10月29日(土) 2005 J2リーグ戦 第38節
水戸 1 - 0 横浜FC (14:00/笠松/6,548人)
得点者:'86 吉本岳史(水戸)
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「内容より勝てたことが大きい(水戸・前田監督)」という指揮官のこの言葉はまさに本音。水戸はのどから手が出るほど欲しかった勝点3を、1ヶ月ぶりにやっとの思いで手に入れた。
水戸も決して悪いサッカーではなかったが、しかしそれ以上に、手負いの状態の横浜FCのほうが有機的なサッカーを展開していた。決定的チャンスの回数で、横浜FCが水戸を圧倒。水戸・本間のファインセーブがなければ、大差で横浜FCの勝利もあったかもしれない。この言葉が適切かどうかは疑問だが、『アクシデントはあったがツキがなかった』という類のゲームだった。
その中で最も目を引いたのは、山口素弘・36歳だ。中盤の底にどっしりと腰を据え、前線だけでなくチーム全体、ゲームの流れまでもコントロールする。経験に裏打ちされた破綻のないプレーは絶対的な安定感をもたらし、ダイレクトプレーでのスピードチェンジは決定的なチャンスを作り出す。「攻め切れなくても山口からもう一度始められる」と攻撃陣は自由闊達に、そして「山口が対応する時間を作ってくれる」とディフェンス陣は余裕を持ってプレーする。なるほど、横浜FCが今、良い内容のサッカーを展開できる礎は、この山口にあったのだなとしみじみと見入ってしまった。山口のプレーを見れただけでも、このゲームを見る価値があったと断言できる。彼は間違いなくプロフェッショナルだ。
ゲームは、横浜FCのアクシデントから始まった。開始早々の5分に、CBの山尾が負傷退場。水戸・ファビオとヘディングの競り合いをした直後(着地のときかも)そのままピッチにうずくまり担架でピッチ外へ。早川をセンターバックにシフトし、山尾の代わりにはFW登録の高田が投入された。
ただでさえ台所事情が厳しいDF陣。このまま崩壊も予想された。「システムは3バックにしてない。人が代わっただけ(横浜FC・足達監督)」ということだったが、雰囲気的には高田が右サイドに張り出し、北村がトップに押し上げられた形の3−4−3へ。スクランブルのはずの横浜FCの布陣に水戸は混乱。戸惑う水戸をよそにペースは横浜FCが握った。14分、16分、18分と横浜FCがチャンスを演出。山口から始まる攻撃だった。水戸はよく凌ぎ、横浜FCは決めなければいけない時間帯だった。
水戸は凌ぎきったことで落ち着き、3バック気味になった横浜FCの両サイドをつけるようになる。20分、27分と右サイドから、そして28分、30分は中央からと、永井のゲームメイクにより攻撃の形を作っていった。両チームとも、この前半で決めきれなかったことで、ゲームを難しくしてしまった感がある。
後半は、両者の攻撃のスタイルが、はっきりと二分された。横浜FCはポゼッションから中央の城・三浦にくさびを入れ前進、シュートまでいけなくてもCKやFKを得て着実にチャンスを作る。決してスピーディとは言えないが、確実に前にボールを運んでいくことにより、水戸のディフェンスラインをより深く押し込んでいく。このゲームで横浜FCは、CK、FKからの決定機を3度本間に反応され、得点を逸している。引いて守る水戸に対し、これはこれで正解というべき攻撃スタイルだろう。もちろん遅攻ばかりでなく、ミドルシュートや縦への単独の突破なども織り交ぜ、緩急のついた効果的な攻撃を展開していた。
一方の水戸は、空いたオープンスペースをシンプルに突くカウンターに冴えを見せる。ボールを奪ってから3〜4本のパスでシュートレンジまでボールを運び、あわやのシーンを作り出した。
水戸の得点シーンは、この日唯一の2次攻撃から。カウンターで押し込んだ後、はじき返されたボールをキープ。大和田がどちらかというと得意な右足でクロス。ゴール前で混戦になり鋭く反応したファビオが抜け出るところを早川がたまらず倒し一発退場。このPKを吉本が落ち着いて決め、虎の子の1点を奪い取った。「早川はセンターバックでよくやってくれたし、退場は責められない(横浜FC・足達監督)」というように、これは水戸の展開から生まれた必然だったのかもしれない。
今日は、ひとことで言うと『水戸らしいゲーム』だった。今季10コの勝ち試合で、失点はわずかに1(第20節:vs 湘南:4−1)。勝ててる試合は無失点なのだ。そして10勝の内、実に8勝が1−0のスコア。我慢に我慢を重ねて、そしてそれでも我慢して、その間にある3回ぐらいのチャンスで1点を取る。Jリーグ通算200試合となった水戸・栗田の「水戸は0で抑えないと水戸じゃない」という言葉が印象的だった。
いつもひたむきに真摯にサッカーに取り組む男だからこそ、この言葉には重みがあった。久々の勝利に沸くサポーターの中にも『水戸らしさ』を思い出した人がいることだろう。「引いて守って1−0が『らしさ』では情けない」と思う方もいるだろうが、その『らしさ』と共に育っていければ、それはそれで幸せなことかもしれない。
そして、その『らしさ』をもって、天皇杯、J1・広島に挑むことになる。
以上
2005.10.29 Reported by 堀高介
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第38節 水戸 vs 横浜FC レポート】水戸らしいゲームで久々の勝利。横浜FCには内容に結果が伴わない『ツキ』のないゲーム。(05.10.29)
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