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【2005クラブ別戦力分析レポ:仙台編】都並新監督の下でチームは一丸。堅固な守備をベースに、昨年の反省を生かしてスタートダッシュを目論む(05.02.27)

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【2005シーズンの見どころ】

1年でのJ1復帰を逃し、さらにチーム一の人気者、佐藤寿人は広島に移籍。その上、同じ街にプロ野球チームの誕生…仙台はクラブの内外において、何とも忙しいオフシーズンを過ごす。
こうした状況を受け、ファン減少を心配する声もあったが、今季主将を務めることになった熊谷浩二は昨年末にこう語っていた。「仮にファンが少し減ったとしても、自分たちが結果を出すことで賑わいを呼び戻せばいい。そういうことです」
年が明け、いざ始動してみれば、今のところファンの熱意に陰りはない。例年より厳しい冷え込みの中でも、練習場は変わらずサポーターで溢れ、練習試合と聞けば、平日の午前中にも関わらずJヴィレッジに200名以上が詰め掛ける。主将の目論見はうれしい方向に外れている。
しかし、もし今年も再びスタートダッシュで失態を見せようものなら、サポーターの強い愛情だって冷めてしまうかもしれない。一度冷めた愛を取り戻すのは、本当に難しいものである。というわけで仙台にとって今年は、チームの今後を考える上で非常に重要な年だ。

そんな2005シーズン、仙台は新人監督である都並敏史氏にチームを委ねた。
都並監督に率いられ、チームを取り巻く雰囲気はすごぶる良い。チーム始動直後の練習では、監督の持ち前の明るさもあり、声や笑いが絶えなかった。この項の冒頭で、途絶えない練習場のサポーターについて触れたが、実際のところ新監督が率いる新チームというより、自分より一回り以上若い選手に混ざり、選手よりも行動的に振る舞う新監督自体を見に来たというサポーターも結構いたのでは…。

とはいえミニゲームから紅白戦へと、徐々に練習メニューが実践的かつ専門的なものに変化していくに連れて、監督の表情も真剣に。それと同時に、現実的な悩みが都並監督に降りかかっていく。例えば攻撃の形の構築が遅れている。トレーニング序盤から守備に時間を割くことが多かったこともあってか、開幕を目前に控えながら、仙台ははっきりとした攻撃パターンを構築するに至っていない。
さらに攻撃に関して言えば、シルビーニョが長期離脱を余儀なくされたことも大きな痛手だ。トップ下で攻撃のタクトを振らせようと考えていた彼の負傷(右足小指の骨折で全治2〜3ヵ月)は、監督のプランを大きく狂わせたと思われる。

とはいえ守備は完成に近づいている感がある。練習試合の大宮戦で、バイタルエリアからのシュートで2失点を喫したように、2列目からのシュートに対してマークが甘くなるシーンがあるのは気になるが、4バックの守り自体は、今オフから取り組んだとは思えないほどに安定し、ラインの裏を突かれるシーンはあまりない。
守備をベースにチーム作りをしている以上、都並監督にとっては現状のチーム状況はある種想定済みなのかもしれない。さらに今年のチームには、監督と選手が手を取り合って、降りかかる問題を乗り越えていこうとする雰囲気が見て取れる。きっと攻撃の問題も、今年の前線の核であるバロンが完調を取り戻す頃には改善しているはずだ。
今年こその開幕ダッシュを願うサポーターは、春の訪れと同様に攻撃の「開眼」を、今か今かと待っている。このサポーターの祈りを、チーム一丸となって叶えることが出来るだろうか? それがそのまま、仙台が昇格争いに参加できるかの鍵となる。


【新戦力・注目のキープレーヤー】

就任と同時に都並監督が掲げた方針は「まず堅固な守備ありき」。「しっかりとした守備さえあれば戦っていける」とまで語る監督が補強において望んだのは、大量失点の多かった昨年を考慮し、その上で4バックへの変更も踏まえた「DFの頭数」と、守備に重点を置くことで若干薄くなる可能性がある攻撃の中で「少ないサポートで得点を上げられるFW」。何しろ新加入選手11人の中で現在MFでプレーしているのは、国士舘大から入団した清水のみというのだから、今年はかなり徹底した補強方針があったものと評価できる。

