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【A3 NISSAN CHAMPIONS CUP 2005 水原サムスン ブルーウィングス vs 横浜FM レポート】大島の同点弾も勝利に結びつかず。ミスからの3失点で敗れ、3位にとどまった横浜FM(05.02.19)

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A3 NISSAN CHAMPIONS CUP 2005
2月19日(土)13:30 kick off / 韓国・済州ワールドカップ競技場 / 24,718人
水原サムスン ブルーウィングス 3-1(1-1) 横浜FM
<得点者>15分 Rodrigues De Souza Nadoson(水原)、19分 大島 秀夫(横浜FM)、51分 Kim Dong Hun(水原)、84分 Rodrigues De Souza Nadoson(水原)
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J2・山形で昨季22ゴールを挙げている期待のストライカー・大島秀夫が、見事な同点弾を叩き込んだところまでは横浜F・マリノスらしい戦いぶりだった。が、後半開始早々の2失点目で全てが狂った。水原サムスン・ブルーウィングスの爆発的攻撃力の前に横浜FMは完敗。A3 NISSAN CHAMPIONS CUP初優勝の夢はついえた。最終順位も前回を下回る3位。
けれども岡田武史監督は「チーム全体のレベルは昨年より上がっている。若い選手たちを使えるメドもついた」と収穫を口にした。彼らはタイトルを逃した悔しさを、1週間後のゼロックススーパーカップ、そして2週間後のJリーグ開幕へとつなげていくしかない。

韓国・済州島の済州ワールドカップ競技場で先週13日から行われていた「A3 NISSAN CHAMPIONS CUP 2005」も19日が最終日。2試合終了時点で勝ち点4の横浜FMは13時半から、2004年Kリーグ王者で今大会最強といわれる水原と優勝をかけて戦った。
久しぶりに晴れ間ののぞいた済州島。しかし空気は予想外に冷たく、非常に強い北風も吹きつけた。日中の最高気温は5度を下回り、ピッチ上で動いている選手たちも寒さに耐えながらのプレーを余儀なくされたほど。そんな気象条件もあって、観客の出足は鈍く、優勝決定戦にもかかわらずスタンドは空席が目立った。

ベンチ入り選手を含め、プレーできる選手が15人しかいない横浜FM。前日の段階ではここ2試合、守備陣を統率してきた中西永輔の出場も危ぶまれていた。が、岡田監督は「ここまできたら、やってもらうしかない」と強行出場を決意。彼をピッチに送り出した。この日のスタメンはGK榎本達也、DF(右から)栗原勇蔵、中西、那須大亮、ボランチ・上野良治、原信生、右サイド・田中隼磨、左サイド・ドゥトラ、トップ下・大橋正博、FW大島、山崎雅人。体調不良から復帰間もない奥大介、深セン健力宝戦でゴールを奪った熊林親吾はベンチスタートとなった。

対する水原は、GK李雲在(LEE WOON JAE)、DFムサ(MUSA JAVIER MARTIN)、朴建夏(PARK KUN HA)、趙星桓(CHO SUNG HWAN)、ボランチ・金珍友(KIM JIN WOO)、金南一(KIM NAM IL)、右サイド・金斗[火玄](KIM DO HEON)、左サイド・全才雲(CHUN JAE WOON)、FW安孝錬(AN HYO YEON)、ナドソン(RODRIGUES DE SOUZA NADOSON)、金大儀(KIM DAE EUI)の3−4−3だ。
2試合続けて前半に大量点を奪っている水原。スタートダッシュのすごさが持ち味である彼ららしく、この日も頭から飛ばしてきた。非凡な決定力を誇るナドソンら3トップが高い位置からプレッシャーをかけ、頻繁にポジションを変えながらカウンターを仕掛けてくる。2002年ワールドカップベスト4メンバーの金南一も中盤を巧みにコントロール。横浜FMにセカンドボールやルーズボールを拾わせなかった。

迎えた15分、彼らはいきなり先制点を挙げる。横浜FMの左サイド・ドゥトラのボールコントロールミスをすかさず突いた金斗[火玄]が右サイドをオーバーラップ。中央に精度の高いクロスを送った。ここに飛び込んだのがエース・ナドソン。彼はマークについていた栗原を背中で押さえつつ飛び出し、完全にフリーなって右足でゴールを奪った。そのポジショニングのうまさは見事だった。
堅守を誇る横浜FMが、珍しくミスからの1点を献上した。が、彼らの立ち直りは早く、19分にはワンチャンスから同点に追いつく。右サイド・田中の巧みなアーリークロスがきっかけだった。今大会絶好調の彼が「DFの頭を越せば何とかなる」と上げたボールはゴール前を走っていた大島へ。スポーツヘルニアが完全に癒えていない大島だが、昨季J2得点ランキング第2位のゴール感覚は健在だった。胸トラップから素早く左足でシュートを決めたのだ。「自分の描いたイメージ通り」と本人も言うだけの美しい同点弾だった。
これで水原もややトーンダウン。金大儀の負傷退場もあって、攻撃陣にギクシャクした空気が漂った。前半ラスト15分間はむしろ横浜FMペース。田中のサイド攻撃、山崎のドリブル突破などが機能し、彼ららしいボール回しもできるようになってきた。

