11月26日(土) 2005 J2リーグ戦 第43節
仙台 0 - 1 京都 (13:04/仙台/19,087人)
得点者:'63 アレモン(京都)
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「自分たちの良いところを強気で出していきたい」というのは、この京都戦を前にした都並監督のコメントである。
確かに仙台は立ち上がりから『仙台らしい』戦いを見せた・・・が、それは言わば悪癖の方。仙台スタジアムに詰め掛けた19,087人のサポーターがキックオフのホイッスル直後に見たものは、真剣勝負の真っ只中にいるチームとサポーターに対する最大限の敬意として、考えうるベストメンバーで乗り込んできた京都の攻めにたじろぐ、仙台イレブンの姿だった。田原がヘディングで仙台ゴールを脅かしたのが開始33秒。3分にはドリブルで左サイドからペナルティエリア内に侵入した斉藤が、高桑の正面に飛んだものの強烈なシュートを放つ。
そして4分と5分には、それぞれ中払からのスルーパスと自らのドリブルによって、アレモンがDFを突破、ゴールマウスに迫った。だがこの2本のピンチを、試合後にチーム年間MVPの表彰を受けることになる高桑がその名に恥じぬスーパーセーブで弾き返す。
試合後高桑はこのシーンについて「あそこでやられるとズルズルといってしまうと思った」と語っていたが、彼のスーパーセーブ2本がチームに勇気を与えたのは間違いない。試合はここから、仙台が息を吹き返したかのような逆襲を見せる。
落ち着きが見られ始めた仙台は、ボール回しにも徐々にエンジンがかかり始めた。中田もようやく前に出始め、右サイドを使えるようになったことも功を奏し、16分にはシュウェンクが、22分には梁が、敵陣深くでの速いパス回しからミドルシュートを放つなど、フィニッシュで終われるようになってきた。それでもまだ決定機と呼ぶには遠かったが、明らかに風は仙台に吹いていた。0−0でハーフタイムを迎えても、仙台スタジアムに焦りや失望といった感情は無かった。
後半も流れは変わらない。さらにハーフタイムでスタジアムに流れた「甲府0−3福岡」の報が、勝利、そして勝ち点3への渇望をさらに高めた。とにかく1点、その1点が、仙台をJ1に近づけるのだ・・・
だが無情にも、待ち望んだ先制点は京都に転がり込む。後半18分、右サイド浅い位置にいた斉藤がゴール前に長いボールを放り込むと、田原がゴールやや左寄りにいた中払へヘッドで落とす。中払が右足で放ったシュート・・・が当たり損ないとなったボールが、なんとゴール正面にいたアレモンへ絶妙なパスとなって繋がった。不意の挙動に高桑を含む守備陣全員が後手に回ってしまったのをあざ笑うかのように、アレモンは少し浮かせたシュートで仙台ゴールを陥れる。
先制点は京都、そしてこれが結局決勝点となった。
決して仙台が、先制点で意気消沈してしまったわけではない。むしろ仙台はその後も、目の前で3位確定を目撃したいサポーターの声援を受け、必至の抵抗を試みた。
だが3つの要素が、その反撃の目を摘んでいった。1つは菅井投入後の混乱。後半20分に梁に代えて菅井を投入した仙台だったが、直後仙台の中盤では攻守における役割分担(というよりも上から見る限り、基本のポジション配置すら選手間で錯綜していた感があった)がぼやけ、チーム全体が機能停止とも呼べる状態に陥っていた。都並監督は自らの比を認めたうえで「7、8分間機能しなかった」と分析したが、仮に少なく見積もってその時間が5分だったとしても『失った時間』は大きい。
2つ目は得点後の京都の横綱相撲ぶり。菅井を投入して前からボールを奪いに来た仙台を、京都はリスクを回避したボール回しでいなし続けた。
それでも仙台は執念を見せ、残り5分を切った辺りから試合は、文字通り京都エンドでのハーフコートゲームの様相を呈してきたのだが、ここで最後の要素、京都のGK西村が立ちはだかった。4分と表示されたロスタイムが2分を回ったところで、大柴の上げたセンタリングに、パワープレーで前線にいた根引が渾身のヘッド。しかしこれに西村が素早く反応し横っ飛び、左手一本で掻き出す。スタジアム中が頭を抱えた、両チーム通じてこの試合で一番のスーパープレーは、恐らく西村にとっても、今後続く長いプロ人生で最も印象に残るセービングの一つとして記憶されるだろう。そう思えるほどのファインセーブが、仙台の最後の希望を吹き消した。
試合後「リーグ戦の」ホーム最終戦セレモニーで、都並監督はホームのサポーターに「12月7日にお会いしましょう」と力強く語れば、キャプテンの熊谷は号泣を隠さずに「今まで以上に熱い声援、力を、僕らに貸してください」と呼びかけた。そしてそのメッセージは、サポーターの心を確実に射抜いた。
サポーターに約束したとおり、もう一度仙台スタジアムに戻ることが出来るか。全ては一週間後、福岡で決まる。そして甲府の敗戦もあり3位でいられた仙台は、それを自ら決められる立場にいる。
以上
2005.11.26 Reported by 佐々木 聡
J’s GOALニュース
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