そして実際に、補強はかなりの効果を発揮していると思われる。スタメン級のセンターバックが森川拓巳と根引謙介しかいなかったところに、大宮から木谷公亮、東京Vから富澤清太郎という2人の即戦力を獲得。富澤は現在リハビリ中だが、この4人がポジションを争うセンターバックは、今季のJ2屈指の選手層と言っても過言ではない。さらに2年目の大河内英樹、正月の全国高校選手権で市立船橋高の準優勝に大きく貢献したU-18代表のルーキー渡辺広大が成長を見せれば、都並監督もうれしい悩みを抱えることになるだろう。

ただ欲を言えば、サイドバックにもう少し人材が欲しかった気もする。サイドバックを本職としている選手で獲得したのは、左の磯崎敬太と、左右をこなせる三田光の2人。ボランチが本職の富田晋伍も右サイドバックでのプレー経験があるそうだが(布陣予想でも触れるが、仙台で起用が予定されている左サイドバックは、仙台に来て初めての体験だそうだ)、それでも他のポジションに比べると若干層が薄い。特に右サイドバックは、オフのトレーニングを経た今、現時点ですぐに任せられるのは三田1人。キャンプでは森川の起用も試され、一時は中田洋介の右サイドバック転向も考えられたが、2人は恐らくそれぞれセンターバックとMFとして考えられている以上、三田に万が一のことが起こった場合に不安を残す。
タイミングを心得たオーバーラップと、仮に高く上がらなくても高精度のフィードを駆使する三田がいたことで、右サイドは比較的スムーズに流れていた。それゆえに、彼の代役がいないことが気になる。

一方、補強方針のもう一つの柱であるFWは、なかなか計算できる選手が揃った。監督が「(退団した)佐藤が上げた20ゴールの穴を埋める存在」と考えているバロンは、分かっていても止められない高さと決定力が買われ、複数のチームを渡り歩きながらも日本で10年弱プレーを続けてきた。何気ないロングボールをチャンスに代えてしまう彼の存在は心強い。
また、トライアウトを経て広島から加入した松浦宏治は「チーム一」と自負するスピードが売り。オフサイドを恐れずに、試合を通じてひたすらに相手DFラインの裏をうかがい続けるプレースタイルには、何かを起こしてくれそうな期待感が漂う。バロンと2人並ぶと、相手守備陣はかなり的が絞りづらいのではないだろうか。
ただそのバロンはケガからの回復、そしてもう1人の新加入ブラジル人FWのシュウェンクは来日後の調整がそれぞれ遅れ、まだ本調子ではない様子。スタートダッシュ成功のために、彼らの早いコンディション向上が望まれるし、状況によっては既存のFW陣にも十分に活躍のチャンスはある。


【開幕時の布陣予想】

現時点で仙台の開幕布陣を予想するのは至難の業、と言わざるを得ない。都並監督が「激しいボジション争い」を促し、選手起用を固定してこなかったことも要因の一つだが、そこに来てシルビーニョの長期離脱。これにより中盤のシステム自体が流動的になってしまった。なので実際の布陣との若干の誤差はご容赦いただきたい。

FWはフィットネスさえ整えば、バロンはまず確定か。残る1席をシュウェンク、松浦、さらには終盤に前線で試され始めた財前宣之が争う構図。
中盤は始動当初からダイヤモンド型を採用していたが、トップ下起用を想定していたシルビーニョの離脱により、ボックス型採用の可能性が強まっている。そうであればボランチは主将の熊谷にプロ3年目の菅井直樹。前目の位置には左に梁勇基、右には中田の起用が予想される。
DFラインは、仙台にとってリーグ戦では03年以来の4バック。中央は比較的層が厚いが、現時点では速さの森川と強さの根引という元柏コンビ。ただオフの練習試合で、上背の強さとカバーリングの上手さを見せた木谷が、ポジションの一角に食い込んでも不思議ではない。
右サイドバックはキャンプを通じて及第点の動きだった三田でほぼ確実。一方の左は確定かと思われた磯崎が捻挫で離脱しているうち、本来はボランチのルーキー富田が思いの他フィット。筆者は富田と予想するが、どちらが起用されるか大変興味深い。
GKは高桑。始動直後にケガを負ったが、現在は完全に復調。2年ぶりの開幕スタメンとなりそうだ。

Reported by 佐々木聡


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