それだけに後半への期待は大きかったが、現実は甘くなかった。まず車範根(Cha Bum Kun)監督は、左サイドの全才雲に代えて趙源熙(CHO WON HEE)を投入。横浜FMの攻撃の起点になっていた田中隼磨を封じる策を取ったのだ。その上で前後左右に揺さぶりをかけてきた。横浜FMの3バックと水原の3トップは数的同数であるため、背後からの飛び出しやサイドを使った攻撃には弱いのだ。そんな分厚い攻めを中西ら守備陣は最後のところで跳ね返そうとした。

しかし後半6分、絶対にやってはいけないミスが出てしまう。水原の右CKの場面。横浜FM守備陣がクリアに行ったボールのコースが変わり、金大儀と交代したばかりの金東鉉(KIM DONG HUN)の前に飛んだ。これを金東鉉がシュート。ここまでナイスセーブを連発していた榎本にも止められず、致命的な2点目を奪われた。
「2点目でキレたね。ガックリきた」と、ベテラン上野も正直な気持ちを口にした。久保竜彦、安貞桓、坂田大輔…。負傷者続出のチームには今、点を取れるFWがいないのだ。「1失点なら何とかなるけど、2点3点取られたら、今はやっぱり苦しい」と田中隼磨も本音を打ち明けた。ピッチ上の選手たちには絶望的な思いが広がったことだろう。

その証拠に、2点目を取られた後、横浜FMのミスが急に多くなった。那須はパスミスを連発し、ドゥトラも精彩を欠いた。チームバランスも崩れて修正が利かなくなった。岡田監督は流れを変えたかったのだろうが、どうしてもコマ不足は否めない。温存していた奥、熊林も、タフな水原守備陣を粉砕するだけのスピードとキレは見られなかった。
苦境から抜け出せないまま、時間だけが刻一刻と過ぎていく。そして39分、横浜FMの守護神・榎本がペナルティエリア付近でナドソンにボールを奪われるという信じられないミスを冒してしまう。周囲もアタフタしているうちにパスが確実につながって、最終的にナドソンにダメ押しとなる3点目を奪われた。これで万事休す。彼らのA3初優勝の夢はあえなくついえた。第2試合で浦項スティーラーズが深センを2−0で破ったことから、横浜FMは勝ち点で抜かれてしまい、最終的には3位で大会を終えることになった。

主力というべき選手の多くを欠いた中、横浜FMが最後まで粘ったことは前向きに評価すべきだろう。岡田監督も「今日は若い選手たちが多かったので、ミスで崩れてしまった。でも、もう少し経験を積めば使えるメドは立つ。チームになっていなかった去年の今ごろに比べれば、かなりいい状態だ」とポジティブに話した。原、熊林といったJ1出場経験の少ない選手たちもそれなりに戦えるところを見せた。これは大きな収穫といっていい。

とはいえ、水原との間に「実力差」があったのも事実。ナドソン、金大儀ら攻撃陣はペナルティエリアの外からでも容易にワクを外さないシュートを打っていた。スピードや強さ、激しさといった個人的な打開力も非常に高かった。そういう相手に比べると、横浜FMの攻撃力はやはり見劣りした。
水原は中盤にも金南一という異彩を放つ選手を擁していた。崔成勇(CHOI SUNG YONG)、郭熙柱(KWAK HEE JU)ら負傷者を抱え、宋鐘国(SONG Chong gug)のような代表クラスの選手が兵役で大会欠場を余儀なくされても、彼らのチーム力には、ほとんど変化が見られなかった。
横浜FMがJリーグ3連覇、そしてアジアチャンピオンという2つのビッグタイトルを狙うなら、それに勝るほどの「分厚い選手層」が必要である。7年ぶりに車範根監督との直接対決に敗れた岡田監督は、アジアの現実を改めて実感したことだろう。

来週末にはゼロックススーパーカップ、その翌週にはJリーグ開幕を迎える。さらに3月中旬からはアジアチャンピオンズリーグも始まる。この大会で得られた自信、そして課題をいかに今後へとつなげていくのか。これからが日本を代表する知将の手腕の見せどころである。

2005.2.19 Reported by 元川悦子

以上
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