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【J2:第20節 仙台 vs 京都 プレビュー】バロン偏重の攻撃パターンを整理して臨む首位・京都戦。仙台の得点力復活なるかに注目。(05.07.08)

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7月9日(土)J2 第20節 仙台 vs 京都(19:00KICK OFF/仙台)
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 攻撃の形作り。仙台の課題は、まさにここに尽きる。
 ここ5試合で2失点という数字を踏まえても、守備は評価されるべきだが、一方で攻撃は15節で札幌から4点、16節で横浜FCから3点を奪った勢いが急速にしぼんだ。17節以降の3試合での総得点はわずか1で、山形、湘南とのアウェー2連戦はともに無得点。同時期の失点が1に留まっていることを思うと、仙台が最近勝ち点を取り損なっている要因は攻撃の停滞に他ならない。

 湘南戦で、この課題が完全に浮き彫りになった。バロンが潰された途端、攻めはほぼ立ち行かず。にもかかわらず、すでに消えていたバロンありきの攻撃に終始する以外に、この日の仙台は策がなかったのだ。あまりの内容に湘南戦後、帰路につく都並監督に仙台サポーターが話し合いを要求する場面も。
 そんな状況で仙台が京都を迎え撃つ、第20節である。

「バロンにマークを集中させないために、より多岐に渡る攻撃パターンを」。 都並監督も、チームの問題点は掴んでいる。「今週、守備に関してはほとんど時間を割いていない。明日(金曜日)には少しやろうと思っているけど」と都並監督が語るように、ここまでトレーニングはもっぱら新しく組み替えた攻撃陣の連係熟成に費やされた感がある。
 その要点は2つ。1つは前節1ボランチに投入したシルビーニョを、再びトップ下へシフトさせたこと。前節「シルビーニョが中盤の底からゲームを作り、両サイドハーフがワイドに飛び出していく形をやりたかった。だが、逆に彼らがシルビーニョをフォローするために低い位置を取ってしまうという本末転倒なことになった」(都並監督)ことを反省しての変更で、中盤から分厚い攻めを生み出すことを狙う。
 もう1つは、前線で孤立がちだったバロンの相棒探し。大柴と萬代、2人のどちらかをバロンと組ませる模様だ。バロンとの連係は一日の長がある大柴、一方で連係にはまだ難があるが、バロンをおとりにライン裏へ抜け出すなど、単体で脅威を生み出す可能性を秘めた萬代。先発は明らかにしていないが、前後半それぞれで2人に長い時間を与えることを監督は示唆している。どちらにしろ、バロンに集中していたマークを分散させる働きが、2人に求められているのは間違いない。

 そんなバリエーションある攻撃を見せたい仙台にとって厄介なのは、京都のサッカーの変化。京都は最近、シーズン序盤に見せていた両サイドバックを頻繁に攻撃参加させるサッカーだけでなく、引いた陣形からカウンターを狙う守備的な戦い方との使い分けを目指しているように映る。

 正直攻め手に不安のある仙台としては、相手に前へ出てきてもらったほうがスペースが空いて良かった部分もある。
 しかし京都からしてみれば、ボールのひき出し方が絶品のアレモンと、体格を活かしたポストプレーで前線の基点となる田原という、そろって高さも持ち合わせ、後方からのロングボール一発をフィニッシュまで持ち込むことが出来る2人がいるので、以前のように攻めに人数をかける必要がない(前節仙台は、この2人にタイプがそっくりな柿本、梅田の湘南FWコンビに手を焼いた)。
 ただこの戦い方が災いしてか、最近の京都には得てしてスロースターター的な様相があるのも事実。まだ守備的な戦い方を自分たちのものとして消化しきれていない。前節の横浜FC戦も、序盤は積極的な横浜FCにつけ込まれる場面が少なくなかった。
 仙台がこの試合をものにするためには、最初から主導権を奪いに行くことが重要だろう。守備優先の相手にお付き合いしてしまっては、内容としてここ数節の轍を踏む可能性もある。

 勝ち点の面でも、チーム状況においても、京都優勢という周囲の評価は揺るがない。だが、突如として魅惑の攻撃を作るポテンシャルを仙台の選手個々は十分持ち合わせている。土曜日のゲームまで時間は短いが、仙台攻撃陣の組み換えが功を奏せば試合の行方はわからないし、それにより起こる結末を「波乱」だとは決して思わない。


以上

2005.07.07 Reported by 佐々木聡
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