8月6日(土) 2005 J2リーグ戦 第25節
甲府 1 - 2 京都 (18:34/小瀬/6,605人)
得点者:'16 長谷川太郎(甲府)、'27 松田正俊(京都)、'57 松田正俊(京都)
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第3クール2連勝中の甲府と2連敗中の京都の対戦。しかし、甲府は京都にここまで2連敗中。出場停止やケガで京都の戦力がそろわない第3クールの対戦は、京都に勝つ最大のチャンスだった。もちろん、2位福岡に追いつくためには全て勝つ勢いで第3クールを戦わなければならないが、プライドと言う点でも同じチームに3連敗はできない。
立ち上がりはともにセーフティに戦いながらも、攻守のバランスが整ったプレーを見せた。そして、徐々に甲府がポゼッション率を上げていき、攻撃力の高さを見せ始める。甲府はある程度攻めることができることは証明したが、問題は決定力。点を取れる時に取らなければ京都から逃げ切ることはできない。その京都はカウンターからパウリーニョと松田がその怖さを甲府ディフェンスに見せ付ける。京都が首位を独走している理由のひとつは、このように守備陣がリスクを冒さなくても、たとえ攻められていても、2〜3枚の攻撃陣だけでシュートまで行くことができる点だろう。そして、この回数が増えれば、得点が増えるということ。甲府はたとえポゼッション率が高くても、このようなカウンターのチャンスを1回でも少なくしなければ失点から逃れることはできない。
ゲームの勝敗を決めるルールは開始10分で見えてきた。そして、勝利のルールから答えを最初に出したのは甲府。16分にバレーが左サイドをドリブルで駆け上がる。そのまま強引にシュートに持ち込むかと思われたが、中央に入ってきた長谷川がディフェンスの背後に消えてから前に入り込むタイミングにあわせてパス。長谷川に残された角度は僅かだったが、ピンポイントで合ったパスに右足のアウトサイドでゴールを決めて甲府が先制。しかし、その後もパス回しで京都を圧倒しながらもシュートチャンスに決められない。1点では逃げ切れないことは明らかだったが、この課題を乗り越えることができない。チャンスを活かせないでいると27分に同点に追いつかれてしまう。右サイドから鈴木(和裕)が正確で威力のあるロングシュートを打ち、バーに当たってこぼれた所を松田に決められてしまう。ここまで決定的なシュートを許していなかった甲府は―精度の高いロングシュートという予想外の攻撃からではあるが―守りきれなかった。このシュートの前に、逆サイドで中払が甲府の選手と絡んで転倒して、一瞬「ファールか」という雰囲気になり集中力が途切れていた。
その隙に付け込まれたという意味では、甲府の集中力の欠如が失点の理由に挙げられる。ファールを連発して攻め込まれた時間帯もあったが、同点になってからも甲府はボールを回して攻撃を仕掛ける。試合前、バレーと長谷川のマークを意識していることを柱谷監督は話していたが、3トップの一角である石原がフリーになることが多く、ポイントとなっていた。豊富な運動量でチームに貢献していた点は高い評価を与えてもいい内容だった。ただ、前半はそのプレーも得点には繋がらず、甲府の負けパターンである「チャンスは作るが、得点を決められない」という流れは変わらなかった。
後半になると、甲府の両サイドバックの井上、杉山が攻撃参加するシーンが増えて、技術の高さを発揮する。この流れで点が取れれば、負けパターンの流れから抜け出すことができたのだが、57分に1本のロングパスで失点を喫してしまう。カウンターから斉藤が出したロングパスが松田に通り、松田が津田をワンタッチでかわしてGK・松下の股抜きでゴールを決める。チャンスを作りながらも点を取れない甲府はとうとう逆転を許してしまう。失点はディフェンスラインだけの責任ではないが、センターバックが一発で抜かれてしまうシーンは、甲府のディフェンス力の弱さの象徴でもあった。
そして、リードされたことで、時間と共に焦りか強くなりロングボールが多くなる。当然、攻撃の質が低下する。前線に張るバレーや長谷川にロングボールを出し続けるのだが、そのこぼれ球や跳ね返されたボールを拾う位置である2列目には誰もいない。途中で藤田がその位置に入ることもあったが、チームとしてその必要性を感じ取ることはできていなかったし、ベンチもその点を修正することができていなかった。結局、惜しいシュートシーンはありながらもガッチリ守る京都のゴールをこじ開けることはできずに1-2で敗北。甲府は京都に勝つ最大のチャンスをモノに出来ずに京都戦3連敗となった。
「攻めながらもそれに比例する得点を挙げることができない」。「貴重な得点を守りきれない」。甲府のジレンマは一向に改善される気配は無い。大木監督からも怒りや苛立ちを強く感じ取ることができた。「人を替えることを考えないと駄目」という言葉も出てきた。ケガのため長く戦列を離れていたアレックス(センターバック)の復帰が期待されるのは当然の流れだろう。このままでは「いいサッカーをする」と評価されながらも、5位前後でシーズンを終えるような雰囲気も漂ってくる。決定力不足と90分間守りきることができない守備陣。2つの課題をどう修正するのか、また、どちらかを優先するのか。大木監督の真価がここから問われることになりそうだ。
連敗を止めた京都だが、独走1位の悩みもある。誰もが京都のJ1昇格は確実と思う中で、モチベーションの維持が難しいのだ。チーム関係者は「昇格確実」と言われることを嫌う。柱谷監督は「新しい選手にチャンスを与えてモチベーションを持たせる」と話している。そういう意味では、2ゴールで連敗を止めるという大きな仕事を成し遂げた松田のように、出場機会の少なかった選手が活躍することでチームは活性化する。しかし、それとて確実な改善策ではない。天皇杯が始まれば新たなモチベーションが生まれるだろうが、それまでは、モチベーションの維持は京都にとって最大の課題になるのかもしれない。
以上
2005.08.07 Reported by 松尾潤
J’s GOALニュース
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