9月24日（土）J1 第25節 名古屋 vs Ｃ大阪（19:00KICK OFF/瑞穂陸）
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　9月18日、大分戦（第24節）で0−2の敗戦を喫した翌日、名古屋に激震が走った。ネルシーニョ監督解任。現在、8勝8敗8分けの9位だが、8月のリーグ再開後は1勝3敗2分けと低迷。それでも23節・柏戦では4−0の快勝で「今季最高のゲーム」をし、上昇気流に乗れるはずだった。しかし続かず、降格争いの渦中にいる大分に完敗。
　優勝争いの上位チームとは勝ち点10以上離されているが、降格圏内の下位チームとはわずか7差。「悪い方向に出れば降格争いに飲み込まれかねない。ギリギリの選択だった」（フロント幹部）という、まさに背水の陣を敷かれた末の選択だった。さらに、そのわずか4日後、7月に加入したばかりのルイゾンが、かねてから噂のあったサントス（ブラジル）へ完全移籍することが発表された。

　相次ぐ騒動に揺れる名古屋だが、逆にこれをチャンスと見る意見も多い。ネルシーニョ前監督に代わって、残り10戦の指揮を執るのは、コーチを務めていた中田仁司監督代行。昨年からネルシーニョ前監督の目指すサッカーを見ながら、サテライトチームでベース作りをしてきた。「これまでと全く新しいことをするつもりはない。今までグランパスやネルシーニョが築き上げてきたものを継続しつつ、悪いところは修正し、＋αの肉付けをしていきたい」と、当面は今まで通りの方針を変えないことを明言した中田監督代行。

　しかし、監督代行としての練習初日は、セカンドチームも加えて全体練習をし、ミニゲームもトップ、セカンドの区別なく全員にチャンスがあることをみせた。つまり、中田監督代行の頭の中には、下克上があり得るということだ。
　「これからいろいろ（な選手を）試すでしょうけど、そこで勝てばそのまま使ってくれるはず。勝てなければ、また元にもどってしまうだろうから、出たら勝ちたいし、最初から必要とされたい」。今回もベンチスタートとなりそうな本田は、これをチャンスと見ている選手のひとりだ。そしてルイゾンの移籍でスタメン濃厚の豊田も、すっかりスタメンの常連となった杉本も、おそらく同じ考えだろう。若手の発憤は、今の名古屋にとって好材料になるに違いない。

　また「悪い状況はネルシーニョ監督だけの責任ではなく、全員の責任だということは選手たちも分かっている。前を向いていこうと言っている」という中田監督代行の言葉が本当なら、スタメン全員が危機感を持って必死に戦う姿が見られるはず。中田監督代行がまず実行した「動く」サッカーで、戦う気持ちが見えるゲームをしないことには、名古屋の今後は明るくないだろう。

　ゴタゴタ続きの名古屋を後目に、このところ3連勝と波に乗っているC大阪。しかも前節・磐田戦は2−0の完封勝ちで、絶好調。これを支えているのはDF陣。磐田戦では完璧なマーキングで相手の攻撃陣を抑え、サイドアタックも封じた。中でもボランチ下村は、バランサーとしての役目をきっちり果たし、攻撃においても起点となる大活躍。「守備の意識が高まった」（下村）ファビーニョも、1対1の強さやカバーリングで守備に貢献。攻撃においては西澤、古橋、森島のトップ3が、数少ないチャンスをものにする。守備をベースにカウンターを仕掛ける戦術で勝ち点を積み重ね、6位に浮上した。

　好材料はまだある。名古屋とは今季2勝1分（ナビスコ杯予選含む）と負けなし。名古屋と対戦する毎に得点に絡んでいる、名古屋キラーの古橋の活躍も期待大だ。不安材料と言えば、森島の出場停止、名古屋・中田監督代行が2000年にC大阪でコーチをしていた経験があることくらいか。

　より積極的な守備でチャレンジしていくサッカーが、リーグ終盤に来て開花し、2連続完封勝利4連勝で、さらに上位への飛躍を目論むC大阪。
　GKのJ1完封記録の新記録（67試合）樹立を目指す守護神・楢崎を中心に、完封勝利で再生の糸口をつかみたい名古屋。中田監督代行の初采配を白星で飾れるか。名古屋にとって今季大一番となる試合であることは間違いない。

以上

2005.09.23 Reported by 茂木美佐子