10月22日（土）J1 第28節 東京Ｖ vs Ｆ東京（15:00KICK OFF/味スタ）
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　東京V対F東京のリーグ戦通算成績は東京Vの5勝2分4敗、01年以降「東京ダービー」となってからは3勝2分4敗。2000年FC東京のJ1昇格と共に始まったこの勝負、力の拮抗した互角の戦いが行われてきた。

　しかし、東京Vにとって東京ダービーと言えば昨年のナビスコ杯準決勝の印象が強烈だ。0−3というスコアでしかも退場者を出し、一人少ない状態で迎えた後半の追い上げ。雨天でスリッピーなピッチ状態の中、延長に入り小林大のピンポイントクロスを決められなかった平本の試合後の涙。2001年にヴェルディ川崎から東京ヴェルディ1969へと名称変更を行って以来、毎年シーズン半ばには成績不振による監督交代を行ってきたこのチームにとって初めて手の届きそうな所まで来たタイトルだった。それだけに試合後、大雨にまぎれて涙を流したサポーターは少なくはない。昨年のベストマッチに上げる選手、関係者の多いこの試合からほぼ1年。東京VがFC東京を迎える形での今季2度目のダービーマッチだが、両チームとも順位、チーム状況共に芳しくない。

　なんといっても東京Vは、現在降格圏内の17位。どうしても勝利がほしかった神戸戦を含めここ3戦連続引き分け。主力選手からも「こんな順位だけど応援して下さい」などとやや自嘲気味のコメントさえ聞かれるようになってきており、2001年、最終節までもつれた残留争いの記憶がよみがえりつつある。あれから5年がたち、昨年はカップ戦ではあるがタイトルも手にした。2001年、そのルーキーイヤーの最終節をスタンドで観戦していた小林大も既に5年目。チームの主軸へと成長を遂げつつある。これまで決して練習量の多かったとは言えない小林大も森本、相馬といった練習量の多い選手たちと肩を並べるほど練習に向かっている。「チームがこんな状態だから。ただ勝ちたくて」そういってチーム練習終了後、走りに出ることもある。

　ただその小林大も今節は出場停止。更には、サテライトリーグで3試合出場停止処分を受けた平本、そして上村が不在。また今節、F東京のサイド攻撃を警戒してかダイヤモンドの型の4-4-2の布陣を敷くことになりそうだ。予想されるスタメンはGK高木、DF（右から）山田、林、戸川、相馬、ボランチ戸田、左MF平野、右MF小林慶、トップ下ジウ、２トップワシントン、森本、戸田がコンスタントに出場することにより守備は堅いものになりつつある。実に14試合ぶりに先発が濃厚となった森本が、ジウ、ワシントンとどのようなコンビネーションを見せるのか楽しみにしたい。

　一方F東京は勝ち点32の11位。シーズン当初の不調からは脱し、降格圏内は免れてはいる。だが石川、加地を欠く状態。攻撃力が懸念されるところではあるが、前節は堅い守りの広島に2得点。F東京も堅い守備からのカウンターで最終的に粘り勝った形だ。「相手が疲れて間延びすればチャンスが来ると思った」と馬場がコメントしているように、後半勝負をかけてくるだろう。東京Vはこの2試合先制しても勝ちきれていない。特に磐田戦などは3−1から一度3−4に逆転され、試合終了間際にようやく追いつくという始末。どうにかこの試合は後半も集中力を切らさずに戦って欲しい。

ダービーという事もあるが、そうでなくても勝ち点3の欲しい東京V。今後は横浜FM、C大阪、浦和と強豪との対戦が続くだけに、どうしても勝利を手にしておきたい。

以上

2005.10.20 Reported by 了戒美子