9月4日(日) 2005 J2リーグ戦 第30節
仙台 0 - 0 山形 (18:04/仙台/17,710人)
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詩人であり、達筆の書道家としても知られる故・相田みつを氏が、もし無類のフットボールファンだったとしたら、今日の試合を見て、こんな書を残したかもしれない。
ひきわけだっていいじゃないか
ダービーだもの
両チームのサポーターが普段以上に勝利を願うのがダービーならば、同じくらい「最低でも負けて欲しくない」という気持ちがあるのもまたダービー。選手にだって同じ気持ちが沸かないとは言えず、さらに決定機を迎えた選手には通常以上の緊張が襲うため、スコアを動かすこと自体容易ではない。
ダービーでのゴールや勝利が印象的なのも、裏を返せばそれだけ、ダービーで結果を出すことが難しいということだ。今回の結果は、その意味で最もダービーらしい結果といえるだろう。両チームそれぞれに決定機を掴みながら、同カード2回連続となる、0−0のスコアレスドローである。
前半、決定機が多かったのは山形。開始1分に、本橋の左サイドからのFKを、レオナルドが頭で合わせたのを皮切りに、13分には、仙台のCKから村上が放ったミドルのこぼれ球を拾い山形がカウンター、ハーフウェーライン付近からドリブルで中央を持ち込んだ阿部が、ゴール正面30mからフリーで強烈なシュート。さらに18分には、再びカウンターから右サイドを抜け、最後はゴール前でのパス回しからゴール左、完全にフリーの原へ渡る。いずれのシュートも、1対1となっていた高桑が止めるものの、前半は遠巻きからのシュート3本に終わった仙台に対し、山形はきわどいシーンをたびたび生み出した。
その要因として、仙台の左サイドの守備の乱れが挙げられる。サイドバックに村上、そしてハーフに今季初のメンバー入りとなった菅井という構成で挑んだ左サイドは、やはり山形の選手を捕まえるタイミングに難があり、低い位置まで相手を呼び込んでしまう。それは山形の右サイドにいた高橋に「前半自分の前には、仙台の選手がいなかったから」とまで言わせてしまうほどのもので、高橋と後方から上がってくる臼井に、仙台は前半大いに手を焼いた。また前半、仙台が効果的な攻撃を仕掛けられなかったのも、トップ下に入った財前が左サイドの守備フォローに追われたのと無縁ではないだろう。
だが後半、試合の風向きが若干変わる。13分に佐々木を投入して勝負に出た山形だが、15分と20分に生まれた決定機を原が決めきれずにいると、以降山形から、組織的な攻守が消えてしまう。
ゲームが混戦になった途端、ポジショニングに難を抱えていたはずの菅井が、システムとは関係のない部分―彼個人の持ち味である闘争心―で効果を発揮し出す。試合開始直後の接触プレーで頭部を負傷するものの、ホッチキス6針で傷口を止める応急処置に、まるで頭巾かのように頭部全体を包帯で覆った姿でプレーを続けた菅井。何かが吹っ切れたかのように高いポジションでプレスをかけるのみならず、ゴール前で積極的にフィニッシュに絡んでいく。その様は山形の昇格の行く手を阻んだ、昨年第4クールの同対決での姿を彷彿とさせるものだった。
一度混沌となった試合に再び秩序を呼び戻すのに、両監督は選手交代など策を採るが、ただでさえダービーの熱狂の中で、今日に限ってそれは難しかった。山形は左にフレッシュな高木を投入、右の佐々木との両翼で、再びサイドからの崩しを目指そうとするが上手く行かない。後半44分には、自らのシュートの跳ね返りから佐々木が上げたセンタリングに、ファーに居た林がフリーで合わせるものの、ヘディングが枠に行かず、目前の山形サポーターの歓喜は最後までお預け。一方の仙台も、疲れたバロンを敢えて残した上で、秋葉と萬代を投入、前線の高さを秋葉のクロスで活かすことを狙ったが、最後までクロスを上げるチャンス自体が巡ってこなかった。
ロスタイム、サポーターの祈りに似た叫びがこだまする中、最後に仙台がCKのチャンスを掴むものの、シルビーニョのキックに合わせた根引のヘディングシュートは上手くミートせず。試合はこのまま、2試合連続のスコアレスで終了した。
ダービーの決着は、これで第4クールの対決に持ち越しとなった。次回のダービーは第39節、山形のホームゲームである。昨年のダービー4戦目がそうであったように、今年もまた、この39節の結果が、双方の昇格の行方に重大な影響を与える、今からそんな気がしてならない。
以上
2005.09.05 Reported by 佐々木聡
J’s GOALニュース
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