、スタメンが予想された中国代表キャプテンのDF李[王韋]峰(5:Li Wei feng)はベンチスタートだった。
済州島はここ3日ほど雨と曇が交互にやってくる悪天候に見舞われている。加えて今回は平日の夕方のゲーム。スタンドには数百人の観客がパラパラといるだけだった。が、日本からやってきた横浜FMサポーターたちはトリコロールの横断幕や旗を掲げ、懸命な応援を繰り広げる。彼らのためにも勝ちたいところだ。
身体能力に優れた深センが主導権を握ると見られたこの試合。蓋を開けてみると、リズムを握ったのは横浜FMだった。彼らは精力的に動き、丁寧にパスをつないで攻撃をビルドアップする。ボールを持てる上野が中盤を落ち着かせ、運動量豊富な大橋も前後左右に動いて相手をかく乱した。坂田、大島の2トップは序盤こそ相手の当たりに苦しんだが、そのプレスも長くは続かず、前を向ける状況も増えた。「今日は最初からプレッシャーもなくてやりやすかった」と坂田も言う。
ところが、岡田監督を一段と苦悩させるアクシデントが発生する。前半27分、ジャンプした坂田が着地する際にヒザを痛め、そのまま退場してしまったのだ。ドクターの診断は左ヒザ内側じん帯損傷で全治2〜3ヶ月。彼自身、ヒザのケガは初めてだという。
すでに久保竜彦、安貞桓を欠き、清水も体調不良でプレーできない横浜FMにとって、FWの柱になるはずだった坂田の離脱はあまりに痛すぎた。結局、スポーツヘルニアが癒えていない大島と代わるはずだった山崎が、このタイミングで登場せざるを得なくなってしまった。
その山崎は大橋とともに前線を動き回り、決定機を作ろうと試みる。Jリーグでは日ごろ出場機会の少ない選手たちにしてみれば、こういう状況は大きなチャンス。アピールしたい気持ちが強く出ていた。が、前半45分間の横浜FMは攻め手を欠いた。深センも全くいいところがなく、0−0で終了する。
迎えた後半、開始1分で横浜FMはいきなり均衡を打ち破る。ドゥトラの大きなサイドチェンジが始まりだった。これを受けた田中が相手DFを引きつけて中央へ。ここに飛び込んだ上野がフリーでミドルシュートを放ったのだ。これが見事にゴールネットを揺らす。これで彼らはようやく1点をリードした。精神的にも優位に立った横浜FMは、ここから怒涛の攻撃を見せる。両アウトサイドが積極的にオーバーラップし、大橋と山崎も前線をかき回した。
そこで畳み掛けたい岡田監督は意外な策に出る。大島に代えてボランチが本職の熊林をFWに使ったのだ。「FWがいないので仕方なく入れた」と指揮官は振り返ったが、彼にFWの仕事を求めなかったのが知将・岡田監督のすごさだ。「岡田さんは僕に『もっと前線に張ってろ』とか言わず、自分らしいプレーを出すように指示した。だから自分は少し下がり目の位置でボールを受けて前に出て行けばいいと思った」と熊林は言う。このあたりの柔軟性が岡田監督のすごさなのだろう。
この采配はズバリ的中。後半18分、田中が右サイドをえぐって中央に送ったボールに呼応した熊林が右足でシュート。これをワクに沈めた。急造FWが勝負を決めるダメ押し点を挙げるなどと、誰が考えただろうか。どういうチーム状況でも結果を出すのが横浜FMの「王者たるゆえん」なのだ。
熊林本人もこのチームにやってきて意識が大きく変わったという。ジュビロ磐田、湘南ベルマーレで各2年半過ごしたが、目立った活躍はなし。横浜FMに移籍してきた1月中旬の時点では、体脂肪率が15%に迫り、満足にサッカーのできる体ではなかった。この状態から脱するため、岡田監督、池田誠剛フィジカルコーチの指示のもと、必死の走りこみを実施。1ヶ月で体脂肪率をサッカー選手の標準である11%まで落とした。「やっと試合に出してもらえるレベルになった」と本人も苦笑いする。そういう努力が貴重なゴールにつながった。「巧みな選手再生術」で知られる岡田監督だが、また1人、復活のきっかけを与えるのに成功したようだ。
この後は、横浜FMがいいようにゲームを支配。浦項戦では体の重さが気になった田中や那須らも確実にフレッシュさを取り戻した。「90分走れるかどうか分からない」と前日に苦笑いしていた上野もブランクを感じさせないパフォーマンスを披露した。大橋、山崎も手ごたえを感じさせ、中西率いる最終ラインも危ない場面をしっかりと切り、深センに最後までチャンスを与えなかった。結局、2−0で勝利。限られた戦力でつかんだ勝ち点3の意味は大きい。
直後の試合で、首位を走っていた水原が浦項に終了間際に追いつかれるという失態を演じた。これで横浜FMと水原が勝ち点4で並んだ。総得点で2差の横浜FMは、最終戦・水原戦(19日)に勝てば優勝と、可能性も広がった。負傷者が続出する現状でアジアタイトルをつかめれば、今季を戦う上でチームの大きな自信となる。何としても最終戦に勝って、東アジアでの王座を手に入れたいところだ。
2005.2.17 Reported by 元川悦子
以上
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◆次戦の予定
A3 NISSAN CHAMPIONS CUP 2005
2月19日(土) 韓国・済州ワールドカップ競技場
13:30 kick off
水原サムスン ブルーウィングス vs 横浜FM
16:00 kick off
浦項スティーラーズ vs 深セン健力宝
J’s GOALニュース
一覧へ【A3 NISSAN CHAMPIONS CUP 2005 横浜FM vs 深セン健力宝 レポート】岡田采配ズバリ的中。乱戦制した横浜FMが水原と勝ち点4で並ぶ。タイトルをかけ、19日直接対決!(05.02.17)
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